• テントウムシ・幼虫の餌はアブラムシ?
  • テントウムシの飼育・育て方

テントムシといえば、小さくて背中の模様な綺麗な昆虫ですよね。

また、小さくて可愛いだけではなく、植物に発生するアブラムシを食べてくれるので人間にとっては益虫でもあります。

男性ならば小学生時代に捕まえて飼育したことがあるのではないでしょうか?

テントウムシ・幼虫の餌はアブラムシ?テントウムシの飼育・育て方は?

 

このコラムではテントウムシ・幼虫の餌やテントウムシの飼育の方法についてご紹介していきたいと思います。

テントウムシ・幼虫の餌はアブラムシ?

テントウムシの幼虫はどのような餌を食べるのでしょうか?

 

テントウムシの成虫といえば、アブラムシを食べますよね。

 

実は幼虫のテントウムシも成虫のアブラムシと同じくアブラムシを食べるのです。

 

テントウムシの幼虫の餌はアブラムシ

テントウムシの幼虫もテントウムシの成虫と同じく、アブラムシを餌とするわけですから、アブラムシを餌として多量にあげられる環境であれば育てることができます。

 

テントウムシの幼虫であれば、一日に20匹ぐらいのアブラムシを食べるそうです。

 

ちなみにテントウムシの成虫の場合は100匹ぐらいのアブラムシを食べるそうです。

 

アブラムシはどうやって捕まえる?

とはいっても、こんなに多量のアブラムシってどこから入手すればいいのでしょうか?

 

アブラムシが大量に発生する植物を見つけてその植物を与えてあげればよいのです。

 

アブラムシが大量に発生する植物はたとえば、ヨモギです。

 

アブラムシだらけのヨモギには2000匹ぐらいがいるそうです。その重さは大体40グラムぐらいです。

 

飼育かごの中に入る大きさも考える必要がありますが、ヨモギの枝を15センチほど切り取ってそれを枝ごと飼育かごに中にいれてあげてください。

 

枝をいれるスペースが飼育かごの中にない場合などは、枝からアブラムシのみを払い落として、飼育かごの中に落としてあげましょう。

 

植物が切り取ってはいけないものの場合はどうしたらよいでしょうか?

 

大きなバケツにアブラムシを集める

その場合は大きめな瓶やバケツなどを蓋を空けた状態で下に置いてその状態で枝についているアブラムシを払い落として中に入れます。

 

この際、容器にアブラムシがへばりつかないように容器の中に紙を一枚敷いてあげるとよいです。

 

アブラムシを 大量に捕まえてそれを全部テントウムシの幼虫、成虫に与えない場合はどうしたらよいでしょうか?

 

そういう場合はアブラムシをジップロックなどで密閉されたビニール袋にいれて冷蔵庫で保存しておくのが良いそうです。

 

それでもアブラムシは三日から四日程度は生きています。

 

ビニール袋にキッチンペーパーを入れる

ただ、その状態だと冷蔵庫の湿気でビニール袋の中に水分が発生して、アブラムシが溺れ死んでしまいます。

 

そうならないようにビニール袋のそこにキッチンペーパーなどを敷いて水分を吸わせてあげればよいのです。

 

また、アブラムシを長生きさせたい場合は、白菜の葉やヨモギの枝などを袋に一緒にいれておけばよいです。

 

少しでも長生きさせたい場合はエサを切らさないように枯れないように気を配りましょう。

 

冷蔵庫に入れなくても、家の中の涼しい場所にアブラムシを保管してもよいでしょう。

 

ヨモギやセイダカアワダチソウもアブラムシの大好物

ヨモギ以外にもセイダカアワダチソウという植物もアブラムシの大好物ですので、ここからアブラムシを取ることができます。

 

アリはアブラムシから出る汁を好みます。アリはアブラムシを集めようと行動しています。

 

ですから、それを利用して、アリを目印にするとアブラムシの居場所を見つけ出すことできます。

 

アブラムシを用意できない場合は人工餌!

