- 今までにない家族の型
- ビジネス用語が飛び出すホームドラマ
- 役者の飛び抜けた縁起
このクールのドラマ枠の中でダントツの人気と視聴率で1位をぶっちぎってきた「義母と娘のブルース」もいよいよ最終回です。
「義母と娘」というタイトルからはふつうギスギスした内容を連想させますが、今回の「義母と娘」は最初偽装結婚から始まったものの、次第にハートウォーミングな内容になり、視聴者も笑ったり泣いたりと最後まで飽きのこない内容となっていました。
毎週火曜日が楽しみでしたが、いよいよ最終回を迎えました。
亜希子とみゆき、亜希子と麦田の関係はどうなっているでしょうか?

さらに新しい家族の型か?
義母と娘のブルース・最終話 感想とネタバレ!
亜希子はどう返事したの?
麦田からのプロポーズ
9話の終わりに麦田がプロポーズし、右手を出して「お願いします」と言っていましたが、亜希子がその手を取ったかどうかは不明でした。
麦田はみゆきと大樹に、親指をだしてグーポーズを見せていた麦田ですが、ちょっとずれたところがある麦田なので、それがうまくいったの合図なのかどうか、視聴者をイマイチ不安にさせたままの9話の終わりでした。
案の定、麦田は亜希子に振られてしまいました。
もし亜希子がプロポーズを受ける流れなら、そのシーンは最終回に持ってきたはずです。
見事に視聴者をドキドキさせ、翌週まで惹きつけた演出ですね。
右手を出した麦田に、その手を見ると主人を思い出してしまいますと亜希子は答えます。
初めて良一と手を繋いだとき、握手の形になりお互い反対方向に歩くというギャグのような場面が思い出されます。
まだ、主人を思っているのに麦田にお世話になるわけにはいかないと、亜希子はプロポーズを断ってしまうのでした。
良一の亡きあと、娘のみゆきの世話を依頼するためだけに一緒になった、亜希子と良一のいわば偽装結婚ですが、良一・みゆきと暮らすうちに、亜希子は確実に良一を愛してたのは間違いありません。
良一亡き後も、みゆきのことを、良一の写真に向かって「どうしたもんですかね?」と問いかけていた姿は、長く連れ合った夫婦の会話のようでした。
麦田に良一のことを語るときも、優しい表情で「陽だまりのような人」と語っていた姿は、良一を心から愛している妻そのものでした。

昔のロボットのような亜希子とは別人でしたね
みゆきが亜希子と麦田の恋愛がうまくいけばいいと願ったのは、亜希子が自分のせいで手に入らなかった幸せを、取り戻してほしいと考えてのことでした。
みゆきの大学受験
亜希子がベーカリー麦田を再建させる姿に触発されたみゆきは、大学で経営学を学ぶことを決め、その受験の本番を迎えようとしていました。
亜希子の思惑通り、みゆきは亜希子の背中を見て、働く意義や喜びを知ったようです。
第一志望受験日前日、亜希子はみゆきの為に「今宵は全方位勝を取りに行く」と言って、あらゆる食材のカツを作ろうとしていました。

意外にゲンを担ぐ亜希子です
試験当日もみゆき本人よりも亜希子の方が緊張しているようでした。
亜希子に大手企業からスカウト
良一の上司である笠原部長から亜希子に電話が入りました。
なんと大手のコンサルティング会社が亜希子をスカウトしたいというのです。
一瞬、キャリアウーマン魂に火がつく亜希子ですが、勤務地が大阪になると聞いて考えます。
ベーカリー麦田を今放り出すことはできないし、第一みゆきを一人にするわけにはいきません。

でも亜希子の心はかなり揺れています
亜希子倒れる
笠原に断りを告げた途端、亜希子は倒れてしまいます。
みゆきの受験を心配してか、あまり寝ていなかったようで、過労で倒れたのでした。
みゆきは亜希子が倒れたと聞いて、母や父が亡くなった時のことを思い出し不安になります。
過労と聞いてもすぐには信じられません。

