- お酒を飲みすぎると下痢になる?
- アルコールの飲みすぎには身体にどんな影響がある?
毎日の晩酌や週末の楽しみなどでお酒を飲まれる方も多いですよね。
お酒が好きだけど、飲むとお腹を下しやすくなったり、下痢をしやすい方もいるようですが、なぜ下痢が起こってしまうのでしょうか。
アルコールの飲みすぎは、身体に悪影響を与えることは頭にあっても、具体的にどんな悪影響がおこるのかご存知ない方もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は、アルコールによる下痢の原因や飲みすぎによる肝臓や消化器官への悪影響についてまとめてみます。
アルコールによる下痢の原因?
毎日晩酌をしている方、仕事の付き合いで飲み会が多い方、お酒を飲みすぎていませんか?
アルコールを毎日飲みすぎた翌日、体調が優れない・・・といったこともあるのではないでしょうか。
アルコールを摂取することで、なぜ下痢になってしまうこともありますし、長期的なアルコール摂取が身体に悪影響を及ぼすのです。
まず、アルコールによる下痢の原因についてチェックしていきましょう。
アルコールが腸を刺激している
アルコールを飲んだときに、下痢になりやすいのは腸が刺激されるから。
アルコールによって、全身の血流が良くなり、腸の蠕動運動が促進することで下痢になりやすいといえるのです。
脂肪分が多いおつまみ
お酒を飲むときのおつまみでは、味が濃いものや揚げ物なども美味しくお酒を飲むことができますよね。
脂っこい脂肪分の多いおつまみばかりを食べていると、下痢を引き起こすことがあります。
飲む量が増えると体内の水分が増えるから
お酒を飲む量が多いと、純粋に体内に入る水分が増えます。

下痢になりやすくなることがあるのです。
ビールやハイボールなどジョッキで飲む方は、何倍も飲むとそれだけ水分が増えますよね。
下痢になってしまっては、せっかくのお酒も楽しめなくなってしまうので、お酒を飲む前に下痢対策をしておくこともおすすめです。
お酒の前後に対策を
飲む前には

アルコールを飲むと食欲も湧きますよね。
食べすぎ、飲みすぎによる下痢を予防するためにも、食べ物、飲み物は予め種類を決めておきましょう。
おつまみは、浅漬けやサラダなど脂肪分が少なめのものを多めに選んで置くと良いでしょう。
お酒を飲んだ後
飲んだ後のラーメンなどこってりとしたものが食べたくなるものですよね。

確かに〆にラーメンは美味しいです。
しかし、深夜に高カロリーなものを食べることは、太るだけでなく、脂肪分を摂取することになるので下痢の原因にもなってしまいます。
やはり、飲んだ後に〆が欲しくなったら、お茶漬けやスープなどあっさりとしたものをチョイスするのがおすすめです。
下痢になりやすいアルコールの種類がある?
ビール、ハイボール、チューハイなどジョッキで何杯も飲むことで、水分を多く摂取しやすいですよね。
下痢になる可能性が比較的高いアルコールかもしれません。
飲む量にもよりますが、ゆっくり楽しむ日本酒、ワインなどを飲む方が下痢にはなりにくいと考えられるのではないでしょうか。
下痢を予防するお酒の飲み方はある?
下痢をせずにアルコールを飲む方法はあるのでしょうか。
出来れば下痢なんてしたくないですからね。
ゆっくり飲むこと
下痢をしないためには、全体的に考えてゆっくりとお酒を楽しむことです。
そしておつまみはさっぱりしたものを選ぶことがポイントに。
アルコールで下痢になってしまったら?
アルコールの飲みすぎなどで下痢になってしまったときの対処法をチェックしておきましょう。
脱水状態を予防するため、水分、電解質の補給をすることが大切です。
常温かぬるめくらいの飲み物を少しずつこまめに摂るようにしましょう。
麦茶、スポーツドリンク、味噌汁などカフェインを含まないものがおすすめです。
そしてゆっくりと休息を取りましょう。
飲み過ぎによる肝臓や消化管への悪影響
アルコールの飲みすぎでは、主にどのような悪影響が起こるのでしょうか。

