- アブラムシへの牛乳の効果は?
- アブラムシを退治するなら牛乳スプレー
育てている植物にアブラムシがわいて嫌な思いをしたことはありますか?
アブラムシはあらゆる植物の養分を吸収してしまうやっかいな害虫ですよね。
アブラムシへの牛乳の効果は?アブラムシを退治するなら牛乳スプレー
このコラムでは、アブラムシへの牛乳の効果や、アブラムシを退治するなら牛乳スプレーが良いのかについてご紹介していきたいと思います。
アブラムシへの牛乳の効果は?
アブラムシによる植物の被害
アブラムシって庭や畑で育てている植物大抵が被害を受けています。
- 春から秋にかけて発生
- 3月~11月は植物に発生するアブラムシの対策が必要になります。
アブラムシはありとあらゆる植物の栄養分を吸収してしまいます。また、その繁殖力もすさまじく、1~2週間で大量に発生してしまいます。
アブラムシは卵からかえり、幼虫になり、それから卵を産むのがなんと1~2週間だからなのです。
ですから、中でもアブラムシの繁殖期である4~6月と9~10月は特に注意して、アブラムシの対策が必要になってきます。
アブラムシによって食われるだけならばまだいいのですが、このアブラムシによって、植物がさらにすす病というのにかかってしまうことがあります。
このすす病にかかってしまうと、葉っぱが黒いすすに覆われたようになってしまいます。
このように外観を損ねてしまっては特に観賞用植物は台無しになってしまいますよね。
牛乳がアブラムシ駆除に有効
害虫ですから、農薬を使ってやっつけてしまうというのが一般的な方法ですよね。
ですが、ハーブや野菜、果物など口にするものを育てていれば、極力農薬などの薬品に頼るのはなるべく避けたいものです。
ところで、農薬を使わないでもっと身近なものを使ってアブラムシを退治できるってご存知でしたか?
それはどのご家庭でも大抵いつも冷蔵庫に入っている飲み物、牛乳なのです。
なんと、牛乳をアブラムシにかけるだけでアブラムシが退治できてしまうのです。
ただ、牛乳の成分自体にアブラムシを殺すような殺虫効果を持っているわけではないのです。
アブラムシに牛乳をかけると、牛乳の膜によってアブラムシは窒息死してしまうのです。また、牛乳が乾燥したときに発生する縮む力もアブラムシを殺す効果があります。
アブラムシを退治するなら牛乳スプレー
- 植物に水をあげるのを控えて植物を乾燥した状態にしておく
- 牛乳スプレーを使うのは、できればよく晴れた日の午前中がのぞましい
- 霧吹きでアブラムシや植物全体にまんべんなく牛乳を吹きかけます
- 乾かした後に水で牛乳を洗い流す
乾燥した状態が良いのは、牛乳や水が早く乾いてくれるからです。また、できれば風の強い日は避けた方がよいでしょう。

牛乳を霧吹きの容器に入れます。
霧吹きの容器は100円ショップでも入手できますし、それでも十分です。
霧吹きでアブラムシや植物全体にまんべんなく牛乳を吹きかけます。
この際、牛乳によって周囲が汚れてしまいます。玄関やベランダなどで行う場合には、植物の鉢の下に新聞紙などを敷いておくと後で掃除が楽になります。
植物をもし可能であれば、日当たりのよくて風通しの良い場所に移します。
不可能な場合には、なるべく時間をおいて乾かします。
そのあと、水を植物全体にかけて、牛乳を洗い流します。
植木鉢や玄関やベランダにこぼれた牛乳もこの際、ついでに洗い流してしまった方が衛生的です。
牛乳スプレーを効果的に使うには
牛乳が渇くときにもその時に発生する力もアブラムシを殺してくれますので、あまり間を置かずに牛乳を洗い流してしまっては効果が薄れてしまいます。
また、牛乳が濃い上に時間がかかってしまうと水で洗い流すだけでは落ちなくなってしまうことがあります。その場合は手で優しく葉っぱをこすって牛乳を落としてあげる必要があります。
これでは、手間がかかりすぎるので、牛乳の濃度を薄めるなどの調整が必要になるかもしれません。
牛乳の原液をそのまま使った方がよいのか、それとも水で希釈した方がいいのかという点については実ははっきりとした正解がないようです。
試行錯誤して、育てている植物に適した濃度を見つけ出した方がいいようですね。
水は霧吹きを使用しても構いませんし、水やりのつかっているジョウロなどでも構いません。
牛乳はそのまま使うのがもちろん一番効果的なのですが、それがもったいないと感じる場合には、飲み終わった牛乳パックに水を注いでそこからできる薄まった液でも、牛乳スプレーとして使用することができます。
ただ、濃度が薄い分、効果は薄まってしまうと考えた方が良いでしょう。
牛乳スプレーを使うデメリットは?
牛乳スプレーを使ったアブラムシ対策は農薬を使わないし、メリットだけに見えるかもしれませんがデメリットもあります。
- 牛乳スプレーを吹きかけた後、それが渇くまで臭いがしてしまう。
- 牛乳は洗い流すのに手間がかかる。
- 牛乳が植物に残っていると腐敗やカビを発生させる原因になってしまう。
- アブラムシ発生初期ならば一掃できるが、大量発生してしまうと効果が期待できない。
- 季節によっては牛乳スプレーをかけた後にハエなどが植物にたかってきてしまう
臭いに関しては、広い庭でやる場合には、問題ありませんが、室内やマンションのベランダでやる場合には臭いが問題になってしまう場合があります。
マンションの場合、風が強い日に風上の部屋でこの作業を行ってしまうとお隣の家に悪臭がいってしまって苦情がきてしまうかもしれませんね。
また、乾燥しきってしまった牛乳は水で流しても洗い流せなくなってしまいます。
そうなってしまわないように、あまり長期間放置せずに水で洗い流すようにしましょう。
また、この作業において、植物に牛乳をかけた上で、さらに後で水をかけることになってしまいます。

