• 招き猫のそもそも意味ってなに?
  • 右手と左手上げているのを見るけれど違いってあるの?
  • 両手を上げている招き猫もいるけれど、、、あれって何か意味があるの?

商売繁盛や、縁起物として古くから知られている招き猫は日本にもなじみ深いものです。

よく見てみると様々な恰好の物があるのをご存知でしたでしょうか?今回は、招き猫について調べてみました。

招き猫の由来

前足で人を招くようなしぐさをしている招き猫は、今や商売繁盛等の縁起物として、お店や会社に置かれていたり、日本では本当になじみ深い人形ですよね。

 

しかし、商売繁盛以外に招き猫について聞かれたらどうでしょう?そもそも招き猫ってどんな意味があるんでしょうね。

 

招き猫の由来について言い伝えられている説をまとめてみました。

 

しかし、招き猫の由来については諸説あるようで、下の説以外にも民間信仰説等もあります。

 

どれが正しい等は判断されていませんが、全国各地で猫にまつわる言い伝えがされているようです。

 

東京浅草の「今戸神社」

猫、夢枕説

江戸時代終わりごろ、おばあさんが1匹の猫を飼っていました。

 

しかし、当時の生活は大変貧しく自分の生活で精一杯だったことから、飼っていた猫を手放してしまったそうです。

 

その後しばらくすると、夢枕にその猫が出てきて「自分(猫)の姿の人形を作ったら福徳が授かる」と言いました。

 

不思議に思いながらも、生活が苦しかったおばあさんは、猫をモチーフにした今戸焼の焼き物にして人情を浅草神社で売ったら、何とそれが評判になったという。

 

その言い伝えがずっと残っており、数百年経った平成に入ってから、浅草今戸に鎮座する今戸神社が、招き猫の発祥の地として言われるようなったと言われています。

 

現在の今戸神社は縁結びになっていた

現在の今戸神社では、縁結びにご利益のある神社として知られ、境内の中には、「石なで猫」という、猫の石像を境内の待ち受けにして、毎日お祈りをすると願い事が叶う!とも言われています。

 

その他にも、本殿で出迎えてくれるのが、手を高く上げた2匹の招き猫は、江戸時代に今戸焼で焼かれた招き猫と言われています。

 

高さが60センチか70センチ程ある大きな2体の招き猫は、顔立ちが何とも愛らしいのが特徴です。

 

そして、ここの今戸神社では、婚活の神社として、「縁結び会」をされています

 

御朱印はかわいらしいピンクの御朱印帳に2匹の招き猫が刺繍をされています。

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今はご縁を招く神社として語り継がれています。

 

東京新宿の「自性院」

1匹の猫のへのお礼説

自性院には2つ由来があり、まず一つ目が、太田道灌が江古田、布袋原の戦いで道に迷った際に、目の前に現れた1匹の猫が手招きをして自性院に招き入れたとされている。

 

その後、道灌は盛り返すことに成功してそのお礼に地蔵尊を奉納したとされている。そしてその猫の地蔵から後に招き猫になったと言われている説

 

猫の地蔵を奉納説

もう一つは、江戸時代のお金持ちの商人が、子供をなくしてしまい、猫の地蔵を自性院に奉納したと言われている説があります。

 

現在の自性院

境内に入ると狛犬ならぬ、大きな小判を持った狛ネコがお出迎えをしてくれます。毎年節分の日に秘仏の猫地蔵が開帳されるとか。

 

そして、猫の刺繍をされたお守りも販売をされます。現在は「ネコ寺」の愛称で呼ばれています。

 

京都の「伏見稲大社」

養蚕を保護猫説

その昔、蚕を食い荒らすネズミがおり、養蚕を保護するために猫を必要とされていました。

 

伏見稲荷の建立者は、養蚕に大変優れた人材で、蚕養神社を造るなどしていたとのこと。

 

そして、伏見稲荷の招き猫は、養蚕を守るためと、ネズミを封じるためのご利益のある猫として参拝土産で全国各地に持ち帰られたとの事。

 