長期の大量摂取は悪影響をもたらします。
肝臓でアルコールが代謝されるときに、中性脂肪が蓄積し、脂肪肝・肝硬変などの肝臓障害が引き起こされてしまうのです。
- 代謝といって、「栄養分などを取り込み、体に必要な成分に換える」重要な役割を持つ臓器。
- 不要な物質の解毒を行い、胆汁に排泄する働きもする
しかし、アルコールを大量に飲み続けることで肝臓での中性脂肪の合成が高まり、肝臓に中性脂肪が蓄積した状態の脂肪肝になってしまうのです。
さらに長期間、大量の飲酒を続けると、 肝臓に線維が形成され肝線維症・肝硬変、肝細胞が急激に破壊されてアルコール性肝炎へとつながる場合があります。
まず脂肪肝が起こるのですが、この段階では自覚症状がありません。

飲酒をやめれば肝臓の状態は良くなります。
飲酒を続け、アルコール性肝炎やアルコール肝線維症となった場合、発熱や腹痛の自覚症状が現れます。
さらにそれでも飲酒を続けると肝障害の末期である「肝硬変」になってしまうのです。
また、肝臓だけの影響では終わりません。
飲酒はほぼ全ての消化管に悪影響を与える
すい炎は、胆石・自己免疫疾患が原因で罹患する病気なのですが、飲酒によっても起こることがわかっています。
また消化管に関する悪影響では、以下のような病気の原因にもなります。
- 胃食道逆流症
- マロリーワイス症候群(激しい嘔吐を繰り返し食道と胃の境目付近が裂けて出血)
- 急性胃粘膜病変
- 門脈圧亢進性胃炎
- 栄養などの吸収障害
- 下痢
- 痔核
こういった消化管に影響があるため、下痢なども起こすということなのです。
循環器の病気
- 心筋梗塞
- 心不全
- 高血圧
- 脳梗塞
- 脳出血
- 不整脈
- 末梢血管障害
循環器系の病気も重大な疾患が多いですよね。
生活習慣病
- 毎日の食事や、飲酒、喫煙、生活環境など日常生活が原因で発症する疾患の総称。
- がん、心臓病、脳卒中、糖尿病、高血圧、脂質異常症(高脂血症)、メタボリックシンドロームなども含まれる。
現代では、日本人の約2/3の死因が生活習慣病であると言われているようです。
メタボリックシンドロームに関する高血圧や高血糖などには、過度なアルコールが関係していることが多いとも言われているのです。

メタボは、肥満による内臓脂肪の蓄積で起こります。
肥満にはお酒だけでなく、脂っこい食事などの食べすぎ、アルコールによる食欲増進も影響するのです。
- 糖尿病
- すい炎などのすい臓障害
- 消化管
- 循環器系
- 脳
- 末梢神経障害
このように過剰なアルコール摂取、長期間の飲酒が全身の臓器におよび、障害が現れるのです。
アルコール依存症をきたすケースもあります。
このようにアルコールの長期的な飲みすぎは、肝臓に与えるダメージも大きく、さらに大きな病気へと発展してしまうことになるのです。
今、飲みすぎてしまっている方は、早めに改善しておきたいものですよね。
アルコールの飲み方を見直そう
アルコールの飲みすぎでは、悪影響しかないことが理解できたかと思います。
身体に悪影響を及ぼさないように美味しく楽しむには、飲み方を見直すことが大切です。
適正量の摂取を心がけよう
お酒の適正量は種類によって異なります。
具体的にそれぞれのお酒でどのくらいの量になるのかというのが、以下の通りになります。
- ビール:500ml(純アルコール19g)
- 焼酎:半合90ml(純アルコール19g)
- 日本酒:1合180ml(純アルコール22g)
- ワイン:200mlグラス2杯分(純アルコール22g)
- ウイスキー:1杯60ml(純アルコール22g)
1日の適正量はこの程度なのです。

