- バッタの卵ってどんなの?
- バッタの卵ってどうやって育てるの?
バッタといえば、男性ならば大抵みんな小学生ぐらいのころに捕まえて育ててみたことがあるのではないでしょうか?
ぴょんぴょん飛び跳ねる姿がかっこよくも可愛くもありますよね。
そんなバッタの卵ってみたことありますか?
バッタの卵ってどんなの?バッタの卵ってどうやって育てるの?
このコラムではバッタの卵がどのようなものか、バッタの卵をどうやって育てるのかご紹介していきたいと思います。
バッタの卵ってどんなの?
バッタの卵とはどんなものなのでしょうか?
野生のバッタは土の中に産卵
自然に育っているバッタは普通、土の中に卵を産み付けます。
メスのバッタは産卵時期になると産卵管を地面に付けて閉じたり開いたりを繰り返すようになります。
この様子を見かけたら、産卵準備中ということが判断できるわけです。
そして、メスのバッタは卵鞘(スポンジ状のあわの中に卵がたくさん入ったもの)を土の中に埋めます。
ちなみにカマキリも同じようにこのような卵を産むそうです。
まず、バッタは土の中にお尻を突き刺します。
そして泡で包み込みながら卵を土の中に産み付けていくのです。
この時、土の中でバッタのお尻はS字状に曲がった状態になっています。
そしてそのお尻を抜きながら、卵を産み付けていくのでその卵のかたまりは細長いバナナのような形状をしているそうです。
こうして産卵したメスバッタのお腹は産卵直後は細くなっていますが、4~5日程度たつと元の大きさに戻ります。
飼育されているバッタの産卵ペースは1週間ごと
飼っているバッタの場合、産卵の間隔は一週間程度だそうです。
このように、お腹が再び大きくなるのを待って、また産卵を繰り返していくわけですね。
ただ、家の中で育てても、卵を産んだメスバッタが冬を越すことはできません。
産卵を終えると生涯を終えて、死んでいってしまいます。
自分がお腹をいためて産んだ我が子の姿を見ることなく死んでしまうんですね。
昆虫ではあたりまえのことではありますが、そう考えてみると切なくなってしまいますよね。
バッタの卵鞘ってどんなもの?
卵鞘は初めは白色ですが、翌日には薄い褐色に変色していきます。また、この卵鞘には防水効果があります。
なので大雨が降っても中の卵は守られ、流されてしまうようなことはありません。
また、この卵鞘は時間がたつと固まって個体になります。そして、季節の変化や乾燥から卵を守る役割を果たすのです。
このあわの中にはオンブバッタであれば40個、トノサマバッタは50~100個ぐらいの卵が入っているそうです。
バッタが土以外に卵を産むケースもある
必ず土の中に卵を産み付けるとは限らず、キャベツの葉の中に産み付ける場合もあるようです。
これは、バッタの近くに適切な深さや湿度の土や砂が見つからない場合に行うそうです。
ですから、飼育しているバッタを産卵させたい場合はしっかり地面の砂や土を用意してあげましょう。
バッタがキャベツを食べたあとに、褐色の柔らかい物体が残っているなあと思ったら卵がついてることがあるそうです。
キャベツを食べながら、産卵もついでにするなんて横着なバッタもいるんですね。
飼っているバッタの場合はこの卵を土の中にやさしく浅く埋めてあげてもいかもしれません。
バッタの卵ってどうやって育てるの?
飼っているバッタが卵を産んでいることに気づいたら、その後どのように育てたらよいのでしょうか?
