- タガメはどんな味や臭いがするの?
- 食用のタガメを使った料理も美味しいと話題?
- 実際にタガメを食べられるお店は?
「タガメ」という昆虫を知っていますか?
きっと小さい頃に田んぼなどで見かけたことのある方もいらっしゃいますよね。
見た目はどんぐりを潰したような姿をしていて、前足には大きな鎌みたいなものがついています。
比較的大きめですので、昆虫が苦手な方が見たらビックリしてしまうかもしれません。

実はこのタガメ、食べることができるんです…。
今回は食用のタガメについて、どんな味や臭いがするのか?タガメってどんな昆虫?
また美味しいと話題のタガメ料理について、様々な気になる情報をお届けしたいと思います。
タガメを食べるとどんな味や臭いがするの?

タガメが食べられる…と初めて知った方は衝撃的ですよね。
しかし同時に、ちょっと興味が湧いてきたりしませんか?
いったいどんな味や香りがするのだろうか…食べてみたいような、ちょっとこわいような。
タガメに関する知識をご紹介しながら、食用タガメの知られざる情報についてまとめました。
そもそもタガメってどんな昆虫?

そもそも、タガメがどんな昆虫であるか知っていますか?
昔はよく田んぼや用水路で見かけることのできた比較的身近な存在の昆虫だったんですけど、最近では環境の変化に伴って、日本では絶滅を危惧されている生物だったりするんです。
ですから、都会に住んでいる方や、最近の若者は見たことがない!って人も多いのではないでしょうか?
タガメはカメムシ目、コオイムシ科に分類される昆虫で、日本最大のカメムシであり水生昆虫とされています。
「タガメ」は、漢字では「田亀」やら「水爬虫」なんて表記します。
漢字からは、田んぼにいる亀?ってイメージするかもしれませんが、れっきとした昆虫です。「水爬中」と呼ばれるように水の中で暮らす水生昆虫なんです。
とはいえ川みたいに動きのある水中では生きていけませんから、基本的には人の手が加わった田んぼなどの止水域に生息しています。
けれども農薬にめっぽう弱いため、近年の田んぼでは個体数がものすごく減ってしまいました。
体長約50ミリ~65ミリで、メスの方がオスよりひと回り大きいのが特徴です。
肉食性で、自慢の鎌を駆使しながら自分よりも大きな魚やカエル、時にはネズミのような哺乳類まで捕食しちゃいます。
タガメって食べられるの?
それにしてもタガメってけっこうインパクトのある姿をしていますが、本当に食べられるのでしょうか?
実は日本でも昔から佃煮などで美味しく食べられてきた、代表的な昆虫食だったんです。
なんでも、タガメは他の昆虫に比べても脂肪分が高く非常に栄養価も高いんだとか…。
昆虫食は近くに海のない地域などで良質なたんぱく質を摂取するために、非常に重宝されてきた食材です。

肉や魚が食べられない地域の人々にとっては、なくてはならない食材だったわけですね。
でも実際に食べたことのある方によると、肉や魚と変わりないくらい美味しいんだそうですよ。
世界にはタガメを食べる国がたくさん

信じられないかもしれませんが、世界にはタガメを食べる国がたくさんあります。
主に中国や東南アジアを中心にタガメが食されていますが、その中でも特に「タイ」では屋台でも普通に売ってるほどポピュラーな食材です。
なんなら、庶民にとっては特別なときにしか食べられないくらいの高級食材だったりするんですよ。
タガメはタイの中でも「東北部のイーサーン地方」というところで盛んに食されていますが、その理由はやはり足りないたんぱく質を補うためと考えられています。
このイーサーン地方は農作物も育ちにくく、海からも遠いので次第に昆虫食が広まって根付いてきたわけですね。
ちなみにメスよりも、より薫り高いオスの方が人気があってメス1匹よりも4倍ほど高い値段で取引きされているみたいですよ。
タイではタガメを生のままで食べるのは寄生虫の恐れがあるとされており、基本的には塩水に漬け込んでから揚げたり茹でたり、蒸したりして食すようです。
特に「タガメの素揚げ」は屋台で大人気のメニューです。
食べ方は、まず脚をもぎ取ってから殻をとって、頭もとります。それから蟹味噌みたいに、ちゅーちゅー吸い出して食べます。
あとはナンプラーという魚醤にタガメを漬け込んで作った特性のタガメ醤油なんかも人気があるんだそうですよ。
タイの家庭では、タガメ醤油を調味料として使った料理は味わいが深くなる…として人気が高いんだとか。
そんなに人気があるなら、ちょっと味見してみたいような気もしますよね。
どんな味がするの?