日頃飲まれている量と比較するといかがでしょうか?
肝臓が1日に処理できるアルコールの限界量も決まっています。
純アルコールで60gでは、各アルコール以下の量になります。
- ビール:約1600ml
- 焼酎:約280ml
- 日本酒:約490ml
- ワイン:約550ml
- ウイスキー:約160ml
これ以上の量になると、肝臓が働きすぎて休む時間がありません。
その結果、アルコール性脂肪肝、肝炎、肝硬変の原因になるのですね。
お酒を飲む場合には、限界近くまで量を飲むのではなく、適正量を心がけてみてはいかがでしょうか。
休肝日を作ろう
肝臓は回復も早い臓器なのですが、毎日アルコールを飲まれていると、回復が間に合わなくなるのです。
週に2日くらいはお酒を飲まず、肝臓を休ませてあげる日を作ることをおすすめします。
そうするだけで、肝臓の機能が回復すると言われているのです。

できれば2日連続が良いですけどね!
肝臓に良い食品を食べよう
揚げ物やお肉など味の濃いものはお酒のおつまみに最高ですが、おつまみの種類を考えると肝臓の機能を改善することもあります。
■良質なタンパク質を
肝臓の細胞の修復に必要になるのがタンパク質なのです。
そのために、良質な植物性のタンパク質を積極的に摂取することをおすすめします。
枝豆、納豆、豆腐などの大豆製品には良質な植物性タンパク質が多く含まれます。
チーズや卵、肉類もタンパク質が含まれていますが、これらは動物性タンパク質です。大豆製品の植物性タンパク質と比較すると肝臓への負担が大きくなります。
さらに動物性食品よりも植物性食品の方が低カロリーなので、太りにくいというメリットもあります。
■タウリンが豊富な貝類がおすすめ
- 肝機能を強化
- 肝臓の解毒作用を高める効果
タウリンが多い食材というと魚介類です。
- カニ、イカ、タコ、エビ、
- カキ、サザエ、ハマグリ、シジミなどの貝類
- アジやサバなど近海魚
- ブリやカツオの血合いの部分
タウリンは水によく溶けるので、お吸い物や煮魚にした場合には煮汁を一緒に食べることがタウリンを無駄なく摂取することができるでしょう。
■ムチンが多く含まれる食品

ネバネバ食材に含まれる「ムチン」
- 胃の粘膜を保護する働き
- アルコールの吸収を遅らせる効果
このような効果があるため、肝臓でのアルコール処理をサポートしてくれると言われています。
ムチンを多く含む食品は、
- 山芋
- オクラ
- 納豆
- 里芋
- なめこ
- モロヘイヤ
- レンコンなど
肝臓は痛みなどの症状が初期に現れないため、沈黙の臓器と言われていますよね。
症状がないまま、病状は悪化していきます。
そして肝臓の機能を高めたり、サポートするようなおつまみを一緒に食べたり工夫をしていきましょう。
また休肝日を週2日は設けましょう。
まとめ
アルコールの飲みすぎ、脂っこいおつまみなどによって、下痢や腹痛を起こすことがあります。
不調を起こさずに美味しくお酒を飲むなら、適切な量をゆっくりと味わって飲むことや、食べるおつまみにも気をつけることが大切になります。
また、長期的なアルコールの飲みすぎは肝臓や消化管など体全体に悪影響を及ぼします。
せっかくお酒を楽しむなら、健康的に美味しく飲み続けたいものですよね。
肝臓や消化管などへの悪影響も考えると、やはり飲みすぎは絶対によくありません。
体のことを考えながら、食事やお酒を楽しんでいきましょう。
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