- じゃがいもの連作での障害の対策!
- 連作障害のない栽培方法・植え付け
連作障害とは同じ場所で毎年同じ植物を栽培すると出てくる症状が連作障害です。
病害虫の増加や肥料バランスが崩れ、育成状況が非常に悪化します。
土の中の必要な成分がどんどん消費され、不必要なものばかりが増えていくということから起きる物ですね。
この連作障害はナス科の植物に多く出ます。ナスとじゃがいもは食べると全然違うのですが、じゃがいもはナス科の植物で非常に連作障害を起こしやすいものです。
今回は、じゃがいものもの連作での障害の対策、栽培の方法、植え付け方を調べてみました。
じゃがいもを連作しなければ連作障害は起きない
簡単にいってしまえば、今年じゃがいもを植えた場所にじゃがいもを植えない。これだけで連作障害を回避できます。同じ場所に植えるので、連作障害になるのです。
土の状態が連作障害を脱して元に戻るにはおよそ2~3年かかります。その後でじゃがいもを植え付ければ全く問題なく、育成することができます。
じゃがいもだけではなく、ナス科の植物である、ピーマンやトマトなども非常に連作障害を起こしやすい作物です。
じゃがいもの後に、トマトやピーマンを植え付けても連作障害が発生します。連作障害は「ナス科」という同じ仲間のなかで発生してしまうのです。

とにかく、その土地には別の作物を植えるか、休ませるという方法が考えられます。
しかし、家庭菜園で、土地がせまい。どうしても、絶対に毎年じゃがいもを作りたいという方もいるでしょう。
そういった場合、連作障害を回避するような、栽培方法、植え付け方というものはないでしょうか。
そもそも連作障害とは
実際に毎年、ナス科の植物であるトマトやピーマン、そしてじゃがいもを同じ土地で作った場合にでてくる「連作障害」にはどのようなものがあるのでしょうか。
まず「病気」、「害虫」などの増加です。連作障害の中で一番よく出る問題が「病気」と「害虫」です。
じゃがいもの表面に円系のへこみが無数にできる「そうか病」や、じゃがいもの表面にモザイク模様ができ、じゃがいもの育成が止まってしまう「モザイク病」や、じゃがいもの根の部分が腐ってしまう「柔腐病」や似た症状の「黒あし病」があります。
害虫では小さな線虫(センチュウ)が代表的なものとなります。じゃがいもに寄生して成長が阻害され、収穫がほとんど期待できなくなります。
連作は、このような、病気を起こしやすくなり、そのまま病気の元となる菌や害虫もその土地にとどまってしまうことが多くなってきます。じゃがいもの連作はそれだけ、厄介な問題を発生し、連作すればするほどに、被害が出る可能性が上がっていくでしょう。
同じナス科のものでもじゃがいもがやっかいなのは、トマト、ナス、ピーマンといった地上にでていて状況がすぐわかるものではないという点です。しかも、じゃがいもの生育には植え付けから3か月から4か月はかかります。
じゃがいもでは、一度、病気や害虫が発生した場合、収穫可能となった物から穫ってしまうことが出来ない点で病気や害虫が他の植物より恐ろしいと言えます。トマト、ナス、ピーマンであれば、大きく育ったものを先に収穫することもできますが、じゃがいもで、それはできません。
最悪、全滅という事態が考えられるのが、じゃがいも連作の怖いところです。
そして、じゃがいもの連作は、土の中にも問題を作っていきます。それが肥料バランスの崩れとなります。病気や害虫とはまた違った連作障害の症状となります。
この場合、じゃがいもの地上に出ている葉や茎には異常がない場合もあります。ただ、土の中の肥料成分の組成が崩れてしまっているために、じゃがいもが全く育たない、生育不良ばかりのじゃがいもになってしまう場合もあります。
そもそも、植物というのは種類によって、土の中の肥料成分のなにを好むかという点で違いがあります。これは、同じ科であれば、同じような成分を好むということになりますし、全く同じじゃがいもであれば、なおの事同じ成分をどんどん消費していくということになるわけです。
その結果、じゃがいもの連作障害では、土の中の肥料が偏ってしまい、本当にじゃがいもにとって必要な肥料成分が無くなっていくということになります。
