- オオゴマダラの幼虫には毒がある?
- 脱皮するまでの幼虫期間や食べ物は?
南の島を旅行したときにオオゴマダラが飛んでいるのを見かけたことはありませんか?
黒い斑点を持っている大きな蝶々で、日本で見かける蝶々の中で最大のものと言われています。
そのオオゴマダラの幼虫がどんなものかはご存知ですか?
オオゴマダラの幼虫には毒がある?脱皮するまでの幼虫期間や食べ物は?
このコラムでは、オオゴマダラの幼虫には毒があるのかやオオゴマダラが脱皮するまでの幼虫期間や食べ物についてご紹介していきたいと思います。
オオゴマダラの幼虫には毒がある?

オオゴマダラの幼虫は毒を持っているのでしょうか?
黒白の縞々で赤い斑点を持っている見た目から何となく毒を持っているような印象を持ちます。
実は、その通りで、オオゴマダラの幼虫は毒を持っています。
この毒によって、オオゴマダラの幼虫は天敵から身を守っているのです。
カラフルでインパクトのある外見も、天敵に毒を持っているぞと警戒をするためのものだったのです。
外見がそのようになっているだけで、実は毒を持っていないという虫もたくさんいるのですが、オオゴマダラの場合は本当に毒を持っていたのですね!
この毒は幼虫からサナギ、そして成虫になるまでオオゴマダラは持ち続けます。
ただ、毒があるとはいっても、人間がオオゴマダラの幼虫や成虫を触ったことで毒に侵されることはありません。
なので、人間に害虫とみなされることはなく、日本でも沖縄などではオオゴマダラはアイドルのように人気があるそうです。
その美しい姿から「南国の貴婦人」と呼ばれているのだそうです。
また、これとは別に白黒の見た目で空を飛んでいる様子が、風に飛ばされた新聞紙のように見えることから「新聞蝶」と呼ばれることもあるそうです。
オオゴマダラの脱皮までの幼虫期間や食べ物
ではオオゴマダラの幼虫は卵から孵化してからどのような過程を経て成虫に成長するのでしょうか?
オオゴマダラの卵が孵化するまで
オオゴマダラは一度に100~180個ぐらい産卵します。
オオゴマダラは一年を通して繁殖していますので、季節を問わずオオゴマダラの卵も見ることができます。
ただし、そこから幼虫まで育つのはごくわずかでたったの2%程度のみです。

自然に生き延びていくのはそれだけ厳しいのですね。
オオゴマダラの卵はホウライカガミの歯の裏などに産み付けられます。
それから2週間程度の期間で、元々の白色から黄色に変色していき、そこから孵化します。
オオゴマダラが幼虫からサナギになるまで
オオゴマダラの幼虫は生まれたら早速生まれた周辺の葉を食べ始めます。
オオゴマダラの幼虫は何度か脱皮を繰り返し、成長していきます。その過程で大きさだけでなく、見た目にも変化が表れていきます。
卵から孵化したばかりの1齢幼虫のオオゴマダラはまだ特徴的な赤い斑点は見られません。
また成長したオオゴマダラの幼虫が黒と白の縞々であるのに対して、1齢幼虫の段階では茶色っぽい色と白の縞々になっています。
それが二回孵化をして3齢幼虫になると赤い斑点が見られるようになります。
終齢幼虫の段階になるとオオゴマダラの幼虫は7センチぐらいの大きさまでになります。
終齢幼虫になるとエサをたっぷりと食べるとだんだんと動かなくなっていき、そこからサナギになります。
孵化してから3週間から7週間ぐらいたつとオオゴマダラの幼虫はサナギになります。
オオゴマダラのサナギは?
オオゴマダラのサナギは大きさは4~5センチぐらいあります。
尾部の一点で、木の枝や葉の裏などにぶら下がる形でサナギになるようです。
オオゴマダラが幼虫からサナギになった直後はサナギは黄色っぽい色をしています。
サナギはそれから2,3日たつと黄金の色になります。この黄金の色は構造色です。
幼虫が派手な色で天敵に毒を持っているぞ!とアピールしているのと同じでサナギもこの黄金の色で、天敵たちを近寄らせないにしているのだそうです。
このサナギが黄金になるところもよく知られており、成虫の美しさだけでなく、この黄金色のサナギの美しさもおオオゴマダラが人気になる理由の一つとなっているようです。

この黄金の美しいサナギの状態で、美しい成虫になるのを待っているのですね!
サナギから羽化までの期間は季節によって異なります。
夏場は一週間ぐらいですが、冬は一か月もの間サナギの期間になります。
オオゴマダラの幼虫は何を食べる?
オオゴマダラは、ホウライカガミやホウライイケマといった植物を食べています。
これらの植物はアルカロイド系の毒を含んでいます。
アルカロイドというのは窒素を含んだ塩基性を示す天然由来の有機化合物の総称です。
アルカロイドを含むのはほとんど植物ですが、一部は動物にも含まれているようです。
ニコチン・コカイン・カフェインなどもこれにあたります。
人間にとっては毒にもなりますが、使い方によっては薬にもなる成分ですね。
ニコチンは煙草に、カフェインはコーヒーなどの嗜好品に含まれていますよね。
上でオオゴマダラの幼虫は毒を持っているとご説明しましたが、それはこれらの植物が関係しているのでした。
オ

オゴマダラの幼虫はこれらの植物を食べることで、この毒をも取り込んでいます。
オオゴマダラの成虫の寿命は
こうしてサナギから返ってようやくオオゴマダラは成虫になります。
その大きさは羽根を広げると13センチもの大きさになります。そのため、日本に生息する蝶々では最大のものと言われています。
オオゴマダラの成虫は一般的には1か月~3か月ぐらいです。
しかし、条件が良ければ半年間ぐらい生きることもあるようです。

これは蝶々の中でも長い方のようです。
なのでオオゴマダラは飼育している場合でもその姿を長く楽しむことができます。
オオゴマダラはどこで見れる?
オオゴマダラは日本では沖縄諸島では自然に生きているものを見ることができます。
ただし、残念ながら本州には生息していません。しかしながら、沖縄まで行かないと日本では見れないというわけでもありません。

各地の動物園などでも見ることができるのです。
オオゴマダラは狭い場所でも飼育できるうえに、その美しい見た目から人気があるので動物園などでも飼育される対象になっているのです。
例えば長崎県にある長崎バイオパーク、東京の多摩にある多摩動物公園、神奈川県の横浜にあるよこはま動物園ズーラシアなどで成虫のオオゴマダラを見ることができます。
また、日本各地の温室がある昆虫館では必ずといっていいほど、オオゴマダラは飼育されているので、家の近くの昆虫館に見に行くのが一番手っ取り早くオオゴマダラを生で見る方法と言えるかもしれません。
また、オオゴマダラは沖縄県の宮古島市や石垣市では市の蝶々に指定されていてシンボルになっているのです。
沖縄県の各地では、「オオゴマダラが育ちやすい環境を作ろう」という動きがあります。
オオゴマダラが繁殖しやすいようにオオゴマダラの幼虫のエサや産卵場所になるホウライカガミを植える施設や家庭が増えています。
観光施設などでも、美しいオオゴマダラの姿を観光者にも見て楽しんでもらおうと、ホウライカガミを育てているそうです。
まとめ
ここまで読んでみていかがでしたでしょうか?
沖縄などに遊びに行く機会があればオオゴマダラが飛んでいないか探してみるのも楽しいですよね!
オオゴマダラについての記事
害虫の天敵について