• 尺取り虫が成虫になるまで!
  • 尺取虫・シャクトリムシを駆除する方法とは?

独特な動きが特徴的なシャクトリムシですが、たまに見かけるとちょっとかわいいな…と感じることもありますよね。

しかしこのシャクトリムシ、もしも家庭菜園の葉っぱなどに発生してしまったら次々と食い荒らされてしまうなどの困った被害を引き起こすことも。

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しかもシャクトリムシは成虫になったら「蛾」になるって知っていましたか…?

シャクトリムシは可愛らしいけど、蛾は気持ち悪いから嫌だ!と、思う方も多いですよね。

 

そこで今回は、シャクトリムシが成虫になるまでのプロセスや、成虫の種類、それからシャクトリムシを駆除する方法まで徹底的に解説していきたいと思います。

尺取り虫が成虫になるまで!

尺取り虫は小さくて可愛らしい芋虫ですので、ずっと見ていると癒されるという人もいるかと思います。

 

しかし可愛い尺取り虫も成虫になったら全く違う姿に変わってしまいます。

 

そもそも尺取り虫ってどんな芋虫なの?という疑問に対する答えを中心に、成虫になるまでの流れや、たくさんある尺取り虫の種類についてご紹介していきたいと思います。

 

尺取り虫とは?

尺取り虫は、節足動物門シャクガ科のガ類に分類されている幼虫で、毛や針などは有していません。

 

幼虫のときは「尺取り虫」、成虫になると「シャクガ」と、それぞれ呼び名が異なるのが特徴で、さらに「しゃっかく」、「おぎむし」なんて別名もあります。

 

歩き方が独特で、まるで尺(長さ)を測りながら進んでいるように見えるため、「尺取り虫」という名前がつけられました。

 

様々な種類が存在しており、木の枝のように擬態できるものから、肉食性のものまで非常に多岐にわたっています。

 

尺取り虫は小さくて可愛らしい動きをしていますが、人間にとっては栽培した植物を荒らされることがあるため、害虫扱いされることもあります。

 

どうして独特な動きをするの?

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尺取り虫といったら、あの独特な動きが特徴的ですよね!

まるで人の手が長さを測っているかのような動きで移動するため、「尺取り虫」という呼び名がついたわけですが、そもそもなぜあのような不思議な動き方をするのでしょうか?

 

それには、尺取り虫特有の身体の構造が関係しているとされています。

 

尺取り虫の見た目は芋虫のようですが、一般的な芋虫とはちょっと異なる点があるんです。

 

芋虫は通常胸部に3対、腹部に5対の足を持っていますが、尺取り虫は胸部に3対、腹部に2対の足しか持っていません。何らかの理由によって、腹部の足が退化してしまったんです。

 

したがって、通常の芋虫はたくさんの足をちょこまか動かしながら這って移動していますが、尺取り虫は足の数が足りないのでそれができません。

 

身体をピンと伸ばして前足を前方につけたら、今度は後ろ足を前足側に引き寄せてU字状になります。

 

芋虫よりも足の数が少ないために、あの独特な動きをするようになったわけなんですね。

 

尺取り虫が成虫になったら何になるの?

尺取り虫は幼虫ですので、成虫になったら当然別の姿に変わります。

 

なんと、可愛らしい芋虫状の尺取り虫は「シャクガ」という蛾の一種に成長すると言われているんです。

 

果たしてシャクガとはいったいどんな蛾なんでしょうか?

 

シャクガとは?

