- セミを食べると寄生虫が心配?
- 沖縄では抜け殻から幼虫まで食用?
日常的にセミが食卓に並ぶ国があります。
さすがに日本国においてはそのような家庭は少ないとされていますが、中国や東南アジアにおいては現在もセミが食べられていると言うのです。
それも、きちんとした調理法のようなものも存在するのだとか?
かつて日本において沖縄ではセミの抜け殻を食べていた?セミそのものを食べていた?などという話を聞きます。
ここでは、セミを食べることについて寄生虫が人間に及ぼす影響や、日本においてセミが食べられていたという歴史について解説したいと思います。
セミを食べる時の注意点
セミには寄生虫がついています。その為、セミを食べるという場合はきちんと火を通した調理法を行わなければなりません。
特にセミを積極的に食する文化のある中国においては、セミの幼虫までも食用としていることから、そのまま素揚げにして熱を通す、また、塩やしょうゆなどで味付けをし、煮つけにして食べたりするそうです。
セミの成虫は翅を取って熱湯でゆで、その他と油で揚げて食べることが多いようです。このような調理方法を行い、セミを食べることになります。
油を使用して揚げる、また熱湯でゆでるといった方法は美味しく食べるためという意味だけではなく、セミに寄生している寄生虫を殺すために行っているということになります。
セミには「セミヤドリガ」と呼ばれる蛾の幼虫が寄生しており、通常セミのお腹に寄生していて、白色をしているので肉眼でもよく分かります。
実際には、寄生虫が寄生しているという生き物は、セミだけではなく、魚や肉にも寄生虫が存在しています。
しかし、熱を通すことなく食べてしまうことにより、人間の身体に有害となる寄生虫も存在する為、実際に食べるとなった場合は、必ず加熱処理を行っているかが重要なポイントになります。
セミを食べる危険性
セミに寄生する寄生虫により、サルモネラ菌やボツリヌス菌、ノロウィルス菌といったような微生物が繁殖することによって食中毒を引き起こしてしまう可能性が高くなります。
また、調理前にしっかりと手洗いを徹底していない場合や、調理器具の洗浄や殺菌を怠った場合、また、セミを十分に加熱しきれていないなど、これらのことを注意しておかなければ、簡単に食中毒が起こってしまいます。
セミは本当に食べることができる?
セミは暑い夏に大きな鳴き声をあげ、一瞬にして次の子孫繁栄をいう重大な役目を果たしたら、それで生涯を終えてしまうとても悲しい昆虫でもあります。
セミはずっと長い間土の中にいて、やっと地上に出てきたと思ったら、たった1週間だけしか生きることができません。
とは言え、実際には、1ヵ月〜1ヵ月半生きるセミも存在します。
セミは土の中で一生のうちのほとんどを生きています。木のねから樹液を吸い、大きく成長するものの、身動きなどない状態で生きています。
その為、動けない分、モグラたちの餌食となってしまうのも否めません。
しかも、日本全土において生息するアブラゼミについては、実に6年間土の中で生活しています。
セミたちは本当に食べられることが幸せなことだと思っているのでしょうか?
モグラの餌食となるくらいなら、人間に食べられた方が良いと考えるセミも存在するかもしれません。
それでも、地上での生活はほんのわずかであったとしても、土の中では思った以上にセミが長生きしていることが分かります。
その者にとって、何が一番幸せかは異なりますが、結果的に、土の中でも地上でも、セミの一生はしっかりと全うした素晴らしい人生であるとも言えるのです。
人間も同様に、本来はずっと赤ちゃんでいた方が勉強もしなくても良い、泣いて笑って楽しそうだといったイメージを持つ方が多いでしょう。
しかし人間は生きることに幸せを求めており、それと同時に生きる上で様々な苦労や試練を背負うことにもなります
例え人間であれセミであれ、幸せを感じる瞬間はそれぞれに異なることになります。
セミは成虫になって生きる
セミは長い幼虫での生活を終えると、地上に出て成虫となります。
しかし、土の中でも相当な危険を背負って生きてきたにも関わらず、地上に出てきた後も、他の生物に捕食されるリスクが高いと言えます。
また、セミは日没後に羽化を始めます。仮に明るいうちに羽化すると、まだ未熟で柔らかい生体は、アリなどの生物に捕食されてしまうからです。
セミは実際には地上での生活には限界があります。その中でせっかく地上へ出てきたのだから、瞬時に食べられてしまう運命など誰も想像していないはずです。
それに、例え頑張って羽化したとして、他の生物に捕食されずにすんだとしても、セミには多くの天敵が存在しているのです。
