- オオスカシバの幼虫には毒がある?
- オオスカシバの幼虫を駆除する方法って?
オオスカシバは蛾の中でも一番見た目が美しいと言われています。
オオスカシバってハチのように見えますが、その幼虫にも毒があるのでしょうか?
オオスカシバの幼虫には毒がある?オオスカシバの幼虫を駆除する方法
このコラムでは、オオスカシバの幼虫には毒があるのかについてや、オオスカシバの幼虫を駆除する方法についてご紹介していきたいと思います。
オオスカシバの幼虫には毒がある?
オオスカシバの幼虫は5月から9月にかけて出現します。
オオスカシバが生息しているのは日本では本州、四国、九州地方です。北海道には生息していません。
オオスカシバは蛾の中でもスズメガ科に属しています。
成虫のオオスカシバがクチナシの葉などに産卵して、そこから生まれてきます。
オオスカシバの幼虫の大きさは6センチぐらいから大きいものになると10センチぐらいになります。
オオスカシバは黄緑色なので、木の中にいると、見分けがつかないようにも思いますが、非常に大きな幼虫なので、木の葉を観察していけば簡単に見つけることができるでしょう。
また、オオスカシバの幼虫はお尻の部分に角のようなものが生えていることも特徴です。
オオスカシバの幼虫には毒がはあるのでしょうか?
美しい花には棘があるというように、見た目が美しいオオスカシバにも毒があるのかなあって思ってしまいますよね。
オオスカシバは蛾の一種ですし、実際毒を持っている蛾であるチャクドガを知っていてる方は警戒してしまうかもしれません。
しかしながら、実はオオスカシバの幼虫には毒はありません。
オオスカシバの幼虫を触ってみると、体毛が堅めなのでちょっとちくっとすることもあります。
しかし、毒はありませんので素手で触っても何も害もありません。
オオスカシバの成虫は?
ちなみにオオスカシバの成虫にも毒はありません。
見た目は蜂にとても似ているのですが、蛾ですから蜂と違って針も持っていません。
蜂の中でもハチドリに一番似ているといわれています。大きさはハチドリよりは少し小さめになります。
見た目だけでなく、高速での飛行移動やホバリングを行うといった点も蜂と同じです。なので、なおさら蜂と見間違いやすいのです。
実は成虫のオオスカシバが蜂に似ているのは自分の身を守るためです。蜂に擬態することで、天敵が近寄らないようにしているのです。
実は毒も針も持っていなくても、見た目で蜂と誤解されれば天敵に狙われにくくなりますよね。
この見た目によって、オオスカシバは天敵である鳥から身を守っているというわけです。
オオスカシバの成虫には毒がありませんが、だからといって、蜂と見た目が似ていますので、逆に蜂をオオスカシバと間違えてしまう可能性もありますので、注意が必要です。
また見た目だけでなく、翅を動かす音が大きいところも、音だけ聞くと「蜂が近づいてきたのか?」と勘違いして、びっくりしてしまいます。
さらに、紛らわしいことにオオスカシバの成虫が出現するシーズンは、蜂が出現するシーズンでもあるのです。
蜂であれば、触ったり近づいたりすれば刺されてしまいますので、蜂かオオスカシバか見分けがつかない場合には、近寄ったりましてや、触ったりはしないように注意しましょう。
なにせ、オオスカシバ自身、その蜂とよく似ている外観で天敵から身を守っているわけですから。
オオスカシバは人気があるので飼育する人も多い
そればかりではなく、オオスカシバは見た目がハチドリに似ているので好きという方もたくさんいらっしゃいます。
蛾といえば、人間には嫌われ者なのですが、その蛾が嫌いという方でもオオスカシバだけは例外で好きという方も大勢いらっしゃるぐらいです。
オオスカシバが美しいといわれる最大の理由はその翅にあります。
翅が透明であり、黒い縁取りが薄くついているので、まるで工芸品か、高級なステンドガラスのように見えるところが美しいと言われています。
ちなみにこのオオスカシバの翅は初めからこのように透明ではなく、幼虫から浮かして羽ばたいているうちに鱗粉が落ちて、美しく透き通った翅になります。
なので、オオスカシバを飼育する方も多いようです。また、その可愛らしい見た目から、オオスカシバのぬいぐるみなどを作る方もいるぐらいです。
ただ、オオスカシバを飼う場合、成虫を飼うのは難しいので、もし飼うのであれば幼虫から飼うのがおすすめです。
オオスカシバは幼虫も成虫も毒を持っていませんので、幼虫から育てて、羽化する瞬間を観察して楽しむことができますし、それが飼育している方にとっての醍醐味のようです。
飼う場合にはオオスカシバの幼虫にはクチナシの葉を与えます。
後で説明するように、オオスカシバの幼虫は、害虫として悩まされて駆除する方もいるのに、一方では可愛がって飼育する方もいるというのは面白いですよね。
オオスカシバが可愛いから買っているんだと友人、知人に自慢話をしたら、その方はオオスカシバの駆除に悩んでいる方だったという方もいるのではないでしょうか。
飼う場合は、畑や庭にクチナシを飼育している人に秘密にしたほうがいいかもしれませんね。 笑
オオスカシバの成虫は花の蜜を吸う
ちなみに成虫は、エサとして花の蜜を吸うようです。
ただ、成虫のオオスカシバが全ての花の蜜を吸えるわけではありません。
成虫のオオスカシバーが花の蜜を吸うためにある口のストローが2センチ程度しかないからです。
なので、自分が蜜を吸うことができる花をオオスカシバは探さなくてはいけないわけです。
クチナシってどんな植物?