シャクガとは、鱗翅目シャクガ科の昆虫を総称した呼び名で、非常に種類が多く世界中に生息している蛾です。

 

発見されているだけでも、世界全体で約1万種類、日本国内では約800種類もいるとされています。

 

それだけ沢山の種類が存在しているため、様々な大きさや模様の個体がおり、餌や発生時期なども多岐にわたります。

 

また、基本的には世界中のどんな地域にも広く分布しています。

 

シャクガは初夏〜初秋に発生することが多いとされていますが、やはり例外的に春や晩秋に発生する種類もあり、中には冬にしか羽化しない種もあります。

 

身体は細長く翅が広いのが特徴的で、蝶のような見た目に近いとされていますがその割には空を飛ぶ力は弱いんだとか。

 

ほとんどの種類は夜行性ですので、昼間は葉っぱの裏などで翅を広げてじっとしていて、夜に餌を求めて活動を始めます。

 

尺取り虫が成虫になるまでの流れ

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尺取り虫が将来的にシャクガになるのはわかりましたが、いったいどのように羽化するのでしょうか?

 

最初は数ミリ程度であった尺取り虫も徐々に数センチほどの大きさに成長し、十分に成熟しきったタイミングで土の中へと潜り込んでいきます。

 

土の中に潜った尺取り虫はそのままサナギになって、それから羽化をしてシャクガになる…という流れです。

 

そのため、もしも自宅で尺取り虫を飼う場合には、潜り込んでサナギになるための土を用意しなければなりません。

 

尺取り虫の種類

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シャクガの種類が沢山あるということは、尺取り虫も沢山の種類があるのでしょうか?

 

尺取り虫の成虫であるシャクガは世界中に1万種類以上生息しているという話をしましたが、という事は、そのシャクガの幼虫である尺取り虫の種類も同じだけ存在している…ということになります。

 

そんなわけで、続いては日本に生息している代表的な尺取り虫の種類についてご紹介していきたいと思います。

 

ウメエダシャク

こちらはウメエダシャクの幼虫です。

 

体長は成熟した頃で約30〜35ミリとされています。

 

全身は黒っぽく、赤褐色のシマシマ模様があるのが特徴で、さらに頭には白いラインが入っています。

 

毎年だいたい4〜5月頃にでてきて、ウメや桃、桜の木などの葉っぱを食べます。

 

ヨモギエダシャク

ヨモギエダシャクの幼虫は全国的に分布しており、比較的見つけやすい尺取り虫です。

 

その名の通り、表面はヨモギのような淡い緑色や緑褐色をしています。

 

成熟した幼虫で体長約55〜60ミリで、第二腹部に一対の突起があるのが特徴です。

 

ユウマダラエダシャク

ユウマダラエダシャクの幼虫は、成熟すると体長約25〜30ミリにまで成長します。

 

主にマサキやツルマサキ、ニシキギの葉っぱだけを食べるので、この木を覗くとユウマダラエダシャクを見つけることがあります。

 

マエキオエダシャク

主に本州、四国、九州、沖縄辺りに生息しているマエキオエダシャクの体長は約25ミリほどあります。

 

表面の色は、褐色に灰色のシマシマが入っており、前方の胴体だけが太くなっているのが特徴的です。

 

トビモンオオエダシャク

こちらは比較的大きな尺取り虫として知られている、トビモンオオエダシャクです。

 

トビモンオオエダシャクの幼虫は、終令になると約80ミリもの大きさになります。

 

見た目は褐色や灰色で、頭にツノのような突起が一対みられるのが特徴です。

 

クロモンキリバエダシャク

こちらは、ウルトラマンに出てくる宇宙恐竜「ゼットン」に似ているとネット上で話題の尺取り虫、「クロモンキリバエダシャク」です。

 

体長約40ミリで褐色や暗緑色のクロモンキリバエダシャクは、大きなツノのようなものが立っているのが目を引きますが、これは胴体から一対出ている突起なんです。

 

確かに、一度見たら忘れられないようなだいぶ特徴的な見た目をしていますね。

 

尺取虫・シャクトリムシを駆除する方法とは?

尺取り虫は愛らしい動きで密かに人気がある一方で、ガーデニングを行なっている方などにとっては害虫以外の何者でもありません。

 

それでは、もしも庭や花壇、畑などで尺取り虫が発生したらいったいどんな被害が起こるのでしょうか?

