- 飛行機のトイレはどうなっていてどんな処理をする?
- 飛行機のトイレの仕組みは?
- 飛行機のトイレは空から垂れ流しは都市伝説?
長時間のフライトにとって欠かせないのがトイレです。
飛行機のトイレについて疑問に思っていることをまとめてみました。
限られた空間の中でトイレの処理がどうなっているのか気になりますよね!

さて、飛行機のトイレはどのような処理がされるのでしょうか?
飛行機のトイレの処理方法と仕組み
さて、飛行機のトイレはどのように処理されるのでしょうか?
まず飛行機にあるトイレは大きく分けると2つに分けられます。
- 循環式(古いタイプ)
- バキューム式(新しいタイプ)
それぞれの処理方法についてご説明します。
循環式
上の動画は高速バスの循環式トイレの動画です。
トイレの下に汚物を溜めておくタンクがついていて、タンク内の水を綺麗にして循環させ、トイレを洗浄させるという処理方法です。

でもどんどん汚れていきませんか?
そこがデメリットです。使えば使うほど水は汚れていきますが、飛行機の中の水は限られているので、取り替えるわけにもいきません。
またトイレがいくつかある飛行機だと、それぞれのトイレの下に汚物タンクを設置する必要があります。
そんな循環式のトイレの問題点を解決したのがバキューム式です。
現在ではほとんどがバキューム式になっているそうです。
バキューム式
機内の後方各所に「ウェストタンク」といういくつかの汚物用タンクを設置し、そのタンクに汚物をまとめておくという処理方法です。

水は使わなくてもいいのですか?
強力な吸引力で汚物をタンクまで持っていくので水はほとんど使わなくても大丈夫です。
ちなみにANAの場合は1回のトイレで使う水の量はたったの200cc、だいたい牛乳瓶1本です。
そしてその吸引の仕方も画期的で、気圧を利用したものなんです。
通常飛行機が飛んでいる1万メートル以上の上空では機内と外の気圧に差ができます。
飛行機の中は0.8気圧で外は0.2気圧という差です。
空気の気圧が低い方へ流れるという原理を利用したもので、トイレの水を流すとパイプにつながるバルブが開いて、200ccの水と一緒に吸引されていきます。
映画で見たことありませんか? 飛行機の窓やドアが開いてしまって人が飛ばされそうになるシーン。
あのくらい勢いよく空気が流れるので、汚物が移動するのも一瞬のことでしょうね。

吸引された汚物はどうなるんですか?
空気と一緒に流れていき、汚物は汚物タンクへ、空気はそのまま外へ排出されます。
このタンクは主に機体の後方にあり、トイレがいくつかある場合も一箇所に集めることができます。
この方法だと使用する水も少なく汚物タンクも一つで良い、と願ったり叶ったりの方式です。

でもそれじゃ低い高度を飛んでいる場合はトイレは使えませんよね?
いいえ、大丈夫です。「バキュームブロア」という装置があり、この装置でタンクの中を真空の状態にすることで、掃除機のように吸い込むことができます。
トイレタンクもバルブが二重になっていて、万が一片方が緩んでいても大丈夫なようになっています。
このように現在の飛行機のトイレはしっかり汚物を処理しています。安心して利用してくださいね!
ただひとつ、バキューム式には残念なことがひとつあります。

なんでしょうか?
音です!結構大きな音がしてビクッとする方も多いようです。
またトイレに近い席の人もこの音にはウンザリしてしまいます。何とか改良できないものでしょうかね。
気圧によって空気が流れる理由
ここで気になるのが気圧が違うとどうして空気が流れるのか? です。

そもそも気圧って何ですか?
一般的には大気の圧力のことをいいます。
空気にも重さがあり、わたしたちも常に空気の重さを背負っていることになるんですね。
この気圧は地表から高ければ高いほど低くなります。山の上は空気が薄いってよく言いますよね。
これは空気の量が少ないためで、体にかかる圧が低くなるので気圧が低いということにになります。
高いところにいくと耳がキーンってなるのも、気圧の変化によるものです。