ここで、オオスカシバの大好物である、クチナシがどんな植物なのかご紹介しましょう。
クチナシは、アカネ科クチナシ属の常緑低木であり、野生では森林の低木として自生しています。
園芸用の植物としてクチナシは人気
一般には園芸用として栽培されることが多い植物です。
クチナシは主に6月に花が咲きます。5月下旬から7月上旬にかけて、真っ白で綺麗な花を咲かせます。
クチナシの色は白一色のみで他の色のものはありません。
そして、秋には果実がなります。このクチナシの果実を乾燥させると、生薬・漢方薬の原料(山梔子・梔子)となるのです。
このように、クチナシは見た目が美しい観賞用植物であるだけでなく、この果実が着色料や漢方薬の材料にもなる植物です。
また、その香りがとてもよいのも大きな魅力の一つです。純白の白な花、その華やかさと香りのおかげで、花屋でも非常に人気があります。
クチナシの漢字は「梔子」「巵子」
クチナシは、漢字では「梔子」「巵子」のように書きます。日常的に見かけないような漢字ですよね。
クチナシという名前の由来は、実が熟しても、自然に割れないことから来ているそうです。
また他にも説があります。
蛇を意味する言葉である、クチナしか食べない果実をつけることから「クチナワナシ」という名がつけられて転じたという説も有力とされています。
ですが、日本では実は縁起のよくない花とされているという面もあります。
口が無いことから、嫁の口が無い、すなわち嫁の貰い手が見つからないという意味になってしまうのです。
ですので、女の子がいる家では、クチナシは育てないほうがいいとされているそうです。でも、ちょっと無茶な話ですよね。
綺麗な花といえば、女性に似合うイメージなのに女の子がいる家にあってはいけないとは困った話ですよね 笑
ただ、西洋ではそんなマイナスなイメージはありません。
ジャスミンに似ていることから「ケープジャスミン」と呼ばれているそうです。
オオスカシバの幼虫を駆除する方法
ただし、クチナシの木が大好物でして、オオスカシバの幼虫をどんどん食べてしまいます。
偏食家ともいえるぐらい、逆にクチナシ以外の植物は殆ど口にしないそうです。
ですから、オオスカシバの幼虫を探そうと思ったらクチナシの木を探すのが確実なのです。
オオスカシバの幼虫はクチナシの葉を食べ尽くす害虫
ですから、そんなクチナシの葉を食べつくしてしまうオオスカシバの幼虫は、人間にとっては無害ではあります。
しかしながら、クチナシの木を育てている人にとってはやっかいな存在となってしまうわけです。
また、オオスカシバの幼虫やクチナシの葉だけではなく、花や芽まで食べてしまいます。
しかもたちが悪いことに新芽ばかりを食べるようで、その食欲も非常に旺盛です。
さらにはオオスカシバの幼虫の大好物であるクチナシの木はそもそもあまり大きい木ではありません。
なので数が多い状態でオオスカシバの幼虫を放置しておくとクチナシの木を丸裸にするまで食べ続けてしまうおそれがあります。
なので見つけたら、さっさと退治してしまいましょう。
見た目は可愛らしいし、人間には害はないので、心が痛む方もいるかもしれませんが、だからといって放置しておくと、クチナシの木を丸裸にしてしまう可能性があります。
退治な植物を守ろうと思ったら、ここは心を鬼にするしかありません。
オオスカシバの幼虫の探し方
クチナシの葉を確認してみて、大きな虫食いの跡がみられた場合には高確率でそれはオオスカシバの仕業と考えてよいでしょう。
黄緑の幼虫ですが、先にもご説明した通り、とても大きいので木の葉を観察してみれば簡単に見つけられるでしょう。
また、オオスカシバの幼虫がいると地面に黒くて大きな糞をするので、糞を探すというのもオオスカシバの幼虫を探し出す有効な手段になります。
オオスカシバの幼虫は身体も大きいですが、その分糞も大きいです。
また、オオスカシバの幼虫はクチナシの木を丸裸にするほど、食欲旺盛ですので、その分糞もたくさんするのです。
糞のカタチは独特な形をしています。まるで、漫画で出てくる手りゅう弾のような形状をしています。
糞の大きさも、オオスカシバの成長と共に大きくなっていきます。
はじめのうちは小さめですが、成虫になる直前の終齢幼虫のオオスカシバは5mmぐらいの大きさの糞をするようです。
手で捕まえて殺す
オオスカシバの幼虫は数が少ないのであれば、やはり手で捕まえて殺してしまうのが一番確実な方法です。
オオスカシバの幼虫は毒は持っていませんので、虫を触ることに抵抗がなければ手でオオスカシバの幼虫をつまんでも何の害もありません。