そして、不必要な成分だけが土の中での割合を増していき、じゃがいもの生育を妨げてしまう結果になるのです。
じゃがいもの連作での障害の対策
種いもを毎年購入する
一番簡単なのは、連作しないことなのですが、それができないという事情もあるわけです。
家庭菜園の場合、栽培できる面積が限られているなどから、毎回違った場所を使ってクルクルと土地のローテーションを組んで休ませながら栽培するという訳にもいかないでしょう。
そのような場合に、可能な限り連作障害によって発生する問題である「病気」、「害虫」、「肥料成分の偏り」などを回避していく方法があります。
まずは、連作障害に強い種いもとなる品種は無いかという点ですが…… 生憎とじゃがいもには、連作障害に強い品種というものがありません。
同じナス科でもトマトなどは、接ぎ木苗という栽培方法で連作障害を回避できるのですが、じゃがいもはそれができません。
ということで、まず種いもをどうするかですが、自家栽培で収穫したじゃがいもを、また種いもに使うということは避けるということが上げられます。
連作障害を100%ふせげるということではないですが、市販の園芸店などで、購入した種いもであれば、ウィルスチェック済です。
自家栽培や、スーパーで買ってきたじゃがいもを種いもに使うより、ウィルスの発生可能性が下がります。まずは、このように種いもを選定しましょう。
種いもは収穫物を使いまわさずに、毎年購入することが、連作障害の可能性を低減させるひとつの方法です。
病気に強い品種を選ぶ
じゃがいもには連作障害を予防できる品種はありませんし、トマトのように接ぎ木もできないのです。そもそも、地中にできるいもですから、地上で何かをしても仕方ありません。
しかし、連作障害全てを防ぐことはできなくとも、ある病気には強いじゃがいもという品種は存在します。
じゃがいもは、非常に多くの種類があります。この中から病気や害虫に強い品種を選ぶことが、連作障害を防ぐ方法になります。
病気に強いと言われるのは「農林1号」や「ホッカイコガネ」です。また、じゃがいもの天敵ともいえる害虫であるセンチュウに対し抵抗力をもっているのは「キタアカリ」です。
この他にも、いろいろな種類のじゃがいもがあります。組み合わせて栽培するのもひとつの手段かもしれません。
土壌を改善して連作障害を防ぐ「天地返し」!
肥料の偏りは投入する肥料を工夫することで、何とかなるでしょう。しかし、元々土壌自体が輪作障害により、病気、害虫の温床になっていることがあり得ます。
この場合、一番確実で効果があるのが、薬剤を使った消毒ですね。土壌を薬剤で消毒してしまえば、かなりの確率で、病気の元となる菌や害虫を駆除できます。
しかし、家庭で薬剤を使って土壌消毒するのはかなり熟練が必要です。しかも薬物で消毒するということは、こんどはその消毒した薬物の影響も気になる人もいるでしょう。

では、薬物を利用しないで、どうにかして土壌を消毒できないかということになります。
その方法として「天地返し」、「寒起こし」と言われる方法が非常に有効である場合があります。
冬の栽培も何もしていない時期に、表土から30センチくらいを削り取って土壌を入れ替え、堆肥などを十分に投入する方法です。
土の冷たさにより、菌や害虫が駆除されますし、堆肥の投入で肥料バランスも整います。
また、夏にじゃがいもが収穫できた場合、まだ暑いうちに太陽光や熱を利用し、土起こしをする方法もあります。
プランター栽培であれば、丸ごと土をいれかえてしまうのがいいでしょう。
コンパニオンプランツを植える
キンセンカ、マリーゴールドなど、センチュウの増加を抑える植物があります。このような連作障害を抑制してくれる植物をコンパニオンプランツといいます。
コンパニオンプランツをじゃがいもの近く植えることで、連作障害の可能性を低減することもできます。
まとめ
連作障害はできるならば、輪作など、家庭菜園でも区分けして、年ごとに栽培する場所を変えていくのがいい方法です。
ただ、面積の問題などで、そのような対策が取れない場合、連作障害で発生する病気、害虫を抑え込む方法で、連作障害を回避できる可能性が高まります。
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