実際、タガメはどんな味がするのでしょうか?
食べたことがある人によると、タガメってけっこう美味しいんだそうですよ。
あらゆる昆虫食を制覇したツワモノに言わせると、昆虫食の中でも「特に美味しい」部類に入るそうです。
昆虫食とはいえ比較的脂肪分が多いので、意外にも食感は弾力があってプルプルしてるんだとか。
「シーチキンのような旨みがある」
「味わい深く、コクがある」
人によって感じ方はそれぞれ異なりますが、こんなような感想が多いようです。
ちなみに、日本のタガメとタイのタガメでは食感が若干異なるみたいですよ。
気になる方は両方を食べ比べてみるのもいいかもしれません。
どんな臭いがするの?
ところで、ここである一つの疑問が湧き上がってきます。

タガメって、カメムシの仲間だけど臭くないの?
タガメは「カメムシ目コオイムシ科」の昆虫ですからカメムシの仲間です。
カメムシといえば、あの何とも言えないクサイ臭いを思い出す方も多いですよね。
カメムシは自分の身に危険が迫ると、自己防衛本能としてクサイ臭いを発します。
クサイ臭いは敵から身を守るためのものであると同時に、フェロモンとしての働きもあるんだそうです。
あの青臭いなんとも言えない臭いは一度嗅いだら忘れられませんよね。

実はタガメも臭いを発する機能自体はあるんです。
しかし、臭くはありません。
それどころか、タガメが美味しいと言われる所以はその香り高い匂いにあるんだそうですよ。
タガメを食べたことがある人によると、タガメはラ・フランスのような…またバナナのような…ミントみたいな…とてもフルーティーな香りがするみたいです。
特にメスよりオスの方が香り高いようで、タイではオスの方が高値で売られています。
あまりにもタガメがいい香りなので、タガメを漬け込んで香りをつけた「タガメ酒」なんてものがあるくらいなんですよ。
食用のタガメを使った料理も美味しいと話題?
「タガメは昆虫食として食べられる」ということは理解できましたし、「意外にもけっこう美味しいらしい」ということも分かりました。
どうやらタガメは、単に足りないタンパク源を補うためだけの食材ではなく、れっきとしたグルメとして嗜まれているものらしいです。
日本ではあまり普及していない昆虫食ですが、海外では屋台などで売られているタガメをみんなこぞって買いにくるほど人気があります。
そんなタガメですが、調理の仕方で美味しさなども変わってくるものなんでしょうか?
ということで続いては、タガメを使った美味しいと評判の料理やレシピをご紹介していきたいと思います。
また、実際にタガメ料理を食べてみたい!という方のために、タガメが食べられるお店も教えちゃいます。
タガメグルメが人気の理由