飼育かごに土を入れて飼っている場合は、そもそも産卵前から準備しておくことが必要です。
まず、土ですがどんなものでもよいというわけではありません。
畑で使うような肥料入の土はあまりバッタに産卵させるのには適していません。
バミキュライトが飼育にオススメ
園芸用の土、バーミュライトなどを使うのが適しています。
そして、土を殺菌しておくことをおすめします。土に雑菌やカビが生えていると卵が死んでしまうからです。
飼育かごの中にある土をまずきれいに消毒して手でほじくり返して、目に見えるゴミなどがあればできるだけ綺麗に取り除いてください。
その状態で電子レンジにいれて10分間温めてあげましょう。
電子レンジがなければ、フライパンで土を入れて火を通せばいいです。
産卵できる大きさ・深さのケージで飼育する
また、メスのバッタは上でご説明しているように、お腹を最大限伸ばした状態で卵を土の中に産み付けます。
なので、バッタを飼育している飼育かごが小さすぎたりすると、バッタは産卵ができなくなっています。
バッタを産卵させたいのであれば、ちゃんと産卵ができるように、土の深さも飼育かごの大きさも考慮してあげましょう。
飼育かごでもいいのですが、産卵のことだけを考えるとタッパーを代用しても問題ありません。
バッタの卵を確認するには?
透明の飼育かごの端などにバッタが卵を産み付ける、もしくは卵を産み付ける瞬間を偶然見ていればわかるかもしれませんが、そうでなければそもそもバッタが卵を植え付けたかわからないですよね?
そういう場合はどうしたらよいでしょうか?
土の表面を指などでやさしく少しだけなでるように掘ってみてください。
スポンジ状の卵鞘があれば見ればすぐにわかります。
それを確認したらまた土をかぶせて元に戻してあげてください。
その後は産卵された土がはいっている飼育かごを更に大きな別の容器に入れます。
そして、飼育かごのほうだけ蓋をあけておいてください、
そこまでやっておけば、基本的には放置でいいのですが、最低限いくつかのことに注意してあげてください。
一つは土の表面がカラカラに渇いてしまわないように、なるべく日陰に飼育かごをおくようにしてください。
霧吹きなどで適度に水分を土に含ませてあげてもよいでしょう。
暖房のある部屋では飼育しない
また、家の中に飼育かごを置いている場合は、暖房がある部屋などに置かないでください。
土がアッという間に乾燥してしまいますし、その状態では卵が全部死んでしまいます。
あと湿気があればそれで十分ではなく、菌も発生しないようにしましょう。
土の表面にカビなどが生えていないか確認し、見つかったらすぐに取り除くようにしましょう。
トノサマバッタの産卵
以下ではトノサマバッタの場合の話になります。
卵の越冬のさせ方に関してはその次にご紹介するショウリョウバッタなどでもほぼ同様です。
トノサマバッタの非休眠卵と休眠卵
トノサマバッタが卵を産むのは年に二回あります。トノサマバッタは日本全国どこにでもいます。
一回目は夏です。下記に産卵された卵は大体一か月程度で孵化します。
これは冬を越さない卵なので「非休眠卵」というそうです。
逆に冬を越す卵の場合は、卵自体も冬眠しているという事ですね。
二回目は秋から冬にかけてです。
10月以降に卵を産み、その卵がその翌年の春になると孵化するのです。
この場合は冬を越すので今度は「休眠卵」というわけです。
こっちの方が卵を孵化させるのはちょっとコツがいります。
それに10月以降に卵を産んで、それを4~5月に孵化するまでですから半年かそれ以上ですよね。
そうですから、土の水分を維持してあげるなどもその期間も長いからその分手間をかかります。
その待たされている時間を楽しみに思えるのであればよいのですが。
温度の変わらない室内では卵は孵化しない
また、気温が変化したと卵に実感させてあげる必要があります。
ずっと温度が家の変わらない家の中に置いておくでは卵はかえってくれないというわけです。
ですから、冬はわざと家の中から出して比較的寒いところに置いてあげます。
ただ、寒すぎてもまずいので、土が凍りつかない程度の寒さにおいてあげてください。
