• ウツボカズラはネズミも食べる?
  • 人間なら消化液は飲めるって本当?

ウツボカズラは、ネペンテスと呼ばれる食虫植物の和名です。

食虫植物と言えば、ハエをパックと葉の間に挟んで食べるハエトリソウは有名ですよね。

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植物とは思えない、動物のような動きをしますね。

ウツボカズラは、ハエトリソウとは違う捉え方で虫を食べています。しかも、虫だけでなくネズミまで食べてしまうという話もあります。

 

そして、食虫植物は意外ときれいな色や形をしているため、観賞用に栽培されてきたという歴史もあるんです。

ウツボカズラはネズミも食す?

食虫植物と言うと、虫や動物プランクトンを取って食べる植物ですが、ウツボカズラはネズミのような少し大きな動物まで食べてしまう習性があります

 

ハエトリソウのような作りの食虫植物だと、ネズミを食べるのは無理ですが、ウツボカズラは袋状になっているため、そこに餌を落として食べるためです。 

 

食虫植物には、大きく分けて3つの餌を捉える方式がありますが、ウツボカズラは落とし穴式の代表と言える食虫植物なのです。

 

まず、匂いで誘いこみ、近くに来たら表面がツルツルになっているため、餌食となる虫や動物は逃げることができません

 

ウツボカズラの袋へと入り込んでしまうのです。そして、袋の中の消化液で餌食を溶かして、跡形もなく食べてしまうのです。

 

ちなみに、食虫植物の虫の捉え方には以下のようなものがあります。

 

ハサミ罠式

ハエトリソウのように、獲物を挟む。

 

落とし穴式

ウツボカズラのように、袋に獲物を落とす。

 

粘着式

モウセンゴケやムシトリスミレのように、獲物を茎や葉にくっつける。

 

ウツボカズラの袋に落ちたら最後

ウツボカズラの形は葉の先に袋が下がっており、捕虫袋と呼ばれるその袋で獲物を捕獲します。

 

袋に蓋がついていて、その蓋の裏側に虫を引き寄せる物質が出ています。それを舐めると虫は寄ったようにフラフラになり、袋の中へと落ちてしまいます

 

袋の内側の表面はロウのようにツルツル、内壁は鱗片のようになっていて、よじ登っても剥がれてしまいます。

 

運良く袋の上の方によじ登れても、袋の口のところには下向きのトゲが出ているため、それに遮られやはり袋の底へ逆戻りです

 

袋に落ちたら最後、出ることは不可能なのです。そのまま、袋の底へと落ちて、消化液で溶かされてしまいます。

 

ウツボカズラの捕虫袋は、虫を捉えるためにさまざまな工夫が施されているのです。

 

食虫植物は栄養があまりない土地で自生するために、虫も食べざるを得なくなった植物ですが、生き残るために作り出された驚異のメカニズムと言えるでしょう。

 

ウツボカズラの消化液

ウツボカズラの捕虫袋に入っている消化液ですが、虫やネズミをも溶かしてしまうと聞くと、何とも強烈で触れることも恐いと思ってしまいます。

 

ですが、この消化液は酸性で、抗菌作用があるとされています。ウツボカズラが広く自生しているマレー半島やボルネオ島などの東南アジアでは、こうした性質から日常生活に活用されているのです

 

例えば、ものが腐りにくいため、コメや肉を持ち歩く携帯用の袋として使用されています。ちょうど袋の形になっているのも、便利なんでしょうね。

 

また、マレーシアの山岳地帯に住むブナン族、ダヤック族はウツボカズラの袋にお米を入れて炊いて食べる習慣があります

 

日常生活で活躍するウツボカズラは、自生する地域では市場で普通の果物や野菜と一緒に売られているのです。

 

ウツボカズラの消化液は人間でも飲める?

https://www.youtube.com/watch?v=ryTk28VrOHo

ネズミをも溶かすウツボカズラの消化液を飲むとは、かなり勇気がいりそうですよね。

 

でも、自生する東南アジア地域では、ウツボカズラ自体が日常的に使用されているように、その消化液も飲み物として飲まれることもあるそうです

 

ウツボカズラの袋の蓋がしまっている間は、酸性度が低く飲み水として活用することが可能だと言われています。

 

成長するにつれて蓋は開いていき、消化液の酸性が強くなっていきます。あまり成長していない蓋が閉まったウツボカズラを見つければ、その消化液は問題なく飲めるのですね。

 