家の近くからアブラムシが入手できない、アブラムシがいることは知っているが気持ち悪いし、捕まえたくない、という方もいますよね。

 

そういう場合は人工餌を与えてあげるという選択肢もあります。

 

ただし、人工餌は万能というわけではありません。

 

人工餌だけでは不十分で多少は育てられても、それだけでは成虫になるまえに死んでしまうテントウムシもいます。

 

ナナホシテントウがその一種です。

 

ですから、テントウムシの幼虫を育てたいならば極力アブラムシを捕まえてそれを食べさせてあげるのが最善の方法なのですね。

 

テントウムシの幼虫も共食いする

アブラムシも食べますが、テントウムシも他の多くの昆虫と同じく共食いをします。

 

テントウムシの幼虫でも孵化したばかりから共食いをすることがあるそうです。

 

餌が手に入らなかったり、近くに弱ったテントウムシの幼虫がいるとそれが共食いの標的になってしまうようです。

 

あの可愛らしい見た目のテントウムシでもやはり共食いってしてしまうんですね。

 

テントウムシを飼っている場合は共食いをさせないように、餌を切らさないようにしてなおかつ、一匹ごとに飼育かごを分けてあげるとよいでしょう。

 

ただ、残念ながら昆虫にとって共食いってごくごく普通のことなんですよね。

 

周りにエサがなく死んでしまうからやむをえずって感じではなくても共食いしてしまいます。

 

そういうたくましさがないと自然の中で生き残っていけないんですね。

 

テントウムシの飼育・育て方は?

では、テントウムシの幼虫、成虫を飼育しようと思ったらどのようにやればよいのでしょうか?

 

幼虫といってもそんなに難しくはありません。

 

餌については、上でご説明した通り、アブラムシや人工餌を与えればよいのです。

 

テントウムシを飼育する飼育かごは?

テントウムシの幼虫や成虫を飼育するにはどんな飼育かごを用意したらよいでしょうか?

 

普通にカブトムシ、クワガタ、カマキリ、バッタを飼うような感じの飼育かごでは適していません。

 

それでは飼育かごに空いている隙間が大きすぎて、テントウムシの幼虫や餌になるアブラムシなどがその隙間から逃げ出してしまうからです。

 

金魚を飼うような水槽に上から蓋をしたものを使用するのがベストでしょう。

 

蓋にもできれば透明なアクリルやガラスを使用して、上からもテントウムシの様子を観察するようにできたほうがよいでしょう。

 

その状態では空気の循環ができないのではないかと思いますが、心配はいりません。

 

水を流し込めば隙間から中に流れ込む程度の隙間が空いていればテントウムシには十分なのです。

 

紙コップでも飼育できる

飼育かごまで用意せずとも紙コップに上からガラスで蓋をしたようなものでも飼育できます。

 

また移動させるときはジップロックのように口が閉まるビニール袋やカメラのフイルムをいれる円柱状のケース、蓋のついた空き瓶などに入れて持ち運んでも構いません。

 

テントウムシは幼虫も成虫も小さいので、そんなに多くの酸素を必要としないからです。

 

さすがに一週間以上もその状態で放置してしまえば酸欠でテントウムシの成虫も幼虫も死んでしまいますが、2,3日程度であれば、ぴんぴんしていますので心配しないでください。

 

テントウムシの飼育には絵筆があると便利

毛が柔らかくて細い絵筆を一本用意しておくと便利ですよ。

 

絵筆を使って邪魔なところにいるアブラムシを落としたり、テントウムシを捕まえるのです。

 

テントウムシは引っ繰り返した状態で、絵筆を差し出してあげるとそれにしがみつきます。

 

そして柄の部分まで勝手に登っていきます。その状態でテントウムシを移動させるのです。

 

ピンセットでは固すぎて、アブラムシやテントウムシをつかんでもつぶしてしまいます。

 

また指ではちいさすぎてうまく捕まえられません。

 

幼虫にあげる人工餌はどうやって作る?