水のやりすぎで植物が腐ってしまう可能性もあので注意が必要。
また、気温が高い状態ですと牛乳が腐ってしまって、植物に別の虫や病原菌が発生してしまうおそれもあります。
ハエなどがたかってきてしまうことがあるようです。
これでは、何のために牛乳スプレーを使っているのかわからなくなってしまいますよね。
また、アブラムシが発生しだした頃であれば、この牛乳スプレーで全部退治できるようですが、その発生初期を見逃してしまい、アブラムシが大量発生した時点ではもう効果が期待できなくなってしまうようです。
前にも説明した通り、アブラムシは一週間~二週間程度で大量に繁殖してしまいますので、一週間も放置してしまうと大変なことになってしまいますので注意しましょう。
牛乳スプレー以外の駆除方法は?
上でご説明した牛乳スプレー以外にアブラムシ対策にどのような方法があるのか調べてみました。
光物を使って、アブラムシが植物に近寄らないようにする
これはアブラムシを退治するのではなくて、植物にはじめから寄せ付けないようにする作戦です。
アブラムシは光を反射するものを嫌います。

これだけで、アブラムシは寄ってこなくなるそうです。
また、この方法は鳥にも効果がありますので、これによって鳥に野菜や果物を食べられてしまう被害も減らすことができます。
木酢液スプレーを使う
牛乳の代わりに木酢液で作ったスプレーでも、アブラムシを駆除することができます。
作り方はとても簡単です。
- 水1リットルに対して木酢液5mlの割合で混ぜます。
- あとはこれをスプレーに入れて、植物に噴射するだけです。
牛乳スプレーのように噴射した後に洗い流す必要もありません。
木酢液スプレーの場合には、効果を維持するためには一週間に一回ぐらいは噴霧しなおすようにしましょう。
雨が降ってしまえば、外にいる植物の場合は雨で流れてしまいますので、それも考慮して噴霧しなおす必要があります。
木酢液は1.5リットルを600円程度で売っているようです。
1リットルあたり5mlでいいのですから、この1.5リットルを一本買っておくだけで当分足りるぐらいの木酢液スプレーが作れますよね。
使い切るのには何年もかかってしまうという見方をすればデメリットでもあるのですが。
牛乳を使うことに比べても、大分安上がりになりますよね。
木酢液には、酢酸・アルコール・木タールなどのが成分が含まれています。
これらの成分には、殺菌作用があります。
それだけなく、害虫が苦手とする臭いを出すので、その臭いで害虫を植物から遠ざけることができるのです。
また、土にまくと土に生息している微生物の栄養になります。
それによって、植物にもよい効果が期待できるのです。
ただ、植物にかければ、全部一掃できるほどの効果はないそうです。
また、牛乳スプレーでも同様ですが、臭いが発生してしまうというデメリットもあります。
また濃度が濃すぎると土に巻いたときに毒になってしまいますので、濃度には注意するようにしてください。

即効性という点では牛乳スプレーには劣るようです。
植物にアブラムシに対する耐性をじわじわとつけさせるというイメージです。
牛乳スプレーと同様、アブラムシがそこまで多くない場合はこれで十分かもしれませんが、繁殖して増えすぎている場合は、これだけでは駆除しきれないでしょう。
アブラムシの天敵であるテントウムシに食べてもらう

アブラムシといえば、天敵はテントウムシです。
テントウムシを使ってアブラムシを食べてもらうというのも一つの方法です。
テントウムシは幼虫も成虫もアブラムシを食べます。
アブラムシは成虫が一匹いると一日で5匹のペースで子供を産んでその数を増やしておきます。
ですから、アブラムシが増殖しだす前に、テントウムシが一匹いるだけでも大活躍してくれます。
ただ、テントムシを使った方法の欠点は、アブラムシがその植物からいなくなるとテントウムシも飛び立ってその場からいなくなってしまうことです。
なので、ビニールハウス内などの密閉空間であれば話は別ですが、そうでなければ最低限の量のアブラムシはわざと生き残るようにする必要があります。

