- バッタと一口に言ってもいろいろ種類アリ
- オンブバッタは何を餌にしている?
- ショウリョウバッタとの違いはあるの?
子供の頃、カマキリはちょっと捕まえるのは怖いけど、バッタなら簡単に捕まえられたのではないでしょうか?
それは田舎の話で、都会育ちの人は子供の頃もバッタに触れたことはないかもしれませんね。
バッタといってもいろんな種類があります。種類によって餌は違ってくるのでしょうか?
今回はバッタの餌についてご紹介します。
バッタの種類

バッタって何種類ぐらいあるの?
昆虫に興味があった少年以外、殆どの人はバッタと聞いていくつも種類があると答えられる人は少ないのではないでしょうか?
バッタなんてみんな同じじゃないのと思っている人も多いかと思います。
まずはバッタの種類についていくつかご紹介しましょう。
トノサマバッタ

これはだれでも聞いたことがある
バッタの中でも一番知られているのがトノサマバッタではないでしょうか。
トノサマバッタは緑色のものと茶色のものがいます。
生息場所は草原や河川敷などです。
メスの方が少し大きいようです。

緑と茶色、色の違いは生息環境?
トノサマバッタはその生息環境によって「孤独相」と「群生相」に別れます。
孤独相のバッタは翅が短く後ろ足が長く、色は緑色が多い一方、群生相のバッタは翅が長く後ろ足が短く色は茶色が多いです。
個体密度の大きくない場所で育つと孤独相となり、固体密度の大きいところで育つと群生相となります。
一般的に目にするトノサマバッタは孤独相のバッタです。
大量のトノサマバッタが集団で飛んできて草や作物を食い荒らすのは、大量の個体が存在するためすぐ餌が足りなくなるため、バッタたちは集団で大移動するためといわれています。
この状態を「飛蝗」もしくは「蝗害」といいますが、このトノサマバッタの集団が発生するとたちまち草は食い尽くされてしまいます。
ショウリョウバッタ

チキチキバッタ?
トノサマバッタと並んで良く知られているのがショウリョウバッタです。
ショウリョウバッタはちょっとした空き地に生息しています。
ショウリョウバッタは漢字で書くと「精霊蝗虫」と書きます。
神々しい名前ですが、由来は8月の旧盆である精霊祭の時期に姿を見せるのと、精霊流しの精霊船の形に似ていることからこの名前になったそうです。

洒落た名前ですよね!
見た目の特徴は体サイズが非常に大きいことと、体に筋や点線などの模様が入るため非常に目立ちます。
オンブバッタにあるようなイボイボはなく、顔はツルツルしています。
足は緑色の個体でも茶色みが掛かっていて非常に長いです。
オスの成虫は翅を広げて飛ぶときに「キチキチ」という音を立てて飛ぶので「キチキチバッタ」とも呼ばれています。(チキチキバッタではありません)
やはりメスの方が大きいですね。
ショウリョウバッタのメスの後ろ足をそろえて持ってみると、逃げようとしてショウリョウバッタは体を上下に振動させます。
その姿が機織りに見えるといわれ「機織りバッタ」とも呼ばれたりします。
バッタの足は千切れやすいので、むやみに持ったりしないでくださいね。
オンブバッタ

おんぶしているからその名前?
姿かたちはショウリョウバッタととても似ています。
言い換えればショウリョウバッタの小型版がオンブバッタともいえます。
大きさ以外の違いは、オンブバッタの方がショウリョウバッタよりずんぐりしており、頭に小さなイボがあります。
幼虫や成虫でも基本的に顔にイボイボ(ギザギザ)があればオンブバッタなので捕まえた際は顔をよく見ると簡単に区別することができます。
あまり羽ばたかず、ぴょんぴょん跳ねるだけなので捕まえやすく、昆虫採集向きです。
交尾するときにオスがメスの上に乗る姿が、オンブしているようにみえ、オンブバッタという名前になりました。
緑色と茶色がいますが、殆どは緑色で、体の側面に白線がある以外は何もなく、全体的に同一色で目立つ模様はありません。
クルマバッタ
トノサマバッタとよく似たバッタで、後翅の模様の有無によって見分けます。
トノサマバッタの後翅は透明で、クルマバッタの後翅には模様がついています。
後翅なので捕まえて翅を広げてみないとわからないです。
翅を広げて飛んだ時に車のタイヤの回転を連想させることからクルマバッタと名付けられました。
ツチイナゴ

