• 寂しいと淋しいの違いとは?
  • 寂しいと淋しいの意味や使い方の違いとは?

最近恋人や家族に会えてなくてさびしいなって時にメールとかラインで「会えなくてさみしい」って送ったりしていませんか?

さびしいっていれると「寂しい」「淋しい」って二つが出てきますよね。

寂しいと淋しいって言葉の使い方の違いって気にしたことありますか?

寂しいと淋しいの違いとは?寂しいと淋しいの意味や使い方の違いとは?

 

このコラムでは、寂しいと淋しいの違い、寂しいと淋しいの意味や使い方についてご紹介していきたいと思います。

「寂しい」「淋しい」の正しい読みは?

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「寂しい」と「淋しい」はどちらも「さびしい」「さみしい」と読めます。

 

私も今回調べてみるまで寂しい=さびしい、淋しい=さみしい が正しいのだと思っていましたが、どっちがどっちでも良かったんですね。

 

これは私同様に、このコラムをここまで読んでみるまで勘違いしていた方は少なくないのではないでしょうか?

 

しかしながら、常用漢字表によると「寂しい」の読みは「さびしい」のみだそうです。

 

ですから「寂しい=さびしい」と思っていた事自体はある意味正しいってことなんですね。

 

ですから、学校のテストなどで「寂しい」の読みを書きなさいという問題が出たら、「さびしい」が正解で「さみしい」と書いてしまったら不正解とされてしまいます。

 

しかし、「寂しい」と「淋しい」って意味に違いはあるんでしょうか?

 

歴史を遡ると、「さみしい」は「さびしい」よりも後に作られた言葉

「さみしい」という言葉は実は「さびしい」という言葉から後になって生まれた言葉です。

 

はるか昔に「さぶし」という言葉がありました。この「さぶし」が「さびしい」と「さみしい」という言葉の先祖様といえます。

 

この「さぶし」は平安時代に「さびし」という言葉に変わりました。

 

それからさらに年月を経て、「さみし」という言葉が生まれたのだそうです。

 

「寂しい」「淋しい」と温度の関係

ちょっと余談にはなりますが、「さぶし」っていうと寒いって意味からきているのかなあと思いますよね。

 

実は温度が低いことと、「寂しい」「淋しい」という感情を持つことには関係があるのです。

 

温度が低い環境にいると、気分が塞ぎがちになり、うつ病になったり、自殺をしてしまう人が増えてしまうというデータがあります。

 

現に日本でも比較的温度の低い東北地方は他の地方と比べて「自殺者」が多くなっています。

 

例えば「秋田県」は自殺者が非常に多いです。

 

秋田県といえば、お米の「秋田こまち」や「なまはげ」で有名ですが、「自殺者が多い」というのも知る人は知っている有名な話なのです。

 

秋田県民の皆さんからすれば、アピールしたくない事実ではありますが。

 

確かに、逆にハワイのような一年中暖かいところに住んでいる人が気分が塞ぎがちになって、ついには自殺してしまうというのはちょっと想像しにくいですよね。

 

更に「さびしさ」は周囲も人に伝染させる効果を持っています。

 

さびしいと感じている人が同じ部屋にいるだけで、周囲の人が感じる体感温度を下げてしまうそうです。

 

そして、実際さびしいと感じている当の本人の温度は下がってしまっている状態なのだそうです。

 

ですから、この事実を逆に利用してさびしくて気分がふさぎ込んでいる場合は意識して温度を上げたり、暖かい場所に移動するといいみたいですね。

 

「寂しい」とは?

寂しいとは静かでものさびしい様子を指します。

 

客観的にその立場を眺めている人の立場で、静かな状態にあって、それを見ていて心がさびしいという意味で使われるようです。

 

例えば、いつも大勢の人がいてにぎわっている家の中に誰もいなくて、人の声が物音が全くしない状態を指す言葉として使うようです。

 

いつもはあって、当たり前の状態なのが欠けてしまってさびしいなあという気持ちを表します。

 

ですから、日常的に寂しいといったら「寂しい」の方を使うことが自然なようです。

 

「淋しい」とは?

漢字にさんずいが出てくるところから、実は「淋しい」という言葉の語源は水が関係しています。

 

「水が滴る様子」からきている言葉だそうです。

 

もっと具体的には、梅雨の時期を思わせるような長雨、木立が長く続いている森林の中に水の滴がしたたるという意味からきているそうです。

 

そこから派生して、ものさみしい気持ちや涙を流したりと主観的な意味で使われるそうです。

 

涙がこぼれてしまうぐらいにさびしい時には「淋しい」のほうが適しているそうです。

 

「淋しい」の淋には、もともと「さびしい」という意味はないそうです。

 

「淋しい」は実は常用漢字ではない

「淋しい」は実は常用漢字ではありません。実は学校で教わる漢字の中には含まれていないのです。

 

この「淋しい」のように常用漢字ではないものを、表外漢字というそうです。

 

なので、「淋しい」が公用文、教科書、新聞などで使われることはありません。

 

「淋しい」は歌の歌詞や、文芸小説などでのみ使われる表現だったんです。

 

なので、仕事などで公文書作成時などにどちらを使うか迷った場合には「寂しい」を使っておいた方が無難なようです。

 

しかし、淋しいも臨機応変に使ってみたいし、どうせならば上手に使い分けてみたいですよね。

 

ちなみに「淋病」(りんびょう)というの病気の名前でも淋の文字は使われていますね。

 

ですが、義務教育中の小学生、中学生が知らなくてもいい言葉でもありますよね。

 

お父さん、お母さんや先生の立場でもそんな言葉わざわざ教えないですよね  笑

 

これを「りん病」としてしまったら、どんな病気なんだかさっぱりわからなくなってしまいますので、淋の文字は知らなくても困らないといわけでもないのです。

 

「淋しい」を使った方が適切な場合

普段は基本的に「寂しい」を使っておけば無難なのですが、あえて「淋しい」を使った方が良いってどんなシチュエーションなのでしょうか?

 

例えば、誰か身内や友人知人が亡くなってしまって悲しい、さびしいという場合には「寂しい」よりも「淋しい」が適切だそうです。

 

他にもより深い悲しみや切なさを表現する場合は「淋しい」の方が「寂しい」よりも適しているそうです。

 

歌の歌詞や俳句を書いたり、恋人へのメールやラブレターの場合には「会えなくて淋しい」という表現を使ってみてはいかがでしょうか?

 

逆に一人になってしまうさびしさという意味の場合には「寂しい」を使うそうです。

 

はじめから、ずっと孤独だった人は一人でいることが当たり前のことでそこに「さびしさ」を感じないのですが、その状態から人と交流して、交流を通して幸福を感じてしまった人は、そこからまた一人になってしまうと「淋しい」ということになるのだそうです。

 

まとめ

ここまで読んでみていかがでしたでしょうか?

 

私も今回調べてみるまで、「寂しい」と「淋しい」に意味の違いがあるかどうか考えたこともなかったのですが、ちゃんと意味の違いはあったんですね。

 

ただ、大雑把には同じ意味なんでそんなに意識して使い分ける必要もないそうです。

 

ただ、結構みんな知らないので、知っていたら自慢になりますね。

 

日本人でも認知されていない、日本語のトリビアってまだまだたくさんありそうですね。

 

私の場合「おこなう」の送り仮名の振り方として「行う」と「行なう」はどちらでも正しいですが、

 

文部科学省が推奨しているのは「行う」であるというのは知っていましたが、寂しい、淋しいの違いについては知らなかったですね。

 

これを機会に辞書などを引いて、日本語について勉強しなおしてみるのも面白そうですね。

 

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