 

また、尺取り虫を駆除する方法はどうすれば良いのでしょうか?

 

尺取り虫がいたらどんな被害があるの?

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ある日、ふと尺取り虫がウヨウヨ動いている姿を発見したら要注意です。

あなたの庭木の葉っぱや大切に育ててきた花壇の花、蕾などは大丈夫でしょうか?

 

実は尺取り虫はとってもよく食べるので、放っておくとあっという間に食べ尽くされて枝だけの素っ裸な姿にされてしまう可能性があるんです。

 

尺取り虫の大好物は、主に葉っぱや花、蕾、果実なんかで、あらゆる植物を食害してしまいます。

 

また、年に3〜4回発生するとされておりますので、一年中被害がみられます。

 

特に春から夏にかけては葉っぱの食害が多く、秋から初春にかけては花や芽などが食べられてしまうことが多いのです。

 

ほとんどの場合、食害された植物の付近ではすでに姿が見当たらないことが多いので、早めの対処が必要です。

 

駆除するためにできること

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実は尺取り虫は成虫のシャクガになっても食害を引き起こします。

そのため、できれば尺取り虫である幼虫のうちに、またはそれより早い段階である卵の時点で駆除しておくことが望ましいのです。

 

尺取り虫の駆除については、いたってシンプルな方法です。

 

それは、「尺取り虫を見つけ次第捕まえて処分する」というものです。

 

基本的に尺取り虫の身体には毒がありませんから、素手で直接触っても問題ありません。

 

ですから虫に対して抵抗がないという方は見つけ次第ポイポイ捕まえて、捨てるなり潰すなりしてください。

 

とりあえず袋に入れて最後にまとめて処分するのがラクかもしれません。

 

また、素手で触るのはちょっと…という方は、割り箸などで掴むのがオススメです。

 

尺取り虫を無事に駆除し終わったら、卵の駆除も忘れてはなりません。尺取り虫は産卵や孵化のスピードが早いので、次々と発生する怖れがあります。

 

そうならないためにも、卵の段階からきっちり駆除しておくのが安心です。

 

卵は、葉っぱの裏や枝の分かれ目あたりにまとまってくっ付いていたりするので注意深く探してみてください。

 

もしも見つけたら、葉や枝ごと取り除いて処分しましょう。

 

効果的な予防法は?

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そもそも尺取り虫が発生しないよう、効果的な予防対策も重要となります。

尺取り虫が発生する前に…あるいはすでに発生した尺取り虫を駆除したあとに、今後尺取り虫が出てこないよう予防できる方法はあるのでしょうか?

 

その答えは、まず庭木をきれいに掃除することです。

 

余分な葉や雑草を取り除いておくことで、だいぶ被害を減らすことができます。また、付近に雑木林がある場合は特に注意が必要です。

 

木酢液を散布すると尺取り虫が寄り付かなくなると言われていますので、あらかじめ尺取り虫が発生しそうな場所に散布しておくと良いでしょう。

 

木酢液はガーデニングセンターやホームセンターなどで売られていますので、是非試してみてください

 

まとめ

ちょこちょこと歩く姿の可愛らしい尺取り虫ですが、なんと成虫になったらシャクガという「蛾」になるということでビックリしたかと思います。

尺取り虫は世界中に分布していて、約1万種類以上存在しているすごい芋虫だったわけです。

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また、あの独特な動き方の理由も理解していただけたかと思います。

それにしても、シャクガや尺取り虫は駆除しないと酷い食害を引き起こしてしまいます。

 

尺取り虫は毒がないので、見つけたらそのまま掴んで処分する方法でOKとのことでしたね。

 

合わせて、これ以上幼虫が発生しないように気をつけて予防していく事が大切です。

 

可愛い見た目とは裏腹に、自分ちの庭や畑、雑木林などに発生した場合の被害はたまったもんではありませんので、見つけ次第ちゃんと駆除しておいた方が良さそうです。

 

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