飛行機の中と外は同じ高さなのに、どうして気圧が違うんですか?
気圧は地上が「1気圧」で、高度が高くなるほどどんどん数値が減っていきます。
飛行機が飛ぶ上空1万メートルの気圧はだいたい0.2気圧になるので、このような気圧の変化に人体は耐えることができません。
調整することで機内の気圧を0.8気圧くらいに保っているんです。
ということは機内と上空では0.6気圧もの差ができてしまいます。
これが気圧によって空気が流れる理由です。
この原理をトイレに利用しようと考えた人ってすごい発想力ですよね!
飛行機・トイレの使い方
トイレのランプについて
せっかくトイレまで行っても使用中だとがっかりしてしまいますよね。
それを防止するのがランプです。だいたいトイレのランプは色で判断します。
赤が使用中、緑が使用可、となっていますが、ほかにはマルとバツで表示されていることもあります。
トイレを使用中だと使用中のランプが点灯するので、ランプが消えているときに行くといいでしょう。

自分でランプを点灯するのですか?
いえいえ、そんな面倒なことはしません。
だいたいはトイレのドアの鍵をかけると点灯する仕組みになっています。
また便座に座るとランプが点灯するシステムもあるようです。
うっかり鍵をかけないで入ってしまうと大変なことになりかねないので、その点はご注意ください。
見られる方もイヤですが、見る方だってイヤなものです(笑)
鍵だけはしっかりかけるようにしましょう。

ランプのないトイレもあるって聞いたのですが?
あります。その場合はトイレに「使用中」といった表示があります。
- 「occupied」だと使用中
- 「vacant」なら空き
以上のような意味なので、覚えておいてくださいね。
トイレを使ってはいけないタイミング
飛行機のベルト着用サインが点灯している間は、原則席を立ってはいけません。
なのでもちろんトイレに行くのもNGです。このベルトサインは機体が安定するまで消えません。
機長の判断でこのサインが消えますので、消えたら機体が安定したという証拠です。
気流が悪ければ上空でも長い間ベルトサインが点灯したままのケースもあります。
できるだけ搭乗前にトイレは済ましておきましょう。

トイレは混むタイミングがありますか?
あります。離陸してベルトサインが消えた直後は、今まで我慢していた人が利用するケースが多くなります。
そして機内食が出て食べ終わった頃が混雑するタイミングです。
飲食後はどうしてもトイレを利用したくなるのは仕方がありません。
そしてもうひとつ、着陸が近づいてベルト着用サインが点灯する前にアナウンスが入ります。
トイレは早めに済ませてください、というアナウンスにつられて、それほど行きたくなくても「行こうかな」っていう気分になります。
だいたいこの3パターンがトイレ混雑のタイミングです。
トイレは余裕を持って早めに済ませた方が良いですね。

逆に空いているときってありますか?
でもみなさんテーブルを出している状態の中、なかなか身動きは取れません。
通路側にいたとしても、カートが置いてあったり配膳の邪魔にもなります。
通路側にいた場合、配膳が終わったあとがチャンスです。
あとは長いフライトで乗客が眠りについている時間帯です。
このようなタイミングを狙っていくと、すんなりトイレを利用できそうです。
ですが、なかなか良いタイミングでトイレに行きたくなるわけではありません。
なにかいい方法はないものでしょうか?
飛行機でトイレが近い人は我慢するしかない?
トイレが近い人にとって乗り物はとても気を使う場所です。特に飛行機は苦手意識を持っている方も多いと思います。
そこでいくつかトイレ対策についてご紹介させていただきます。
トイレを我慢するのはよくありませんし、かといって飲み物を飲まないのもダメです。
というのも機内はとても乾燥していて、湿度が20%以下になってしまうことも・・・。
水分補給をしないと代謝が悪くなり、最悪エコノミークラス症候群になってしまうこともあります。
そうならないためには水分補給はとても大事です。