それが後に福の縁起物」として招き猫が語り継がれてきたと言われています。

 

現在の伏見稲荷はパワースポット

現在は、全国に3万社ある稲荷神社の総本宮の伏見稲荷大社は、観光の地として、外国からも参拝に来る神社です。

 

そして、パワースポットの地として参拝される方も多く、主に、商売繁盛、学業成就、家内安全、交通安全、厄除け、病気平癒でお参りされます。

 

この稲荷山には猫が多く生息しており、境内の中を散策していると猫に出会う確率が高いところでもあります。

 

東京都世田谷区にある豪徳寺

助けてくれた猫への恩返し説

豪徳寺の由来説の中でも2つあるようですが、その中でも特に言い伝えられている由来があります。

 

江戸時代に彦根藩の伊井直孝氏が、鷹狩りの帰りに寺の前を通りがかったところ、和尚が飼っていた猫が手招きをしたので、立ち寄って休憩をしていたら、その後落雷があるなど大雨が降ったとのこと。

 

伊井は、お陰で濡れずにすんだと御礼に豪徳寺を立て直すための資金を寄付して盛り返しが出来たという。

 

そして、猫がなくなった後に和尚は、その猫を祀って境内に招猫堂を作ったそうです。豪徳寺では招き猫のことを招福猫児(まねぎねこ)」と呼んでいます。

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このご縁で豪徳寺は伊井家の菩提寺になったともいわれています。

 

招き猫の発祥の地とされる豪徳寺の現在

その豪徳寺の現在は境内に所狭しと招き猫が多く並べられています。

 

元々、豪徳寺は観光寺ではなかったようですが、近年の猫ブームで猫好きのスポットとして参拝される方もいるようで、海外からの観光客が参拝に来ることもあるようです。

 

豪徳寺までの道のりは、小田急線豪徳寺駅からお寺へ向かうと、改札口には招き猫でお出迎え。

 

お寺まで行く途中の豪徳寺商店街には電柱や、そのほか至る所に「猫、猫、猫!!」がいます。(猫を見つけながらお寺に向かっていくのも面白いです)

境内に入ると、

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招福殿から向かって左側の奉納所には招き猫がずらりと並んでいます。

 

招き猫の発祥の地とされる豪徳寺×ひこにゃん

因みに井伊直孝公に縁がある招き猫をモデルとして作られたのが滋賀県彦根市のゆるキャラ「ひこにゃん」だとか!

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豪徳寺にはひこにゃんと、豪徳寺商店街のたまにゃんが一緒に飾ってあるようです。

 

招き猫の発祥の地に因んだ町おこし

豪徳寺の招き猫は、お寺だけに留まらず、「玉電」と親しまれてきた玉川線の開通110周年を記念して2017年10月から2018年3月末までの期間限定で東急電鉄世田谷線(三軒茶屋-下高井戸、5キロ)を「幸福の招き猫電車」が走りました。

 

豪徳寺がデザインを協力して作られたらしく、伊井氏を助けた招き猫は現代もその影響を受けて

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衰えを知らず、今もなお多くの人を招いています。

 

招き猫の産地

招き猫は今もずっと生産され続けており、その中でも日本一の生産地が愛知県です。その中でも瀬戸市と常滑市は生産割合が80パーセントと言われています。

 

 瀬戸市は焼き物の町として古くから陶磁器が栄えています。明治に入りいち早く招き猫を作りだした街として100年間、招き猫を作り続けています。

 

瀬戸市で作られた招き猫は、細身で前掛けを付けた形の招き猫。古瀬戸タイプと言われています。

 

小判を抱えて二頭身の招き猫は常滑タイプといわれており、現在のポピュラーな招き猫の形になっています。

 

これは、昭和20年以降に作られたデザインの様で、今全国で見られる形の様です。

 

とこなめ招き猫通り

写真は招き猫の「とこちゃん」というとこなめ招き猫通りになる巨大な招き猫です。

 