タガメを食べたことがある人は、「この味は独特で他に代わるものは何もない」と言います。
そのため、「どんな味?」と聞かれてもなかなか的確に表現するのは難しいのですが、敢えて例えるなら「ジューシーなシーチキンや鶏肉に、フルーティーな香りを加えたような味わい」…という表現がもっとも近いかもしれません。
またなんといってもタガメの美味しさは、その香り高い後味であるといいます。
そのため、なんらかの料理に添えてスパイスのように使われると、やみつきになるくらい最高なんだそうですよ。
オススメのタガメ料理!
ラ・フランスのような香りと称されるタガメですが、昔から様々な調理法で食されてきました。
食用タガメの美味しさを最大限に生かした料理の数々をご紹介していきたいと思います。
ナムプリック・メーンダー
ナムプリックメーンダーはタイで人気のタガメ料理ですが、簡単に言うと「タガメペースト」といったところでしょうか。
「ナムプリック」はタイではどこの家庭にもあるソースみたいなもの。
茹でた野菜にディップして食べたり、焼き魚にかけたり、ご飯に混ぜて食べたりします。
一方、「メーンダー」の意味はタガメです。
つまり、ナムプリックに潰したタガメを混ぜ込んだものが「ナムプリック・メーンダー」というわけです。
普通のナムプリックよりも、タガメを混ぜた方がよりフルーティーで香り高くなるんだそうですよ。
メーンダー・ヤーン
先ほど、「メーンダー」の意味は「タガメ」であるという話をしましたが、「ヤーン」は「焼く」という意味をしています。
つまり、そのことを踏まえると「メーンダーヤーン」は「タガメ焼き」ということになります。
メーンダーヤーンはシンプルに塩漬けしたタガメを焼いたものです。
タイではよく屋台でも売られていますが、日本的な感覚では焼き鳥みたいなものです。
焼いたタガメの脚と殻を取り除き、そのまま身をパクっと食べて素材の旨味を堪能してくださいね。
タガメの佃煮

タガメの佃煮は日本でも古くから食べられてきた伝統的なタガメ料理です。
佃煮にしてコトコト煮込むと、味が良く染み込んで美味しいですし、タガメ特有の固い食感も柔らかくなって食べやすくなります。
ちなみにタイにもタガメの佃煮はありますが、日本の佃煮よりナンプラーの味がきいているようです。
タガメそーめん

続いては、またまたタガメの和食料理のご紹介です。
その名も「タガメそーめん」。
作り方は簡単で、茹でたタガメのお腹を切り開き、中身を取り出します。タガメの中身をそーめんのツユと混ぜたら完成です。
そーめんをタガメ入りのツユにつけて食べると、フルーティーでサッパリした味わいが楽しめます。
暑い夏の夏バテ予防に効果的なレシピですね。
タガメが食べられるお店

タガメ料理を食べてみたい…と思い始めていませんか?
これだけタガメ料理の魅力をご紹介してきましたから、きっとタガメ料理に対する興味がさらに高まっていただけたかと思います。
実際にタガメを食べるには、タガメ料理を提供しているお店に行くのが手っ取り早いですよね。
ここでは昆虫食などの変わった食材を美味しく提供してくれる有名なお店を二軒ご紹介したいと思います。
とはいえ、タガメは高級食材で簡単に手に入るものではありません。
また昆虫にも旬がありますから、タガメを提供している日と、そうじゃない日があります。
実際にお店に足を運ぶ場合には、事前に連絡してタガメ料理があるかどうかの確認と、予約をすることをオススメします。
珍獣屋
【アクセス】根岸線桜木町駅徒歩5分、地下鉄桜木町駅徒歩5分
【住所】〒231-0064 神奈川県横浜市中区野毛町1-45
【電話番号】045-260-6805
【営業時間】月〜日(17時〜23時)L.O.22時半
ノングインレイ
【アクセス】JR山手線高田馬場駅、早稲田口より徒歩1分、西武新宿線高田馬場駅、早稲田口より徒歩1分、東京メトロ東西線高田馬場駅、2出口より徒歩1分
【住所】〒169-0075 東京都新宿区高田馬場2-19-7
【電話番号】03-5273-5774
【営業時間】年中無休(11時半〜23時半)L.O.23時
まとめ
タガメは世界中で食べられている食材で、「実はかなり美味しいらしい」ということがわかっていただけたかと思います。
カメムシの仲間ですが、その見た目とは裏腹にラ・フランスやバナナのようなフルーティーな香りがするそうです。

どうですか?ちょっと挑戦してみたい気がしませんか?
今や未来の食糧難危機に備えて、世界でも注目されている昆虫食です。
昆虫食はどうしても先入観があって抵抗のある方も多いかと思いますが、栄養価が高いのでオススメですよ。
日本でも昔から昆虫食が盛んな長野県の人々は、平均寿命が長いんだそうです。
勇気を持って食べてみたら新しい世界が開けるかもしれませんので、是非一度ご賞味あれ。
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