水分を補給しながらトイレにいかなくてもいい方法があるんですか?
いくつか方法はあります。個人差もありますので、色々試してみて自分にあるやり方を見つけてください。
トイレに行けないと思わない
普段家にいるときなどは、トイレに行けないかも? なんて不安に思うことはありませんよね。
ここが大事なところで、「トイレに行けない」と思うことでよけい行きたくなってしまうんです。
特に普段からトイレが近い人は常にこの不安と闘っています。
緊張するとトイレに行きたくなる、という心理と同じようなものだと思います。
あまり心配せず、できればトイレのことは忘れるくらいのつもりでフライトを楽しんでみるのもひとつの方法です。
安心するには尿パッドなどをするのも効果的です。
多少漏れても大丈夫!っていう安心感があれば精神的な不安を克服できると思います。
冷える
体が冷えるとトイレに行きたくなります。
これは自然現象なので自分ではどうしようもありません。
対策は体を冷やさないことです。
ひざ掛けなどは必ず受け取るようにして、少々厚着をして乗るようにしてください。
気圧の変化
尿意は気圧の変化でも起きやすくなると言われています。
内圧の変化によって膀胱に何らかの異変が起きるとか、自律神経が乱れることで尿意をもよおしたりする、なんていわれていますが、正確なところはわかりません。
どっちにしても気圧の変化によるものであれば、対策は難しいといえます。

じゃあどうしたらいいんでしょうか?
そうですね、簡単なところでは座席は通路側にするということです。
窓際だと隣の人をまたいでいかなければならないので、迷惑をかけてしまいます。
通路側ならその点は気になりません。あとは飲み物に気をつけることです。
フライト前から気をつけて欲しいのですが、利尿作用のあるカフェインが入った飲み物は避けましょう。
コーヒーや紅茶、緑茶も結構なカフェインが入っていますが、当然アルコールもいけません。
機内での水分補給は普通の水やノンカフェインの飲み物にしましょう。
がぶ飲みをせずにゆっくり時間をかけて水分補給をした方がトイレ対策に有効です。
ナプキンやオムツはどうする?
普通は汚物入れが置いてあります。万が一満杯だったりなかった場合は、トイレにあるエチケット袋などに入れてダストボックスに入れてください。
間違っても便器に流したりしないようにしましょう。詰まってしまうと使えなくなてしまいます。
トイレを出るときはドアは閉めましょう
スッキリのあまりドアを閉めることを忘れてしまいがちですが、ドアはきちんと閉めてください。
中途半端に空いていたりすると、次に入る人が中に人がいるかどうか判断に迷ってしまいます。
飛行機のトイレは空から垂れ流す?
飛行機のトイレの仕組みがわかったところで、「空から垂れ流す」は単なる都市伝説であったことが証明されました。
が!!その昔はそのまま垂れ流ししていたっていうんです!

え〜〜〜本当ですか!?
そうなんです。空路の下にはよくいろんなものが落ちていた・・・なんてことはありません(笑)
飛行機が飛んでいる高度から放出されても、気圧の関係で霧状になるので全くわからなくなるそうです。
そうは言っても想像するとちょっとイヤですよね。でも現在ではそのようなことはしませんのでご安心ください。
さて、飛行機のトイレでまだまだ不思議なことってありませんか?
たとえばトイレの数や灰皿などについてです。
そんな飛行機のトイレに関するクエスチョンがあれば何でも聞いてください!
飛行機には自動便座もある?

わかりました。
ではまず、自動で蓋が閉じる自動便座があるって聞いたんですが?
自動??? とびっくりしましたが、なんともアナログな自動でずっこけました(笑)
水を流すボタンを押すと棒のようなものが出てきて蓋を押して閉じる仕組みです。
でも水を流すときちんと蓋が閉じてくれるのは便利ですよね。
飛行機のトイレには窓がある?