アブラムシが用意できない場合、テントウムシの飼育では人工餌を与えればよいとは上でご紹介しました。

 

それではその人工餌はどのように用意したらよいのかもご紹介したいと思います。

 

テントウムシに人工餌を与えて育てる技術は玉川大学が開発したものだそうです。

 

人工餌の正体はミツバチの幼虫の粉なのです。

 

テントウムシの種類によってはこの人工餌だけで、テントウムシが幼虫から成虫になるまで育てることができます。

 

その手順をご説明します。

 

  1.  冷凍された蜂の子を用意します。鉢の子はできればフリーズドライされたものを用意してください。
  2.  蜂の子をミキサーにかけて粉々にします。
  3.  粉々になった蜂の子を酵母と粉砂糖と一緒にしてよく混ぜます。この際比率は蜂の子5 酵母3 粉砂糖2にしてください。
  4.  一気に作って作り置きしたい場合は、安息香酸というのを全体の1%程度混ぜておきます。これがカビ防止になります。

材料さえ手に入ればそんなに難しくはないですよね。

 

それと、この人工餌には水分が含まれていません。

 

テントウムシの幼虫、成虫ともに水分も必要ですので、人工餌を活用する場合にも水分も別途与えてあげましょう。

 

水分を浅い容器に与えてもいいのですが、テントウムシの幼虫、成虫が溺れないように注意が必要です。

 

それを考えると容器にいれた水よりも脱脂綿などに水分を吸わせたものを飼育かごの中に入れておく方が安全ですよね。

 

また上でも説明しておるとおり、人工餌は完全にアブラムシに代替できる餌ではありません。

 

ナミテントウの場合は、人工餌だけでも幼虫から成虫になるまでちゃんと育てることができます。

 

ただし、成虫のナミテントウにも卵を産ませようとするとその直前の一週間ぐらいはアブラムシを与えなくてはいけないようです。

 

また、ナナホシテントウの幼虫の場合ですと、人工餌だけではだめで、成虫になる前に必ず死んでしまうそうです。

 

ですからナナホシテントウの場合は、幼虫の時代からアブラムシを与え続けるしかないのです。

 

餌は砂糖水でもその場しのぎにはなる

上でもご説明した通り、テントウムシの餌はアブラムシが最適、なければ人工餌をある程度は代用できます。

 

ただし、このどちらも用意できない場合どうしたらよいでしょうか?

 

砂糖水を容器にいれて与えてあげてもそれもテントウムシの餌になりますよ。

 

テントウムシがおぼれない程度の浅い容器にするか、脱脂綿などに砂糖水を吸わせて飼育かごの中にいれてあげましょう。

 

ただ、砂糖水だけでずっと育てることは不可能です。

 

幼虫であれば、砂糖水だけ飲んでいても成虫になる前に死んでしまうでしょう。

 

成虫であっても、砂糖水だけではやはり栄養が足りず、産卵を行うことができません。

 

ほんの一時期程度なら砂糖水で代用しても構わないという程度ですので、基本的にはやはりアブラムシを上げ続けなくてはならないのです。

 

同じことの繰り返しになってしまいますが、あの綺麗な背中のナナホシを拝むためにはアブラムシを捕まえてくるのは避けては通れない道なのですね。

 

テントウムシは益虫として活用できる

https://www.youtube.com/watch?v=WwMCB0LpXQI

一番はじめにもご紹介した通り、テントウムシはただ小さくて可愛いだけではなく、益虫なのです。

 

テントウムシは幼虫も成虫もアブラムシを大量に食べますので、アブラムシの天敵なのです。

 

学校農園、畑、ご自宅の庭などなどにアブラムシが発生したらテントウムシに活躍してもらいましょう。

 

農薬や殺虫剤をばらまくのではなく、テントウムシに頑張ってもらった方が植物にもよいのはいうまでもないですよね。

 

害虫を食べてくれる益虫は他にもたくさんいます。ハエを食べてくれるカエルやクモなんかも益虫ですよね。

 

見た目が可愛い益虫は貴重!

