- アシダカグモは糸でゴキブリを捕獲する?
- ネズミもアシダカグモの餌になる?
アシダカグモってご存知ですか?
実はこのアシダカグモ、あのみんなの嫌われ者のゴキブリを食べてくれるありがたい益虫なのです。
アシダカグモは糸でゴキブリを捕獲する?ネズミもアシダカグモの餌になる?
このコラムではアシダカグモは糸でゴキブリを捕獲するのか、ズミもアシダカグモの餌になるのかご紹介していきたいと思います。
アシダカグモは糸でゴキブリを捕獲する?
はじめにご紹介した通り、アシダカグモはあのにっくきゴキブリを食べてくれます。
人は見かけによらないと言いますが、アシダカグモも気持ち悪い見た目によらずとっても人間にはありがたい存在だったのです!
アシダカグモのルーツは?
アシダカグモは昔から日本に生息していわけではありません。
そのルーツは、インドであると言われています。
アシダカグモは「江戸時代にゴキブリを駆除するために海外から輸入された」とされています。
つまり、そんな昔からゴキブリを嫌う人たちに重宝されてきた、歴史ある、由緒正しいゴキブリ殺戮マシーンというわけですね。
アシダカグモは日本で初めてその存在が発見、報告されたのは、1878年でその場所は今の長崎県だったそうです。
アシダカグモはどのようにゴキブリを捕まえる?
クモといえば、糸で巣を作って、そこに餌になる昆虫などが引っかかったら食べるという種類が多いですよね。
こういうクモのことを造網性(ぞうもうせい)と言います。
アシダカグモはどうなのでしょうか?
アシダカグモはそもそも巣を作る習性がないのです。
自分の足で歩き回って、餌になる生き物を捕まえて、食べます。このようなクモのことを徘徊性(はいかいせい)と呼びます。
ゴキブリといえば、足が速いですが、アシダカグモもそれに劣らず足が速いです。なので、あのすばしっこいゴキブリを捕まえて食べてくれるのです。
また餌を糸でぐるぐる巻きにしてから食べるようなことはせずそのままがぶっと食いつきます。
アシダカグモは益虫
アシダカグモは 、家の中のゴキブリやハエを食べてくれますので益虫に分類されています。
また、大きいクモなので誤解されがちですが、人間に影響を与えるような毒を持っていません。
ただ、肉食であり、人間には効かなくても、餌になる昆虫には効く毒を持っています。プロテアーゼ、ヒアルロニダーゼ、エステラーゼなどの消化酵素が毒の成分です。
そもそもクモ自体、毒を持っているものが少ないのですが。
その見た目のグロテスクさから、毒を持ってそう!ってイメージが先行してしまっているのですね。
同じく、家の中でゴキブリを食べる虫にはムカデがいますが、ムカデのように人に噛みつく習性もありません。
ただし、人には絶対噛みつかないというわけではありません。
素手でアシダカグモをつかんだりすると身をまもるためにその大きな牙で噛みついてくる可能性はあります。
ただ、アシダカグモは臆病者で、人間に対してちょっかいを出してきたりは絶対しませんので、こちらから面白がってちょっかいを出したりしなければ被害にあうことはまず考えられないでしょう。
なので、アシダカグモはファンも多く、ファンの中では「軍曹」というあだ名がつけられています。
ファンの中にはわざわざアシダカグモを家のゴキブリ駆除のために購入する方もいるそうです。
昆虫学者安富和男の図書では、「アシダカグモが家に2,3匹いれば、家の中のゴキブリは半年もあれば全滅する」と書かれています。
まさに最強のゴキブリーハンターといえますね。
アシダカグモが餌を食べるときの面白い習性
2,3匹のアシダカグモだけで家中のゴキブリを全滅できるといことはご説明しました。
てことは、アシダカグモってそんなに食欲旺盛なの?って思ったかもしれません。
ただ、これは食欲旺盛だからというより、アシダカグモが生きた餌を食べた時の習性によります。
アシダカグモはゴキブリなどの生きた餌を食べている真っ最中でも、他の生きた餌を見つけると食べかけている餌を放棄して、生きた餌を捕らえに行くという習性がある。
一度噛みついて死んだ後の餌よりも、また生きて動いている餌のほうが美味しそう!って感じてしまうんでしょうね。
現にアシダカグモは動かない餌には見向きもしないようですから。
ゴキブリを退治するには、何もアシダカグモに全部食べてもらう必要はありませんから、一匹のアシダカグモの前に多数のゴキブリなどが現れたら、一匹を噛みついて殺して少し食べて、また次の一匹を噛みついて殺し・・・を繰り返すわけです。
一晩でたった一匹のアシダカグモが20匹以上ものゴキブリに噛みついたという観察記録もあるそうです。
生命力も異様に強く、殺虫剤も効きにくい種類もいる非常にやっかいなゴキブリをこんなに一気にやっつけてくれるなんてアシダカグモファンが多いのも、軍曹なんてあだ名がつけられるのも納得がいきますよね。
アシダカグモは衛生的でとても綺麗好き
また、ゴキブリは、その体に細菌やウイルスをまとっている衛生害虫なのに対して、アシダカグモはこのような病原菌は付着していません。
また、アシダカグモは強い殺菌能力まで持っています。
アシダカグモはその口から出す消化液が殺菌作用があり、それで自分の手足を常に消毒しているのだそうです。
人間でいうならば、まるでアルコールで手を消毒しているようなものですよね。
また、アシダカグモは臆病者のなので、食卓の上を這いまわったりすることもありません。
ですから、アシダカグモが家の中に侵入しても、衛生上何の問題も起こりません。
アシダカグモはハエも食べる
アシダカグモが食べるのはゴキブリばかりではありません。
ハエも食べてくれるのです。
ハエもゴキブリほど大きくもなく、気持ち悪くもないとはいえ、家に住み着く衛生害虫としてやっかいなやつですよね。
家の中の生ごみにたかっているハエがいれば、そのハエを捕まえて食べてくるのです。
アシダカグモは巣を作りませんから、生ごみがあればそこにハエが現れるかもしないと目を光らせているのかもしれませんね。
アシダカグモは蛾も食べてくれる
更にはアシダカグモは蛾までもを食べてくれます。
特に夏になると蛾は大量発生しますよね。
明るいところを好むので、街頭や家の玄関などにも集まってきます。
家にアシダカグモがいればこいつらも食べてくれますよ。
子供のアシダカグモは何を食べる?