私にはみんな本当のこと言わないじゃない
幸い亜希子は本当に過労でした。
ホッとしたみゆきですが、病院で笠原から亜希子のスカウトの件を聞き、ある考えに至ります。

みゆきも麦田も亜希子のスカウトを気にかけます
亜希子の入院中、みゆきは亜希子の頭に白髪があるのを見つけます。
それを見てみゆきは、亜希子がどれだけ自分を犠牲にしてみゆきの面倒をみてきたのか、自分は亜希子の時間をどれだけ奪ってしまったのかと考えます。
みゆきの作戦
みゆきは第一志望の大学に合格していました。
しかし、大樹にも亜希子にも落ちたと嘘をつきます。
その後もほかの大学の試験では漫画など描いてまったく合格する気がありません。

合格する気がないなら試験受けなきゃいいのに
みゆきが大学すべて不合格とするのは、亜希子が大手企業からのオファーに悩んでいることを知り、亜希子が仕事のオファーを受けられるようにするための作戦だったのです。
大学にすべて落ちれば就職するしかなく、それでみゆきが自立できれば亜希子は大阪へ行けると考えたのです。

みゆきなりに考えてだした結論です
おもしろ亜希子
みゆきの作戦はあっけなくばれてしまいます。
みゆきの合格通知が郵送で届いてしまったのです。
それでも次々と「落ちた」と報告するみゆきの不可解な行動に、怒り心頭の亜希子でした。
あの手この手でみゆきの本意を聞き出そうと試みますが、みゆきもなかなか尻尾を出しません。
終いには、みゆきの真意を引き出すために亜希子は、白装束で冷水を被る水垢離(みずごり)を敢行します。

このシーン面白すぎます
でもこれもみゆきには響きません。
亜希子、自分の舵は自分で切る
みゆきは全部大学に落ちたから、麦田に就職して独り立ちしたいと言い出します。
亜希子は、みゆきの合格通知を見せ、自分が本当にコンサルティング会社にいきたいと思ったら自分でネゴするから気遣いは不要と言います。
それを聞いてみゆきは、人生なんていつ終わるかわからない、やりたいことやって欲しい。

お母さんから時間を取り上げたくない
お母さんが自分で決める人だとわかってるから、こんなことしかできないみゆきの気持ちも分かって欲しいと訴えます。
亜希子は「みゆきは、亜希子がすべてを捨てて、同情から自分を育ててくれたと思っている。みゆきはそれを恩に感じている」という解釈でよいかと聞き返します。

では、綺麗な言葉で語るのはよしましょう
亜希子の告白
亜希子は、みゆきを育てたのは自分のエゴイズムだと話し出します。
亜希子は、小学校3年で両親を亡くし、中学生で天涯孤独の身となったことを告白し始めます。
一生懸命勉強し、一生懸命仕事し、自分の人生はこれでいいと思っていたが、いつしか自分の心にぽっかり穴が開いていることに気付きました。
そんな時声をかけてくれたのが良一で、良一はみゆきを育てる人が欲しくて、亜希子は自分の心の穴を埋める人が欲しくて、良一の提案に乗ったのだと。
みゆきをみてこの子は私なんだと、この子を安心させてあげたいと思ったのだど。
亜希子は幼い頃のみゆきと自分の子ども時代を重ね合わせ「あなたを育てると言いながら、私は満たされなかった自分を育て直していたのです」と涙ながら語るのでした。
みゆきは利用されただけだから、恩義を感じる必要はないと言い切ます。
みゆきは泣きながら言い返します。
「私が笑ったら自分が笑った気になるってさ、私が傷つけられたら自分のことみたいに怒るってさ、自分が欲しかったもの全部あげたいってさ、そういうの、そういうのね、世間では愛っていうんだよ」

実に感動的なシーンです
亜希子じゃなくても、母親は、自分のできなかったことや、してもらいたかったことを子供にさせたいと思うでしょう。
亜希子はちっともみゆきを利用してたわけではありませんね。

もうすっかり本当の母になっていたのです
みゆきもしっかり亜希子の愛情を受け止めていました。
麦田の愛
亜希子は麦田に退職願を出そうと、麦田の様子をうかがっていました。
ところが、亜希子が退職を切り出す前に、麦田からクビを宣告されます。
麦田は父から送られたレシピをみて、自分が言うべきことが分かったようです。

レシピには「愛を知ること」と記されていました
亜希子にクビを言い渡すことが、麦田の精一杯の愛情表現だったのです。
麦田は退職金変わりだと言って、亜希子のおでこにキスをします。

