- ヒンドゥー教は豚は食べれる?
- イスラム教で豚を食べない理由は?
宗教によっては食べてはいけないものがあります。
なかでも有名なのは、イスラム教では豚を食べてはいけないというものです。
国際的にも様々な飲食店などで、豚肉を使わないイスラム教の人のためのメニューも用意するところが多くなっています。

どうして豚肉を食べてはいけないのでしょうか?
ヒンドゥー教の場合は豚を食べても良いのでしょうか?
そんな宗教と豚肉の関係についてご紹介させいただきます!
ヒンドゥー教なら豚は食べれる?
まずはヒンドゥー教について少しご紹介しましょう。
ヒンドゥー教ってどんな宗教?
ヒンドゥー教は、キリスト教とイスラム教の次に信者が多く、主にインドとネパールで信仰されています。
ヒンドゥー教には多くの神が存在し地域や団体によっても対象が変わるので、とても複雑でいろんな解釈があるようです。

ヒンドゥーってどんな意味?
ヒンドゥーとは、サンスクリト語でインダス川のことを指します。
歴史は古く古代インド時代のバラモン教が原型といわれ、バラモン教のカースト制度などを継承して、インドの民族宗教として定着していきました。
ヒンドゥー教には3大神がいます。
ですが現在はブラフマーを信仰する人が減り、2大神といわれるようになっています。
そして一度は見たことがあると思いますが、頭が像のシヴァ神の子供、ガネーシャも神の一柱で「商売の神様」として人気があります。

ヒンドゥー教の修行はナニ?
それはヨガです!
日本では健康やダイエットを目的として注目を浴びているヨガですが、これはもともとヒンドゥー教の修行だったんです。
輪廻と解脱を信仰していて、仏教で禅(瞑想)をして解脱するようにヒンドゥー教ではヨガをして解脱します。
かなり複雑なポーズをしないと解脱できないのかもしれません。凡人には絶対無理だと思います(笑)
ヒンドゥー教は豚を食べるのか

さて、本題ですが豚は食べても良いのかー?
答えは「ノー」です!その理由は不浄のものだからなんだそうです。
肉が全部ダメかというと、鳥なら良いそうです。日本も昔の僧侶は獣の肉を食べてはいけないというルールがありました。
どうしても肉が食べたかったお坊さんがあるとき、ウサギは鳥だから食べても大丈夫!
という屁理屈(笑)をつけて食べ始めたことから、ウサギは1羽、2羽・・・と数えられるようになったといいます。
ピョンピョン跳ねるし、あの大きな耳が羽に見えなくも・・・いえ、見えませんが・・・。
ヒンドゥー教の食のタブー
ヒンドゥー教には食に関してタブーとされていることがたくさんあります。豚がダメなように牛もダメです。
牛がタブーな理由は、牛が崇拝の対象となっているからです。肉に関しては、羊やヤギはOKな人もいるといいます。

なら魚介類は?
魚介類もダメです。魚からとっただし汁もNGなんだとか・・・。厳しいですねぇ〜。
輪廻転生の教えから、先祖が動物に生まれ変わっているかもしれない、という思想からきているそうです。
鳥や羊などには生まれ変わらないということなのでしょうか???きっと深い理由があるんでしょうね。

そして野菜も食べてはいけないものがあるんです。
それはニオイのきついニンニクやニラ、らっきょうやネギなどです。結構食べられないものが多いですね。
そして食べられないものの他に、絶対やってはいけないことがあります。
左手は不浄とされているので、みなさん右手だけで器用に食事をします。
じゃあ熱いものはどうやって食べるの?と思いましたが、右手で触れないものは食べないという考えが徹底しているせいか、熱いものは食べないそうです。
絶対ラーメンとか無理ですね。また食事の前には沐浴を行い、きれいな服に着替えるというカーストもあるそうです。
これからもしかしたらヒンドゥー教の方と一緒に食事をすることがあるかもしれません。
厳しいヒンドゥー教の食の作法について、知っておいて損はないと思います。
イスラム教で豚を食べない理由は?
イスラム教はアラビア地域発祥で、キリスト教に次いで信者の多い宗教です。