アブラムシとも共存しないといけないということですね。
ただ、近年飛ばないテントウムシというのが人工的に開発されました。また、ナミテントウには一部飛行能力が低い変種のものがいます。
これらのテントウムシを育てて繁殖させれば、同じ場所でテントウムシにアブラムシを食べ続けさせることができるのです。
油石鹸水スプレーを使う
油石鹸水で作ったスプレーでもアブラムシを退治することができます。
- 水50に対して、食用油1~2、洗剤1ぐらいを混ぜます。
- 液体が白濁色になるまでよくかき混ぜてください。
特に油はよくかき混ぜてやらないと、上に浮いた状態になってしまいそれでは効果が得られなくなります。
それを霧吹きにいれて、アブラムシを狙って吹きかけるだけです。
これもご家庭にある食用油や洗剤がそのまま使えますので、お手軽に試せますよね。

牛乳と違って、後ですぐに洗い流す必要はありません。
ただし、野菜など口にする植物の場合には、収穫した後でよいので、よく水ですすいで落としてから口にするようにしてください。
アブラムシは葉っぱに残ったまま死んだり、地面に落っこちたりします。
アブラムシは黒く変色して、死んでいくようです。葉っぱに残っているものは手で払ってやれば落ちますので、確認して掃除しましょう。
ただ、この油石鹸水スプレーも効果は牛乳スプレーと同じ程度で、アブラムシが繁殖しすぎた状態ではとても力不足になってしまうそうです。
牛乳+石灰スプレーを使う
アブラムシが繁殖しすぎて牛乳スプレーや木酢液スプレーでは、駆除しきれないときには牛乳+石灰スプレーを使うとよさそうです。
牛乳にカキ殻石灰を混ぜた、牛乳+石灰スプレーであれば、牛乳スプレーよりもアブラムシの殺傷能力が増すそうです。
牛乳だけだと雨に流れやすいのですが、石灰を混ぜることで流れにくくなります。
また逆に石灰だけだと粒子が荒すぎるので、これでも十分にアブラムシを退治できません。
ですから、牛乳と石灰を混ぜることで、この2つのいいとこ取りの効果を得ることができるわけです。
農薬を使う
ここまで色々ご紹介してきましたが、一番確実な方法は農薬を使うことです。
害虫対策に慣れていない方、ガーデニングを始めたばかりという方は、やはり農薬を使うのが一番無難といえます。
牛乳スプレーなど、ほかの方法に比べて長期的な効果が期待できるのが大きなポイントです。
とにかく、手っ取り早くアブラムシを駆除したいという場合には液体やスプレータイプの農薬を選択すればよいでしょう、
- 土の中に埋めるような固形タイプの農薬が適している
ただ、あまりにも長期に同じ農薬ばかりを使い続けると、アブラムシの方に耐性ができてしまって、効きづらくなってしまうようです。
極力同じ系統の農薬だけを使い続けるのはさけて、複数のタイプの農薬を使い分けていったほうがよいようです。
野菜などの植物であれば、農薬自体が人間にとって毒になってしまうのが大きなデメリットですよね。
ただ、最近農薬の開発も進んでおり、野菜など農作物を収穫する直前に使用しても問題ないとうたっている安全性の高い農薬も登場してきているようです。
ちなみに、天敵のテントウムシを使って駆除する作戦をやっている場合、農薬をかければ当然テントウムシも死んでしまいますので、注意が必要です。
普段からの対策
また、普段からアブラムシが増えないように気をつけておくことも必要です。
- 日当たりや風通しが悪い環境も不利になりますので、植木鉢などの植物であれば置く場所もよく考えましょう。
- 地植えであれば、必要に応じて植え替えもした方がよいでしょう。
- 窒素成分の多い肥料を土に与えすぎないようにしてください。
- 葉っぱが乾燥しきってしまわないように適度に霧吹きなどで水分を持たせるようにすることも心がけてください。
基本的に化学肥料に頼りすぎてしまうと窒素成分が多くなってしまいよくありません。

アブラムシが現れるところにはアリも現れます。
アリはアブラムシの出す甘い汁を目当てに集まってくるからです。
アブラムシが見当たらなくても、アリが集まってきていたら、アリも取り除いてしまうようにしましょう。
まとめ
ここまで読んでみていかがでしたでしょうか?
どこの家庭でも冷蔵庫に入ってる牛乳でアブラムシが退治できるなんてびっくりですよね。
庭や畑の植物がアブラムシに好き放題にされないように、正しい知識を身につけて対処するようにしましょう。
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