ずるい麦田、とテレビの前で叫んだ人続出
二人の門出
みゆきは大学に、亜希子は大阪に行くことを決意し、住んでいたマンションを処分します。
初めて二人が会った公園で、それぞれ、「いってらっしゃいませ、いってまいります」とお互い挨拶して別れます。
二人の新しい出発です。
とても清々しいエンディングでした、と思ったら最後にオチが。

ブルースは別れの曲、ああ、おわってしまった…、
ふり幅の大きさを見せつけた佐藤健
「義母と娘のブルース」では、主演綾瀬はるかの演技力も見ものでしたが、それと同等に佐藤健の演技のふり幅も大きな話題となりました。
朝ドラと違う残念なキャラ
朝ドラではヒロインの幼馴染として、頭がよく、理性的で、周りに期待され間違ったことをせず、つねにヒロインを見守り役を演じている佐藤健。
朝ドラの方は、外見から想像される佐藤健に近い役柄を演じているように思われます。
ところが「義母と娘のブルース」では180度違った役柄になっています。
仕事を次々変わり、我慢が足りずすぐ辞めてしまう、言葉も間違いが多く、お調子者、どこから見てもダメな、残念な男性を演じています。
今までの佐藤健のイメージにはなかった役どころではないでしょうか。
しかし、朝ドラとは真逆の男性を演じる、その縁起のふり幅の大きさが、新しい佐藤健ファンを増やしているとも言えるでしょう。
残念な男性だけどどこか憎めない、そのあたりをうまく表現しています。
きっと佐藤健本人もやっていて楽しいのではないでしょうか?

はっちゃけぶりが観ている視聴者を楽しませます
料理上手
パン作りのシーンも多いですが、ものすごく手付が慣れている感じです。
佐藤健は以前同じTBSで「天皇の料理人」に主演しており、その時にかなり料理の練習をしたようで、包丁さばきはプロ並みのようです。
今回の「義母と娘のブルース」のパン作りでも、その片鱗が見え隠れしています。
何度も職を変わったダメ息子の割には、パン作りは手際が良くて、その辺は父である先代も褒めていました。

他でやった役を、次の役に活かしています
どこでもイケメンはかわらず
朝ドラとは真逆の役ですが、同じ面もあります。
それは自他ともに認めるイケメンだということです。
朝ドラでは生まれたときから、きれいな顔ともてはやされていました。
漫画家の秋風羽織にも美少年と呼ばれていましたね
こちらの「義母と娘のブルース」でも、「俺は顔だけはいいからな」と言っており、みゆきも亜希子に麦田の「イケメンぶり」を推しています。

役の幅はひろがっても、イケメンはくずれないのですね
今後の佐藤健の演技にさらなる期待です
義母と娘のブルースを見逃したらVOD
ついに最終回を迎えてしまった義母と娘のブルースですが、うっかり見逃した方も安心してください。
無料で視聴できるサービスがありますよ。
放送から1週間以内ならTVer
義母と娘のブルース最終話を見逃してしまった方は、民放公式テレビポータル「TVer」でチェックしましょう。
新しい家族の形を考える内容です。
放映から一週間はその回は無料で観られます。
アプリをダウンロードすればどこでも気軽に観ることができます。
https://tver.jp/
全話を視聴するならParavi
もう一度最初から見直したい方は「Paravi」がおススメです。
全話を視聴して亜希子の名言を振り返ってみるのもいいものです。
今すぐ、どこでも見放題で、最初の一ヶ月は無料で体験できますよ。
https://www.paravi.jp/
まとめ
新しいがいっぱいだった「義母と娘のブルース」
- 新しい家族の型
- 役者の新しい一面
- ビジネス用語が飛び出すホームドラマ
バリバリのキャリアウーマンが、子持ちの中年男性と結婚して、母親業を始めるという、今までになかった設定でのホームドラマでした。
今までなら娘は母親の家庭的な面に影響され良妻賢母の道を行くというのが定番でしたが、「義母と娘のブルース」はキャリアウーマンの母の行動を見ながら、娘がまっすぐに育っている姿が、視聴者には新鮮で、毎回面白く観られました。
綾瀬はるかのサイボーグのような歩き方やお辞儀の仕方も、お茶の間の話題になりましたね。
女性もバリバリ働かなければならない現代、母親が子供に見せる姿も変わってきたということです。
父が外で働き、母が家で家事という家庭の姿はやがて消えてしまうのかも知れませんね。

次はみゆきのキャリアウーマンぶりが観たいですね