その為、せめて人間はセミが完全に羽化し、しっかりと飛び立つ姿を見守ってあげるべきではないでしょうか。
何もセミを食用としなくても、人間には他にも食べるものがたくさんあります。
だからこそ、セミを食用とするだなんて必要ないように感じます。
とは言え、最近では都会で見られるセミの種類も限られていたり、子供たちがセミ採りを楽しむ夏は、どうしても乱獲が起こってしまいます。
採る楽しみをやめることができない子供たちの手によって、本来生きることができる期間であるその期間さえも生きることができないセミも多数存在するのです。
都会の子供たちがセミ採りを楽しむ姿は少なくなっていますが、まだまだ田舎に暮らす子供たちの間では、セミ採りは夏の楽しみでもあります。
セミは一生に1回の交尾しかしない
セミは、土の中から這い出て、その後は命の続く限り子孫繁栄に力を注ぎます。しかし、セミのメスは一生に1回の交尾しか行いません。
セミノオスとメスの個体数はさほど大きな違いはなくほぼ同等であると言われています。
その為、何度も交尾しているオス、一度も交尾しないオスが存在することでしょう。
もしも1度も交尾できなかったオスは、輪廻というつながりにも参加することができていません。そのようなセミは4割以上も存在しています。
セミは、一生懸命鳴き、メスに自分の存在をアピールしていると言えます。また、鳴き声をあげることができるのはオスだけです。
このようなことから、メスへの求愛行動の意味でセミのオスは鳴き続けるのです。
セミに付着する寄生虫とは
人間は、セミを食べる、イナゴを食べる、カタツムリを食べる・・・といったように、様々な昆虫たちを捕食しています。
しかし、これは常時行っているわけではなく、現在では沖縄の地方でまだ名残が残っているようです。
とは言え、セミには寄生虫が寄生している為、生で食べてしまうことで、人間の身体に害を与えてしまう可能性もあるのです。
その為、そのまま食べてしまうのはやはり大きな問題となることが多いです。
セミの抜け殻なら食べられる?
セミの個体そのものを食べるとなるとどうしても抵抗のある方が多いのは当然のことでしょう。
しかし、セミの抜け殻なら、見た目にも触った感じでも、とてもカリカリとしているので、食べれないこともなさそうだなぁと感じたことがある方もいるかもしれません。
実際には、セミの抜け殻についてはそのままでも食べることができると言われているのです。
また、セミの抜け殻を粉々にして、ごはんの上にふりかけとして食べるという方も存在します。
どうしても昆虫だという目線でセミを見てしまうので、気持ち悪いと感じる方の方が圧倒的に多いと思いますが、実際に食べてみるとそんなに気持ち悪さを感じることがないようです。
このようなことから、セミの個体そのものに対しては抵抗があったとしても、セミの抜け殻なら、食べ方ひとつで美味しいと感じて食べることができるということなのでしょうね。
私たちは、見た目にグロテスクで、まさかそれを食べるの!?などと思っているナマコやカニについても、全く抵抗を感じずに食べていますものね。
そう考えると、セミの抜け殻を仮にふりかけとして食べた場合でも、何だか納得いくような気もしますよね。
また、ナマコだけではなく、実際にはバッタなども普通に食用とされているのですから、意外に食べることができると感じている方は多いかもしれませんね。
沖縄でセミを食べるのは本当?
沖縄は、本土と違ってまた別の文化があると言われています。
そして、何よりも驚くことかもしれませんが、現在でも沖縄においてセミを食べるという文化、習慣は根強く残っているというのです。
沖縄では、セミを食べるという食用としての考え方だけではなく、漢方薬として食べるといった文化を持っています。
漢方薬の中でも蝉退は、セミの抜け殻から作られている為、日本においても存在する漢方薬です。
同じ漢方薬として食べられていますが、日本においてはアブラゼミやクマゼミの抜け殻を使用し、中国においては同じセミ科となるズジアカクマゼミの抜け殻を食べていたと言われているのです。
このセミの抜け殻による漢方薬の効能としては、風邪による解熱効果、また、のどの腫れや炎症を抑える蕁麻疹等の皮膚炎に対して効果を発揮すると言われています。
また、セミの抜け殻を食べることにより、キチン質という動物性の食物繊維が免疫強化となり、湿疹やアトピー他蕁麻疹の薬にも配合されています。
このように、現在でも間接的な要素としてセミを食べるといった習慣が根強く存在していることになります。
考え方によってはセミの抜け殻を食べることは珍しいことではなことが分かります。
セミの抜け殻の調理方法は?
セミの抜け殻はどのように調理すると美味しく食べることができるのでしょうか?