イナゴの佃煮ってあるよね
ツチイナゴは他のバッタとは少し違った生活をしています。
他のバッタはイネ科の植物を餌としているのに対し、ツチイナゴはクズなど草原に多く生息するものの葉っぱを餌にしています。
バッタでは珍しく成虫のまま越冬することもあるそうです。
ツチイナゴは幼虫のときはきれいな緑色をしており、成虫になると枯草のような茶色になります。
ツチイナゴは10月ごろから成虫が現れ始めるため、保護色になるように枯草のような色になるのでしょう。
コバネイナゴ
田んぼで良く見返るイナゴはコバネイナゴです。
イネの葉を食べるので、農家にとっては害虫ともいえます。
名前のコバネは翅がお腹の長さに比べて短いことからそう名付けられています。
その他にも灰色の「イボバッタ」や後翅がきれいな青色をしている「カワラバッタ」などがいます。
オンブバッタの餌

バッタって葉っぱだけ食べてるの?
上記で紹介したバッタの中からオンブバッタの餌についてご紹介します。
バッタの殆どは植物の葉を食べます。
同じ種類のバッタであれば、成虫も幼虫も同じ植物の葉を食べます。
イネ科のエノコログサやススキの草むらで捕まえたバッタはこれらが草が好きといえます。
オンブバッタは、イネ科以外の植物が好みのようです。
イネ科以外の植物には「オオバコ」「シュンギク」「ヨモギ」などがありますが、オンブバッタは大根やカブ、シソなどの野菜の葉が好きといわれています。
また、キュウリやリンゴやキャベツなども好んで食べるので小さく切って与えるといいでしょう。
朝顔やサルビアなど、花を楽しむ植物の葉も好きでよく食べます。
そのため野菜の多い畑や、花がきれいな花壇ではオンブバッタは人間にとって害虫となってしまいます。
ショウリョウバッタの餌

こちらはイネ科好き
ショウリョウバッタはオンブバッタと反対にイネ科の植物を好みます。
一番良いのはバッタが生息していたところに生えていた草ですが、イネ科であれば「ササ」「ススキ」「エノコログサ(ネコじゃらし)」などを食べます。
オンブバッタと同じようにキュウリやリンゴも食べます。
幼虫も成虫も食べるものは変わりませんが、幼虫から成虫になるために、とにかく多くの葉を食べて、急速に成長します。
家で飼育しようと思っている人は、とにかく餌となる葉っぱ類を欠かさない注意が必要です。
バッタを飼育する際の注意点

バッタって飼えるの?
バッタの餌がわかったらちょっと家で飼ってみたくなる気がしますね。
バッタはコオロギやキリギリスと違って鳴き声を楽しむという類の虫ではないですが、見た目はさほどグロテスクではないので、家でその生態を観察するのも楽しいかもしれません。
水分も必要
バッタを飼う際、餌となる草が必要ですが、それ以上に水分にも注意が必要となってきます。
乾きやすいので一日一回は霧吹きで水分を与えてあげてください。
草を餌にして与えた場合、残って枯れてしまった草は食べませんので、いつも新しい草をあげる必要があります。
共食いに注意
バッタは草を食べますが、基本雑食でもあります。
そのため同じケースに違う種類のバッタを入れた場合、他のバッタを食べる恐れがあります。

いわゆる「共食い」です。
そうならない為にも数種類のバッタを飼う場合は、種類ごとにケースを別にする必要があります。
まとめ
バッタにもいろんな種類があるのですね。
同じ草を食べるにしても、イネ科とイネ科以外の草と、種類によって好みの草は別れるようです。
童心に戻って原っぱに行ってバッタ探してみたくなりませんか?
ただむやみに捕まえて家に持って帰ってもこの猛暑です。

ちゃんと飼う気持ちがないのであれば、見つけてもすぐ放してあげましょう。