成虫まで成長したアシダカグモは素早く動き回って餌を捕まえて食べますがまだ小さいアシダカグモは異なります。
普段じっとしていて、近づいてきた獲物を捕まえて食べるそうです。
身体相応に小さい虫を食べますが、ゴキブリの幼虫も好んで食べるそうです。
アシダカグモにはアンチも多い
ただ、みんながみんなアシダカグモが好きというわけでもありません。
アシダカグモはクモの中でも、大きいので見た目が気持ち悪さはゴキブリと変わらないかそれ以上と感じてしまう人が多いのもまた事実です。
またアシダカグモは脚が非常に長いのも気持ち悪いといわれてしまう原因の一つです。
その脚をアシダカグモが広げてしまうと、さらに大きく見えてしまい、さらに気持ち悪さが増してしまいます。
更には、ゴキブリのようにすばしこく走り回るところも気持ち悪く見えてしまうポイントの一つですよね。
家に住み着いて、なおかつ、大きいのクモなので、害虫ではありませんが、不快害虫の仲間にはなります。
アシダカグモは人には全くの無害ですし、臆病者なので日中は家のどこかに隠れています。
でも、アシダカグモに慣れていない人は、夜中にトイレに起きたら、家の壁や床をおおきなアシダカグモが這いまわっているのを見たらぎょっとしてしまいますよね。
ですので、見た目が気持ち悪さでいえば、ゴキブリの方がアシダカグモよりもまだまし!と感じてしまう方もいるぐらいです。
家に住み着く不快害虫といえば、他にもカマドウマがいますね。
カマドウマは小さいので、あれでも気持ち悪いと感じる方に大きいアシダカグモを益虫なので家に住み着いてるのを許容せよと言われても難しいでしょうね 笑
ネズミもアシダカグモの餌になる?
アシダカグモが食べるものはゴキブリやハエばかりではありません。
例えば、小さなネズミまでも食べてくれるのです。
ただ、さすがに相手がネズミとなると、どんなアシダカグモでも食べるというわけでにはいきません。大きく成長したアシダカグモに限られます。
またネズミのほかにヤモリも成長した大きなアシダカグモは食べるようです。
さすが、軍曹と称されることはあり、害虫だけでなく小動物まで食べてくれるんですね。
頼もしいことこの上ないですね!
アシダカグモは大きく成長したものだと20センチぐらいになるようようです。
ただ、いくら無害とはいってもこのサイズのアシダカグモを家に住み着かせるのは抵抗ありますよね。
また、アシダカグモもネズミも気持ち悪いのに、アシダカグモがネズミを捕まえて食べているところなんか気持ち悪さも倍増してしまいますね!
アシダカグモを家から撲滅したければ?
ここまで、アシダカグモが家中のゴキブリ、ハエ、さらにはネズミまでも食べてくれることをご紹介してきました。
とはいってもやはりクモは嫌いだし、さらに大きいアシダカグモは好きになれないので、家に住み着いてほしくはないという方もいるでしょう。
家からアシダカグモが出ないようにするにはどうしたらよいでしょうか?
答えは簡単です。
家にアシダカグモのエサになるゴキブリやハエがいない環境にしてやればいいのです。
それには、常に家を綺麗に掃除して、ゴキブリやハエのエサがなく、生き辛い環境にしてしまうことです。
家からゴキブリなどがいなくなれば、アシダカグモもここは用済みと見切りをつけてその家からはいなくなります。
とはいってもゴキブリは異常に生命力が高く、人間の髪の毛や石鹸、ダンボールや本までもを餌にしてしまいます。
なので、家の中をゴキブリの餌が全くなくなる状況にするのは難しいので、積極的に殺虫剤やバルサンを駆使してやっつけることも並行してやっていかないとなかなか撲滅はできないかもしれませんね。
また、もちろんアシダカグモ自体を殺虫剤でやっつけることも可能ではあります。
ただ、アシダカグモはそもそも害虫ではないので、アシダカグモ用の殺虫剤というのはあまりないのですが、ゴキブリなど用の殺虫剤でやっつけることも可能です。
まとめ
見た目のグロテスクを許容できるのであれば、アシダカグモは家に住み着く最強の益虫として活躍してくれることでしょう。
このコラムを最後まで読んでくれた方は、家の中で大きなクモを見つけても新聞紙を丸めてたたいたいり、殺虫剤をかけていたりした方の中でも考え直す方もいるのではないでしょうか?
私自身も、家の中でクモを見かけたら気持ち悪いのですぐに殺してしまっていたのですが、今まで殺してきたのはもったいないことをしてきたなと思ってしまったぐらいです。
ただ、20センチ超のアシダカグモを家に数匹放し飼いにしたいかと言われるとちょっとそれは無理ですね 笑
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