実際には、中国においては、セミの抜け殻をから揚げにして食べていると言われています。
そしてまた、日本国沖縄においても、セミの抜け殻をから揚げにしたり、つくだ煮として食べている文化があります。
きっとつくだ煮としてもその食感は明らかであり、味付け次第ではセミの抜け殻はかなり美味しいものとなることが分かります。
確かに、見た目にもパリパリ感があるように感じ、そこまで抵抗なく食べることができそうな気もしますよね。
よくテレビ番組でこのような昆虫を食べるという罰ゲームのようなシーンを見かけることがありますが、笑いを取ると思ってみんなで食べるとどうってことなさそうな気がします。
沖縄に行かれた際、セミの抜け殻を食べる習慣があるかなど、現地の方に尋ねてみるのも良いかもしれませんよ。
セミを食べる地域は?
昔はセミの抜け殻を食べるのは日本国においても沖縄がその地であったと言われています。
しかし、それは過去の話であり、現在は、そこまで積極的にセミを食べるといった習慣はないようです。
それでも、昔、沖縄に住む方すべての方々にセミを食べる習慣があったというのはうその話であり、それはごく一部の方だけであったそうです。
だからこそ、大々的な情報として、現在もセミの抜け殻が食べられているかどうかという詳しい話は浮上してきていないようです。
他に考えられることとしては、沖縄の方たちがセミの抜け殻を食べていたと言うよりも、古く昔江戸時代においては昆虫を食べていたとされる歴史があるようです。
とは言え、実際のところ、これは生きる為に仕方なく食べていたという方が正しい説明になると思います。
しかも、古く昔は、セミの存在は昆虫の中では上位ランクに位置付けられるほどグルメ食材であったそうです。
セミの幼虫といえば、やはり育てるものです。食べるという意識を持っている人たちがいれば、残酷と言う感じがどうしてもしてしまうことになります。
しかし、美味しいとなれば、一度食べたい気持ちも起こりませんか。 セミという存在は、一部では、昆虫の中では、かなり上位ランクのグルメ食材とも言います。
特に、セミの中でも幼虫が美味しい!?と評判です。
セミの幼虫は見た目においてはエビのように見えます。そのように見える為に、食べる価値のあるものだと思ってしまう方が多かったようです。
そして、それらセミの幼虫をから揚げとして下味を入れて油で揚げ、美味しくいただいていたのだとか。
セミの抜け殻よりも幼虫ともなればさらにグロテスクなイメージが先行してしまい、とても食べる・・・といった気にはなれないのは私だけでしょうか・・・。
セミの味は?
気になると言うよりも、食べたいという気持ちではなく、本当にそれがどんな味をしているのかがとても気になりますよね。
食べたことのある方の情報によれば・・・。セミの抜け殻には臭みや苦みなどもないそうです。
口に入れて食べてみると、呼格類のような香ばしさがあるそうです。香りもほんのりピーナツ風なのだそうです。
気を付けたいのは、生で食べることは避けなければなりません。
やはりそれは人間の身体に害となる可能性の高い寄生虫が寄生していると考えられるからです。
セミを食べるという場合は、調理工程においても、必ず熱を加えるという点を忘れずに。
また、実際にセミを食べるといったような機会がある場合は特に、きちんと火が通っているものかを確認してから食べるようにしてください。
セミを食べる国はどこ?
セミを実際に食べる国とは一体どこなのでしょう?セミは、アメリカでも食べる習慣があります。アメリカにおいては2013年と2017年にセミが大量発生しました。
この際、セミを有効活用する為にセミ入りのアイスクリームなどの商品が開発されたり、煮込んだセミをチョコレートと一緒に加工するなど、まさかの作り方で販売されたものが随分と爆発的に売れたのだとか。
実際にセミのアイスは爆発的な売れ行きで、多くのアメリカ人が食べたと言われています。
しかし、その後、食品衛生局の指導のもと、販売中止となったそうです。
また、中国においては、昆虫は全般的に食材として扱う国であるある為、もちろん、セミも中国人たちにとっては食のひとつとして捉えられています。
このようなことから、セミを生で食べるといった習慣については中国には存在していた可能性も考えられます。
とは言え、基本的にはセミに寄生虫が寄生していることを考慮すると、やはり加熱調理を行った上で食べるということであり、決して生で食べる文化が残っているという訳ではありません。
まとめ
いかがでしたか?セミを食べる時の寄生虫への対応、また、沖縄で食べられるセミの抜け殻や幼虫が本当に食用とされているのかいついて解説しました。
現在、世界において、特に東南アジアにおいては、セミを食用とする文化が根強く残っています。
中国などは、昆虫を食用としていることから、セミは日常的に食べられていると考えられます。
しかし、それを生で食べるとなるとやはりセミに寄生している寄生虫が身体へ害を与えてしまう可能性が高いことから、必ず加熱処理を行って食べられているのです。
私たち日本人からすると、セミを食べるという習慣がない為、どうしてもグロテスクに感じてしまいます。
それでも、どこかでセミを食べるような習慣のある地域へ行かれた際、機会があればセミを食べて見られるのも良いかもしれませんね。
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