飛行機のトイレに窓があるって本当ですか?
ファーストクラスなどのトイレには窓がついていることもあります。
あれ? 誰かに見られない?覗けるとしたら恐らく宇宙人くらいでしょうね。
飛行機のどこにトイレがある?

飛行機の中でトイレの場所はどこにあるんですか?
トイレの場所は飛行機によって違います。
大型だと前方と中間、それに後方にあるのが一般的で、小型は前方か後方、もしくは両方にあります。
全て個室なので男女兼用、狭いのを覚悟しておきましょう。

飛行機のトイレの数はいくつくらいですか?
飛行機によって違いますが、だいたいクラスごとに3〜5つくらいです。なので人数の多いエコノミーの競争率は高くなります(笑)
飛行機に乗るときになによりもトイレを優先したい場合は、ビジネスクラスを利用した方が良いでしょう。
飛行機のトイレの中に灰皿がある?

禁煙なのにトイレの中で灰皿を見たことがあるのですが?
実はトイレの中でこっそりタバコを吸う人がいるようなんですね。
火の不始末で火災が起こったり、便器に捨てられては大変です。
そのためにわざわざ灰皿が設置されているそうです。
でもトイレには普通煙探知機がついているので、タバコを吸ったりすると警報が鳴ります。
想像するに、探知機に煙がいかないようにかなり上手にタバコを吸う人のため? かもしれません。
飛行機に設置されるトイレの値段は?

飛行機のトイレの値段を知りたいのですが?
一般人には何の関係もありませんが、気になってしまったので調べてみました。
車が買えちゃいますね。トイレひとつに300くらいの部品が使われ、コンピュータ制御もされているとか。
間違っても持ち帰らないようにしてください(笑)
飛行機のトイレに便利なアメニティ

飛行機のトイレにアメニティがあるって聞いたんですが?
はい、用意してある飛行機もあります。
長時間のフライトだといろいろと不便に感じることも出てくるので、エコノミーであっても用意してあるトイレもあります。
例えばこんなものがあります。
- 耳栓
- アイマスク 歯ブラシ
- 靴下
- 生理用品
- エチケット袋
全く用意されてない飛行機もありますが、まずはトイレに入ったら引き出しや棚を覗いてみてください。
やはり必要なものは自分で用意をした方が安心です。がさばらないものは自分で持っていくようにしましょう。
耳栓
アイマスク
エチケット袋

トイレの前の席の場合リクライニングは倒しても良いですか?
飛行機によっては深く倒せない席もあるようです。
トイレの前は人の出入りも激しく、音や臭いなども我慢することもあります。
何気なくシートを掴んで通る人もいるので、あまりゆっくりできる環境ではないかもしれません。
トイレに不安な人以外にはお勧めできない席のひとつです。
トイレに行きたい場合の英会話

トイレに行きたいは英語でどう言うんですか?
例えば隣が外国の方で、その方の前を通らないとトイレに行けない・・・
そんなときにはこう語りかけてください。
Excuse me. Can I get out please?
すみません、通路に出たいのですがよろしいでしょうか?という意味です。
Excuse me. I need to use the restroom.
すみません、お手洗いに行きたいのですが。と語りかけても良いです。
相手が眠っていたら
Sorry to wake you but can I get out please?
起こしてすみません、通してもらっていいでしょうか?と声をかけてください。
通してもらった後には必ずお礼の言葉をかけてください。
Thank you でOKです。
相手が寝ていたり何かに没頭していると声は掛けにくいですよね。でもお互い様です。
乗り慣れていない人は不快に思うこともあるかもしれませんが、通してあげるのは通路側に座った人のマナーなので、あまり気後れせずに声をかけてください。
まとめ
飛行機に乗り慣れていない方や初めて乗る方にとってはトイレの利用も不安だと思います。
全てが日本語で表示されているわけでもないですからね。
どうしても悩んでしまったらCAさんを呼びましょう。
我慢をせず、最低限のルールを守って心配せずにトイレを利用してください!