猫も凝視するくらいの巨大招き猫が飾られているのはインパクトがありますね。

 

招き猫ミュージアム

愛知県瀬戸市薬師町には日本最大級の招き猫博物館の「招き猫ミュージアム」があります。

 

カフェスぺースや招き猫の染付体験も出来、館内は招き猫がずらりと並び、大正時代の瀬戸の洋館建築をモチーフにしたレトロな建物は情緒的です。

 

そして、常滑市には巨大招き猫が町中至る所にあり、イオンモール常滑やまるは食堂のエビフライを抱えた巨大な招き猫、常滑焼の焼き物のお店「ヤマタネ」さんにも巨大な招き猫があります。

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常滑市と瀬戸市は町中招き猫!猫!猫!の街のようです。

 

招き猫の右手 左手の意味

ここまで、招き猫の由来や、産地など見てきたなかで、福を招く猫は、今の現代も町中で招き猫があり、多くの方を招いているのが分かりました。

 

しかし、よく見てみると、豪徳寺の招き猫は右手を上げているのに対して、常滑市のとこにゃんは、左手を上げていますよね。何か違いや理由ってあるのでしょうか?

 

どっちも福を呼ぶ招福のようですが、どうなんでしょうか?

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次に招き猫の手の意味についてみてみました。

 

招き猫・右手の意味

一般的に、右手(前脚)を挙げている猫は金運や幸運を招くと言われています。

 

なぜそのように言われるようになったかは詳細は不明ですが、幸福を招く猫という事で右手が上がっている猫は一般家庭にも置かれているところも多いようです。

 

そして、右手を挙げている猫は雄猫と言われ、性別もあるようですね。

 

招き猫・左手の意味

左手を挙げている招き猫は、人=お客を招くと言われていています。千客万来や縁結びにご縁があると言われており、性別は雌猫と言われています。

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商売繁盛やサービス業を営むお店に置かれていることも多いです。

 

招き猫・両手上げの意味

招き猫が両手をあげているのも見る事があります。右手と左手の良いとこどりをした、金運とお客さんの両方を招くとも言われています。

 

しかし、中には手を挙げる=お手上げ状態を意味するという事や、欲が多すぎて、お手上げ状態になるといったあまり好まれない事も多く、等賛否両論あるようです。

 

その他、手にまつわる事は、手を高く上げていると、より遠くからの福を招いているとも言われています。

 

招き猫の座布団の意味

招き猫の座布団について、意味があるのかを調べてみましたが、座布団に座る事に対する意味は特に見当たりませんでした。

 

色については、赤の座布団に座っている招き猫が多かったです。実際に購入するときには、赤のほか、紫や金の座布団もあり、サイズが多く販売されています

 

筆者の見解は、やはり日本人は招く人や物に対しても、直に座るというというのは失礼にあたり、福を招く招き猫は座布団に座らせるのが一般的なのかと思いました。

 

招き猫の色の意味

招き猫は、色によって福を呼ぶ理由が異なるようです。今まで何気なく見てきた招き猫も色の理由を知ると、また面白味が深まります。

 

まず、一般的な色、柄は三毛猫です。一番伝統的でスタンダードな形でしょう。三毛猫の招き猫は船に乗せると船が遭難しないと言われているようです。

 

そして、猫好きの方の中では御存じの方も多いですが、三毛猫は雌が一般的です。雄が生まれるのは少数と言われています。

 

その為、その希少性の高い雄の招き猫を船に乗せると福を呼んで沈まないという言い伝えがされているようです。

 

招き猫の赤

赤い招き猫は麻疹などが嫌う色といわれており、病除けとしていい伝えられています。

 

招き猫の金色

金色の招き猫は見た目からそのまま、金運を呼ぶ招き猫としてあやかられています。

 

左手を挙げた招き猫は商売繁盛の金色の人招き。右手を挙げている招き猫はお金を招くようで、さらに効果が倍増しそうな色です。

 

招き猫の黒

昔から黒猫は「夜でも目が見える」という事から、「福猫」と言われており、魔除けや幸運の象徴として言われています。

 