乾燥させないように注意が必要ですが、水分が多すぎてもまたそれが凍り付いてしまって悪影響になってしまいます。
寒冷地の場合は、外に置くと温度が下がりすぎるので、玄関などに置いてみるのも一つの手でしょう。そして、その状態で春までそのままおいておきましょう。
そして4月に入ったらその飼育かごを家の中に入れてあげるのです。
こうすることでバッタの卵は暖かくなった!春になった!そろそろ卵からかえって生まれてきても大丈夫だろう!って思うんですね。
これは要注意ですね。何もしらないで、家の中にずっと置きぱなっしにしたり、春になっても寒いところに放置したりしたら卵はかえらずに死んでしまうわけです。
これでは、卵を産んだあとに死んでいったお母さんバッタも報われないですよね。
正しい手順を理解してちゃんとバッタの卵を孵化させてあげましょう。
ショウリョウバッタの産卵
年1回・秋頃に産卵
ショウリョウバッタの場合、産卵は年一回になります。
ショウリョウバッタは秋頃に産卵します。
産卵を終えると、ショウリョウバッタはそこで生涯を終え、死んでいきます。
翌年の5~6月頃に孵化
そしてその卵は冬を超え、翌年の5~6月頃に孵化します。
ショウリョウバッタは孵化して幼虫になると、イネ科植物の葉や双子葉植物の花を食べて急速に成長していきます。
そして、6月中旬から7月の梅雨明けにかけて幼虫から成長して羽化し、11月頃まで生息します。
ツチイナゴの産卵
ツチイナゴもバッタの仲間
ちなみに、ツチイナゴも実はバッタの仲間であることはご存知でしたか?
ツチイナゴはバッタ目・イナゴ科に分類されるバッタの一種です。
日本に生息しているバッタの多くは、秋ごろに卵を産み付けて卵が冬を越してから孵化するものがほとんどなのですが、面白いことにツチイナゴはこの時期が異なっています。
ライフサイクルが他のバッタと半年間ずれる
ツチイナゴはライフサイクルが他のバッタと半年間ずれているのです。
なので、ツチイナゴは成虫の状態で冬を越します。
ツチイナゴの卵も泡のようなものに包まれて土の中に産卵されます。
そして40日程度たつと孵化します。
バッタが卵から幼虫に孵ったら
さて、バッタが無事卵からかえったら今度は幼虫を育てていかなくてはいけません。
幼虫といっても成虫のバッタと飼育方法にさほど難しくありません。
幼虫が生まれた後の飼育かごの場所
まず、飼育かごを置く場所ですが、適度に日当たりのよい場所にしてあげましょう。
日光が足りないと、骨格がよく育ちません。その影響で脱皮の際に死んでしまうこともありますので注意してあげましょう。
これは人間も同じで日光に全くあたらないと健康を害するのでよくわかりますよね。
バッタの幼虫にあげるエサ
またエサに関してですが、生まれた直後は固い葉は食べられないので、なるべく柔らかい葉を与えてあげます。
そして、バッタの成長を見ながらそれに応じて固い葉にエサを変えてあげればよいのです。
スズメノカタビラ、ネコジャラシなど、公園で手に入る植物がエサになりますので、そういった葉を与えてあげましょう。
またヨモギやオオバコなどもエサになりますが、これらも河原の土手などにいけば簡単に手に入ります。
これらの植物を飼育かごの中に入るような小さい容器にいれて、そこに水とエサになる植物をいれます。またそそれらの植物は地面に接触している状態にしておきます。
高い位置にあると幼虫のバッタがそこまで登っていけないからです。
まとめ
ここまで読んでみていかがでしたでしょうか?
せっかくバッタを飼育するならば、卵の産卵もさせて、卵から孵化して幼虫になって育てていくのを見守るのも非常に楽しいですよね。
バッタは土に産卵するので、よほど注意深く見ていないと産卵している様子を見ることは難しいですが、是非一度は観賞してみたいですね。
越冬して孵化するものを育てるのは時間がかかりすぎて、管理が難しいのでまずは越冬せずに孵化するタイプの卵を育ててみてはいかがでしょうか?
どんな生き物でも生き物がこの世に出てくる瞬間は感動してしまいますし、命ってすごいなあ、不思議だなあって再認識させられますよね。
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