カエルやクモとテントウムシの大きな違いは、見た目が可愛いことではないでしょうか?

 

いくら、人間に害を与える虫を退治してくれるとはいっても、カエルやクモは見た目が気持ち悪いので苦手という方もたくさんいますよね。

 

かくいう私も正直カエルやクモはあまり好きではありませんし、特に大きなものであれば触りたくないです 笑

 

ですが、テントウムシを苦手という方は少ないのではないでしょうか?

 

手などにテントウムシが止まっていることに気づいても、うわ気持ち悪いって振り払ったりしませんよね。

 

やさしくつまんで逃がしてあげるか、飛び立てるように見守ってあげますよね。

 

ありとあらゆる昆虫が苦手という方も中にはいらっしゃるかもしれませんがごく一部かと思います。

 

あんなに小さくて可愛らしくさらに害虫まで食べてくれるというのであれば、ぜひ増やしたいですよね。

 

海外ではテントウムシは幸せを呼ぶ昆虫と呼ばれていたりもします。

 

また、テントウムシという名前自体、天に向かって飛んでいくというイメージからつけられたそうです。

 

名前からしておめでたい昆虫という感じがしますよね。

 

このことから、海外でもテントウムシは人気者なので外国人にも受けが良いようです。

 

ですから、是非テントウムシを幼虫から育ててたくさん繁殖させてご自宅の庭や周りの公園、畑などに拡散させてみてはいかがでしょうか?

 

飛べないテントウムシも存在する

テントウムシは益虫なので、農作物を育てている農家にのっては、農薬代わりになってくれるありがたい習性があるのですが、欠点があります。

 

空を飛べますので、アブラムシなどを食べつくしていなくなってしまうとそのエリアからテントウムシもごそっといなくなってしまうのです。

 

そこで生み出されたのが飛べないテントウムシです。

 

飛べないテントウムシは名古屋大学が人工的に生み出すことに成功しました。

 

この飛べないテントウムシならば、飼育して一度農園に放っておけば飛んでいなくなることはありませんので、アブラムシが切れてもいなくなってしまうことはありません。

 

ただ、益虫として利用する人間にとっては非常に便利ではありますが、わざわざ飛べなくしてしまうのはやはり可愛そうでもありますよね。

 

飛べないテントウムシなんで、背中の模様がきれいなダンゴムシみたいですし。

 

ただ、人工的に生み出したといっても遺伝子組み換えなどは行っていないそうです。なので遺伝子汚染という悪影響の心配もないそうです。

 

全てのテントウムシが益虫というわけではない

テントウムシといえば、アブラムシを食べてくれる人間にとってはありがたい益虫であることはご説明した通りです。

 

ただ、テントウムシも種類が多く、実は中にはアブラムシを食べないテントウムシも存在します。

 

アブラムシを食べる以外にどのようなテントウムシが存在するのでしょうか?

 

以下のようなタイプのテントウムシも存在するのです。

 

  • うどん粉病菌などを食べるテントウムシ
  • ナス科植物などを食べるテントウムシ

そうなのです。

 

ナス科植物を食べるということはこのタイプのテントウムシは残念ながら益虫ではなく、害虫ということになってしまいます。

 

まとめ

ここまで読んでみていかがでしたでしょうか?

テントウムムシを飼って増やしてみるのはお子さんも喜びますし、庭や畑の害虫対策にもなりますので一石二鳥でになりますね。

私も子供のころ、テントウムシを捕まえて育ててみたことがありますが、また飼ってみてもいいかなと思いました。

 

テントウムシを一匹、手のひらに乗せて、指を一本伸ばしてあげるとその先端までテントウムシが歩いて行って、飛び立っていきますよね。

 

その姿も可愛らしいし、こんな小さい生き物もちゃんと頑張って生きているだなって感動してまいますよね。

 

昆虫・幼虫を飼育するコツ