いつの間には黒猫は縁起が悪いように言われる事もあるようですが、縁起が悪い事と言われる理由は、縁起がいい黒猫が自分の前を通り過ぎて行ってしまう事の黒猫の行動を指すようです。

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黒猫自体は縁起のいい猫なのです。

 

招き猫の黄色

「運を開く」と言われている黄色い招き猫。金運を高めるともいわれています。

 

そして、黄色の招き猫には縁結びの意味があるようです

 

招き猫の日(Lucky Cat Day)

9月29日は招き猫の日

毎年9月29日は招き猫の日ってご存知でしたか?来る→9 ふ→2 く→9の語呂合わせで、「来る福」→福を招く、招き猫の日と制定されたとのこと。

 

これは、「日本招猫倶楽部」という会員約500名の招き猫をこよなく愛してやまない団体の方たちが1995年に制定したと言われており、その日は、各地で招き猫に関するイベントが行われています。

 

長崎県島原市の来る福招き猫祭り

毎年、招き猫の日の前後の秋分の日から体育の日にかけて長崎県島原市では、1000体の招き猫が集合してイベントが行われています。

 

2016年開催のイベントの一例では、老舗の松屋菓子舗さんによる招き猫まつりの期間限定、

 

一日10個限定の島原ねこまんの招き猫饅頭が販売されたり、福招きのおみくじで運試しをしたりと、開催されました。

 

三重県伊勢市の来る福招き猫祭り

全国で初めてこの福招き猫祭りが開催されたのが、伊勢市のようです。

 

そこから徐々に全国に広がっていったようですが、因みに、2017年の開催内容は、伊勢神宮前のおかげ横丁でイベントが開催されました。

 

かみしばい広場で行われた招き猫の絵付け教室や、作家さんやコレクターさんの自慢の作品が並んだ福猫市場、来る福限定ランチも用意され、多くの観光客が来たようです。

 

愛知県瀬戸市の来る福招き猫まつりin瀬戸

伊勢市の開催の翌年から開催され始めた瀬戸市では、1996年からイベントを開催するようになったようです。

 

2017年のイベントを例に挙げると、9月29日の来る福招き猫の日のお祭りは、29日を迎える前の土日にイベントが開催されました。

 

招き猫生産地の瀬戸市では、招き猫になれる招き猫メイクの体験や、国内外の選ばれたアーティスト100人による創作された招き猫の作品展の展示。

 

招き猫の盆踊りまでイベント内容が盛りだくさんで開催されています。

 

元々、招き猫ミュージアムがある瀬戸市の会場はもちろん招き猫ミュージアムで開催。

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猫だらけの2日間の開催をされています。

 

招き猫のイベント

招き猫のイベントは年に一回の9月29日の来る福招き猫だけでなく、海を越えてイタリア、ルッカ「幸福を招く招き猫展」が開催されたりしています。

 

富士急ハイランドでは「縁結び招き猫まつり」その他には京都の高島屋で「招き猫の世界は、かくも面白い 招き猫博覧会」。

 

異色のコラボの「金魚と招き猫コラボレーション作品展」が熊本県長洲町の主催で開催されたりと、全国各地で招き猫のイベントが開催されているようです。

 

焼き物の街瀬戸市では、招き猫のセラミックアート展が開催されるなど、江戸時代から語り継がれてきた招き猫は、形を変えて

 

現代社会の中でも次世代に語り継がれていく形を画一していっています。

 

最後に

筆者自身招き猫は幼いころから知っている身近な存在だったはずですが、福を招く猫という簡単な事以外、身近すぎて意外に知らない事が多かったです。

招き猫の由来の猫に招かれてその後助かったという説は、偶然にも他でも同じような言い伝えがあったり。

今もなお招福猫は、国内だけに限らず、海外の観光客が来るなど、招福のパワーが衰えずに今も語り継がれているというのはまさに招き猫パワーですね。

 

縁起物や招き猫について