- ゴリラの血液型はなぜB型なのか?
- B型しかいない理由とは?
ゴリラの血液型にはB型しかないという情報元はなにかなと辿って行きますと、テレビ番組のバラエティ番組だったようです。
ゴリラの血液型があるということも、意外な感じですがその血液型がB型しかないという話は半分正解で半分不正解です。
今回はゴリラの血液型について調べてみました。
ゴリラには血液型・B型しかいない?
ニシローランドゴリラは血液型がB型のみ
ゴリラの血液型はみんなB型であるというのは正確ではないのです。
そもそもゴリラには「ニシローランドゴリラ」、「ヒガシローランドゴリラ」、「マウンテンゴリラ」の三つの亜種が現存しています。
ゴリラは1種の中に三つの亜種がある動物なのです。この中で、血液型がB型しか存在しないのは「ニシローランドゴリラ」です。
他のゴリラの血液型の構成は全く異なっています。
マウンテンゴリラはO型・A型のみ
「マウンテンゴリラ」の場合、O型とA型のみで逆にB型が存在しません。
ヒガシローランドゴリラはB型とO型のみ
「ヒガシローランドゴリラ」はB型だけでなくO型が存在します。
ゴリラがB型しかいないという話は厳密には間違いで、「ニシローランドゴリラ」にはB型しかいないが正確な情報になります。
ゴリラの三つの亜種
ゴリラのはゴリラという種の中に三つの亜種があるというのが最近の学説になっています。
その亜種は「ニシローランドゴリラ」、「ヒガシローランドゴリラ」、「マウンテンゴリラ」です。
ニシローランドゴリラ
血液型がB型しかなく、ゴリラのほとんどを占めるニシローランドゴリラは、アフリカ中央部の西の海岸近くの山林、湿地帯に生息するゴリラです。
マウンテンゴリラ
マウンテンゴリラは中央アフリカのヴィルンガ山地の森林だけに住む絶滅危惧種となります。
マウンテンゴリラは血液型B型だけではないですが、その数が少なすぎるので無視されたのでしょうか。
ヒガシローランドゴリラ
ヒガシローランドゴリラも血液型においてはB型だけではありません。生息地域はニシローランドゴリラと緯度になりますが、より東側の内陸部となります。
ヒガシローランゴリラもさほど数は多くありませんので、ゴリラ全体でみれば「基本的には血液型はB型しかいない」が正確な言い方かもしれませんね。
B型のみのニシローランドゴリラが過半数
話しの出どころはテレビのバラエティ番組といわれています。あくまでエンタメの中での話題ですので正確性に欠いていても仕方ないでしょう。
実際に「ニシローランドゴリラ」はゴリラの中でも最大の頭数を占めます。推定頭数は20万頭以上と言われます。
これに対し、「ヒガシローランドゴリラ」は5千頭前後、「マウンテンゴリラ」は千頭もいないと言われる絶滅危惧種です。
ということで、ゴリラのほとんどを占める「ニシローランドゴリラ」はゴリラがB型しかいないということで、ゴリラはB型しかいないとうことになったのではないでしょうか。
ゴリラと人間の差と血液型
ヒト、ボノボ、チンパンジー、ゴリラは類人猿で非常に近種であることが分かっています。
進化の上でみていきますと、人間と最も近い種であるのがボノボです。その次が、チンパンジーで次にゴリラとなります。
他の類人猿と分化してヒトが人類として進化の道を進み始めたのは700万年ほど前というのが最新の学説になります。
ゴリラはかなり人間に近い種であり「ゴリラは言葉を持たないヒトだ」と言う学者がいます。ヒトとゴリラの遺伝子的な差異は1.75%といわれています。
しかし、ニシローランドゴリラの血液型にはB型しかなく 人にはA、B、O型があり、同じ類人猿のチンパンジーはA型、O型があります。
このような差は、なんらかの進化上の淘汰圧により生じたのではないかと推測できます。
ABO型 血液型とは
そもそも、血液型といわれるABO型とはどうやって分けるのでしょうか。ヒトも動物も同じように分けられるものなのでしょうか。
血液の種類を分けるにはいろいろな方法があり、ABO型と言うのはそのうちのひとつにしか隙ぎません。血液型占いと言うのは完全な疑似科学です。
酒の席などの話題以上の価値などありませんので、「A型だから――」、「B型だから――」という性格判断には何の意味もありません。
もし、これが正しいならB型しかないニシローランドゴリラの性格はみんな同じになってしまいますね。
ABO型血液型は、赤血球にある表面抗原と呼ばれるその他の細胞や細菌、ウイルスに対抗する反応しめすタンパク質があります。
赤血球の表面に「A型」の抗原があれば血液型がA型となります。
表面に「B型」の抗原があれば血液型がB型となります。両方が赤血球の表面にあればAB型になります。
A型、B型とも抗体がない場合に血液型はO型となります。
ゴリラだけではない動物のABO血液型の偏り
ABO血液型は簡単に言ってしまえば、赤血球の形の違いです。それによる血液型の分類ですと尽瘁の始祖はA型の身しかなかったのではないかと言う説もあります。
現在、チンパンジーはA型とO型の血液型しかありません。その他の動物ではネコやブタの90%A型であったりします。
植物にも似たような抗原タンパク質があり、それを当てはめると植物は0型が非常に多く、AB型が続き、A型、B型がほとんどないと言います。
このように、ABO型血液型は、生物により偏りを持っている方が普通であり、ヒトのようにA型、B型、O型、AB型が占いの話題になるほどの散らばりを持っている種の方が少ないようです。
ニシローランドゴリラのB型しかない理由は?
基本的には赤血球の持つ抗原タンパク質の形が種の中で多様性を持つことの方が少なくなります。
ニシローランドゴリラのB型しかないのが不思議なのではなく、人が多様な血液型を持つ方が生物学的には不思議になります。
赤血球の抗原でB型をもてば、その対抗抗原であるA型を持つこと自体が必要のあまりないことではないかと推測できます。
多くの動物が、A型かB型に偏りを見せていることがその証明になるかと思います。
また、植物にO型に似たたんぱく質抗原を持つことからも、O型が最もシンプルな形であることが想定はできます。
動物の進化は偶然に支配される
ニシローランドゴリラの血液型がB型しかいないのは、おそらく進化の過程でそうなったのでしょう。
血液のABO型のバラエティに富んだ血液型を人間が持つに至ったのも別に占いをやるためではなく、単に進化の問題です。
進化とは、突然変異と環境圧による生物の選択によって進むものです。
ニシローランドゴリラの場合、シンプルなB型抗原を持ったままで進化が進み、それに関する突然変異種は環境圧により、生き残ることが出来なかったと考えられます。
その理由は病気に対する抵抗力かもしれませんし、詳細までは不明です。
ただ、人類がA型のみの赤血球抗原から、対抗抗原であるB型を持ち、O型、AB型の血液を持つようになったのも、進化的な結果であろうと推測は可能です。
まとめ
動物のABO血液型が偏るのは、ゴリラに限ったことではなく、身近なネコなどではA型がほとんどというようなことが確認されています。
また、ゴリラにB型しかいないというのは、少しだけ正確性を欠いていて「基本的にB型しかいない」というべきでしょう。
ゴリラの大多数を占めるニシローランドゴリラは確かにB型しかいませんが、亜種であるマウンテンゴリラ、ヒガシローランドゴリラはそうではないのです。
ABO血液型で言うならば、むしろバラエティに富んでいるヒトの方が珍しい種類であるといえるかもしれません。
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