ただ、手でつまんで取ろうしてもオオスカシバの幼虫が枝や葉にしがみついて簡単には引きはがせない場合もあります。
その状態で無理やり引きはがすとオオスカシバの幼虫の脚だけが、木側に残ってしまう可能性があります。
ですから、その場合や木の枝や木の葉ごとオオスカシバの幼虫を取り除くようにしましょう。
また、何も手でつかまなくても、ハシなどを用意してそれを使って取り除いてもよいですね。
オオスカシバの卵を駆除する
オオスカシバが幼虫になる前に卵の段階で駆除してしまうのもおすすめです。
実はオオスカシバの幼虫を駆除するよりも、卵の段階で駆除してしまう方が効率が良いです。
オオスカシバはクチナシの木の葉に卵を植え付けますので、幼虫と同じく木の葉を確認して卵を探しましょう。
特に若くて柔らかい葉っぱを注意して確認するようにしてください。
オオスカシバの幼虫は若くて柔らかい葉ばかりを食べるので、そこに産卵される可能性が高いのです。
オオスカシバの卵は、1~2mmぐらいの大きさで光沢があり、透明です。もし見つけたら、葉っぱごと取り除いてしまいましょう。
また、オオスカシバの成虫が花もないところで空中でホバリングしてとどまっていたら、それは産卵している可能性が高いです。
それは捕まえて駆除してしまった方がよいですね。
また、オオスカシバが卵を産むシーズンは年に二回ありますので、やるなら両方やりましょう。
天敵の鶏などにオオスカシバの幼虫を食べてもらう
天敵にオオスカシバの幼虫を食べてもらうというのも一つの方法です。オオスカシバの幼虫の天敵は鳥や昆虫です。
鳥に食べてもらうためには、クチナシの木の傍に鳥が寄ってくるようにしておけばよいのです。
鳥が住めるような、巣箱をクチナシの木の傍に設置したり、鶏が好む植物をクチナシの木の傍に植えて鳥をおびよせてみましょう。
またクモなどもオオスカシバの幼虫を餌にするようです。
農薬を使ってオオスカシバの幼虫を駆除する
数が少なければ、手で捕まえて殺せばいいのですが、数が多い場合は難しいですよね。
また、毒がないとは知っていても、手で触りたくないという方もいるでしょう。そういう場合は、やはり農薬が一番確実な方法になります。
オオスカシバの幼虫の成長度合いによって、使うべき農薬も変わってきます。
オオスカシバ対策の農薬として有名なものは2つあり、オルトラン錠剤とスミオチン乳剤です。
生まれて間もない若齢幼虫であれば、オルトラン錠剤が利きます。
しかし、成長してしまうと、オルトラン錠剤では利かなくなっています。
成虫になる間近のオオスカシバの幼虫には、スミオチン乳剤を使えば駆除することができます。
他の農薬でも大丈夫とは思いますが、残効性が高い農薬を選ぶことがポイントです。
最近では、手ごろに使えるなハンドスプレータイプの殺虫剤も売られているようなので、そういうものをつかってみてもよいでしょう。
また、わざわざそのようなものをオオスカシバの幼虫対策に用意するのはちょっと嫌だなと思うかもしれませんよね。
キンチョールやフマキラーのような家の害虫対策に使うような殺虫剤でもそれなりに効果はあるようです。
ただ、キンチョールやフマキラーのような殺虫剤が使えるのは対象の植物が葉の厚いクチナシである場合に限られますので、他の植物用にこれらを使うのはやめておきましょう。
これらのスプレーを使う場合には、あまり近づきすぎないようにしましょう。
あまり近すぎる距離でスプレーをしてしまうと、スプレーの影響でクチナシの葉が凍傷になってしまったり、変色してしまうおそれがあります。
目安として、2mくらいは離れた距離からスプレーするようにすると良いでしょう。
また、なるべく風が強くない日を選んで行うと良いでしょう。
このようにスプレーをすると、オオスカシバの幼虫が木からぽたぽたと落ちてくるはずです。
それを割りばしなどを使って拾い上げて処分してしまいましょう。
スプレーを散布し終わって15分~20分程度待ってから、水などをかけて今度は殺虫剤を洗い流します。
洗い流さないと、スプレーの油や臭いが木に残ってしまうことになります。
まとめ
ここまで読んでみていかがでしたでしょうか?
嫌われ者の蛾の中でも、美して飼う人もいるオオスカシバっていうのは独特で興味深いですね。
毒を持っていないのに、ハチドリに似た外観で天敵から身を守っているという点も面白いですね。
ただ見た目は綺麗で人間に害はなくても、植物には有害なので、飼育したがる人もいる反面、駆除したがる人もいるというのは皮肉なものですね。
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