イスラム教でも肉を食べないというのは有名ですよね。
ヒンドゥー教では豚は不浄なものなので食べない、というのが理由でしたが、イスラム教で豚肉を食べない理由とは何なんでしょうか?
イスラム教で豚肉NGな理由

どうしてイスラム教で豚肉を食べてはいけなの?
それには幾つかの理由がありました。
そのひとつはイスラム教にとっての聖典クルアーン(コーラン)に、食べてはいけないもののひとつとして記されているからです。
他に食べてはいけないものとして、死肉や血、そしてアッラー以外の神の名で供えられたものなどです。
ヒンドゥー教では不浄なものとして扱われるので食べてはいけませんでしたが、イスラム教にも似たような理由がありました。
豚は本来キレイ好きですが、飼い方が悪いと糞を食べたり涼をとるため泥の上で転げ回ったりします。
そのような姿や、他の動物のように卵を産んだり毛皮がとれたり、労働力になったりできないといったことからも嫌われてしまったという説があります。
また伝染病や寄生虫があったり、加熱が不十分な調理で亡くなる人がいたために禁止したとの見方もあり、気温の高い中東地域では感染症の予防のためであるとも考えられます。

そしてイメージの悪さもあります。
豚肉は古代ローマで富裕層が好んで食べたといい、節度を保ち浪費を好まないイスラム教からみると確かにイメージは悪いですよね。
そしてイスラム教といえば禁欲的なのは有名で、一年中交尾と出産を繰り返す豚を嫌っちゃうのもわかる気がします。
このように豚がNGな理由はいくつかあり、どれが正しい、正しくないとも断言できません。
長い歴史の中で、豚を食べてはいけない大きな何かがあったのかもしれませんね。
豚肉以外にNGなものは?
近年世界的にもハラール認証店が増えてきて、このお店ではイスラム教の方が安心して食事できます。
食べてはいけないもので豚肉と同じくらいにNG度が高いのがアルコールです。
料理に使うワインやみりん、お菓子に使うラム酒などもダメ!ついでに豚のエキスを使ったスープやブイヨンもNGです。

厳しいですねぇ〜。
豚以外の肉類も屠殺の際にアッラーの御名を唱えて行うなど、イスラム教に従った屠殺の方法によってはOKなんだそうです。
かなりお肉を食べるハードルは高そうなので、ハラール認証店がもっと増えるといいですね。
イスラム教の食のマナー

イスラム教にも食事のマナーがあります。
基本は多くの人で分け合って食事をするので、料理は大皿に蓋をした状態で運ばれます。
まずは手を洗い「バスマラ」と唱えて食事が始まりますが、まずは年長者から食べ始めます。
必要であれば左手を使ってもいいのですが、基本は右手の親指、人差し指、中指の3本の指で食べます。
食事中は中華の回るテーブルのようにお皿の位置を変えたり、好きなものを独り占めすることはタブーです。
よく噛んで食べる、口の中に食べ物が入ったまま喋らない、一度にたくさん頬張らないといった日本人と共通のようなしきたりがあります。
他にも食べろと強要したり、食べているところをじっと見ていたり、音を立てて食べるのも良くないとされています。
そして日本では生活習慣病予防のために推奨されていますが、満腹の前に食事をストップし、ごちそうさまにあたる「アルハムドゥリッラー」といって席を立ち、最後にまた手を洗います。
スマホばかり見ながら食事している昨今の日本人にとっては、見習いたいマナーではないでしょうか。
まとめ
世界の肉の消費量でおよそ3割以上を占めると言われる豚肉。
ヒンドゥー教にもイスラム教にも随分と嫌われてしまった豚ちゃんですが、その理由のひとつが不浄であるというのも、豚にとってはかわいそうなお話ですね。
ただ切り身しか見ていない現代人にとっては、豚肉=豚という認識は薄いかもしれません。
食育というものを今一度考えてみてはいかがでしょうか。
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