日本では主に観賞用として販売されているので、そのウツボカズラの消化液を飲むことは避けた方がよいでしょう。

 

ただし自生しているところでは、ジャングルや高山地帯に入ったとき、水が不足した場合に緊急用として飲み水になっているのでしょう

 

観賞用ウツボカズラ

https://www.youtube.com/watch?v=zZnp5uUy214

ウツボカズラは観賞用として栽培されてきた歴史もあります。イギリスには19世紀初めに、日本には1902年に持ち込まれました。

 

ただ、夏場は強い日差しに弱く、冬場は寒さに弱いため栽培が難しい植物と言われています。

 

家で観賞用に育てるには、どんなポイントがあるのでしょうか。

 

置き場所と温度

東南アジアで自生するようにウツボカズラは、日当たりを好みます。

 

直射日光は避けて、日当たりのよい室内や風通しのよいベランダに置いておくとよいでしょう

 

冬15度を下回るようになったら、室内に取り込み、日の当たる場所で育てましょう。

 

夏35度以上では、霧吹きなどで鉢を冷やす工夫が必要になります。また、エアコンのある室内で育てた方がよいでしょう

 

ウツボカズラを育てるには、温度と湿度が大切です。気温は28度以上を保ち、湿度は80%以上を目安にすると、よく成長します。

 

水やり

ウツボカズラには高温多湿の環境が必要です。基本、毎日水やりするつもりでいましょう

 

湿度を保つためには、霧吹きが効果的です。株のまわり全体がいつも湿っているような状態を保つようにしておきます。

 

注意することは、湿度の高い夏場、根腐れを起こす場合もありますので加減して下さい。夕方以降に水やりをするとよいでしょう

 

冬場15度以下になったら、水やりを控えるようにします。冬は土が乾いたら水をやりましょう。湿度を保つための霧吹きは、常に必要です。

 

病気や害虫

ウツボカズラは病気にかかりにくく、害虫の被害も少ない植物ですが、株が弱ってくると、病気や害虫が発生してくることがあります

 

まずは、風通しのよい場所で管理することが大切です。株を弱らせないためには、定期的に植え替えをして、常に快適な状態にしてあげましょう。

 

ウツボカズラは主に水苔を使って育てます。植え替えする時は、株についている傷んだ水苔を取り除き、根の部分も腐っているところは切り落とします。

 

カイガラムシやハダニが出てくる場合があります。虫が小さいうちにできるだけ早く駆除して下さい

 

薬剤を使っての駆除もできますが、早朝か夕方涼しい時に散布しないと、ウツボカズラに薬害が出てしまいます。

 

袋を上手に育てるには

ウツボカズラの魅力の一つは、葉の下に垂れ下がっている袋です。

 

鮮やかな緑の葉の下から、赤い袋がいくつも下がっている姿は、インテリア素材としても素敵です。

 

その袋は葉先にあるトゲが変化して作られますので、その部分を触らないようにしましょう

 

日当たりが不足したり、肥料をやりすぎても育ちません。食虫だからといって、無理やり袋に虫を入れることもやめましょう。

 

肥料をやりすぎると、自分で虫を取ることがなくなり、袋が育たなくなります。肥料は生育期のみ2ヶ月に一回程度です。

 

おすすめな飾り方

ウツボカズラの袋が床につかない程度の背の高い植木鉢に植えます。普通の植木鉢なら、置き台やテーブルの上に鉢を置いておくといいでしょう

 

また、ハンギングも適してます。袋が下へと伸びていく独特の形をより一層楽しめます。天井に鉢を吊るせば、スペースも取ることなく、ペットや子供がいる家庭でも置き場所に気を配ることはありません。

 

壁に取り付けるバスケットの中で育てるのも、壁飾りの一つとして楽しめます。これも、ウツボカズラの下へと育っていく特徴を利用したものですが、贈り物にも適してます。

 

いかがでしたか。食虫植物、ましてやネズミも食べてしまうとなると、グロテスクなイメージが先行してしまうウツボカズラ

 

しかしながら、その形や色、働きなどを知ると、魅力的な植物だということがわかりました。あなたも一つ部屋に飾ってみませんか。

 

人気な食虫植物

ウツボカズラ

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ウツボカズラなどの食虫植物は楽天市場からも購入することができます

 

食虫植物を販売している場所を自宅周辺で見つけるのは大変だと思います。

 

もし興味があれば、楽天市場でウツボカズラを検索してみてくださいね。

 

モウセンゴケ

 

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ムシトリスミレ

 

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ハエトリソウ

 

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