• トンボとその幼虫
  • トンボ・幼虫の種類を画像で解説
  • 蜻蛉の餌や羽化までの期間

トンボはどこでも見かけることができる、とても身近な昆虫です。

そして飛んでいる姿は、なんだか心が癒されますね。

今回はトンボの幼虫、いわゆる「ヤゴ」を種類別に解説し、蜻蛉の餌や羽化までの期間についてもご紹介します!

 

蜻蛉と書くと「かげろう」とも読めますが「とんぼ」と読みます。

 

「とんぼ」と「かげろう」は似ていますが、まったく別の昆虫で別の生物です。

トンボとその幼虫

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トンボの幼虫ってヤゴのこと?

トンボは卵から幼虫になり、成虫まで不完全変態の昆虫です。

 

トンボなど不完全変態とよばれるのは、蛹である期間を持たずに直接成虫に変態する昆虫のことです。

 

面白いのが、成虫になれば空を飛びますが、幼虫であるヤゴの時代は淡水の水中で過ごしています。

 

ヤゴの間はお腹の部分にエラがあるのです。

 

幼虫の間は水中で生活して、成虫になったら空中を生きる…。

 

陸の上でしか生活できない私たち人間からすると、なんだか羨ましい気もしてしまいます。

 

トンボの幼虫は全てヤゴ

トンボの種類はとても多いです。

 

有名なトンボにはオニヤンマ、ギンヤンマ、イトトンボ、シオカラトンボなどなど。

 

不思議なことに、それらのトンボの幼虫全てを「ヤゴ」と呼んでいます。

 

○○ヤゴという名前ではなく、○○のヤゴと呼ぶのですね。

 

例えば「オニヤンマのヤゴ」「ギンヤンマのヤゴ」という具合です。

 

なぜトンボの幼虫は全て「ヤゴ」と呼ばれるのでしょう?

 

トンボの種類に「ヤンマ科」と呼ばれる種類があります。

ヤンマの子どもという意味から「ヤ子」→「ヤゴ」と変わっていき、トンボの幼虫を全て「ヤゴ」と呼ぶようになったそうです。

 

トンボの寿命は?

トンボは秋から冬にかけて産卵します。

 

そしてその卵は春には孵ってヤゴとなります。

 

オニヤンマはヤゴの期間がとても長く、数年間ヤゴとして生きていますが、多くの種類は数カ月程度でヤゴから成虫になります。

 

蝉が寿命の短い昆虫として有名ではありますが、トンボも長寿な昆虫ではありません。

 

成虫となってから30日~50日程度だといわれています。

ほとんどの種類が冬を越すことができませんが、中には成虫のまま冬を越えて、年を越して10ヶ月近く生きるトンボもいます。

 

トンボ・幼虫の種類を画像で解説

キャラ

成虫の姿と幼虫の姿って種類によって違うのでしょうか?

オニヤンマ

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有名なトンボの一つにはやはりオニヤンマが挙げられます。

 

本で見ることのできるトンボの中では最大級の大きさ。全長は10センチ程になります。

 

黒のかっこいいボディに黄色の縞模様が特徴的。眼は鮮やかな緑色をしています。

 

トンボは飛びながら小さい虫を捕まえて食べていますが、オニヤンマは時にはスズメバチでさえ食べることがあります。

 

カッコイイという言葉がぴったりなトンボですね。

生息地が減少しているようなイメージがありますが、それほど影響はなく、日陰になった涼しい水辺などで生息しています。

 

ギンヤンマ

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○○ヤンマと名前がつくトンボの中で、一番多く目にするトンボではないでしょうか。

 

全長は7センチ程あり、比較的大型のトンボです。

 

名前から考えると銀色、シルバーの色をしているのかと思いますが、実は緑、黄、黒のカラフルなトンボ。

 

さらにお腹の部分に水色があればオス、なければメスだと見分けることができます。

 

シオカラトンボ

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日本では最も身近なトンボといえるかもしれません。

 

黒とグレーっぽいカラーでシンプルなトンボです。体長は5センチほどです。

 

このビジュアルから塩に見立てて、シオカラトンボと名前がついたそうです。

 

地味なカラーとはいっても、成熟したオスはとてもきれいな色で存在感があります。

 

ただ、メスは黄色っぽいカラーで、そのカラーからムギワラトンボとも呼ばれています。

 

比較的、低地に住んでいるので、私達の住む周辺で見ることができるトンボですね。

 

イトトンボ

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その名前のとおり、体の部分は糸のようにも見えるほど細く小さいトンボです。

 

ボディが赤いベニイトトンボ、黄色のキイトトンボ、水色と黒のツートンカラーのセスジイトトンボ、クロイトトンボ、オオイトトンボなど、イトトンボにもたくさんの種類がいます。

 

トンボの特徴といえば、いろいろな色をした眼鏡ともたとえられる眼ですが、イトトンボは眼が小さいのも大きな特徴です。

さらに一部のイトトンボ、オツネントンボ、ホソミオツネントンボ、ホソミイトトンボなどは成虫になってから冬を越すことができる種類です。

 

ショウジョウトンボ

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メスは茶色なのですが、オスは眼からボディ全てが真っ赤なので、とても目立ちます。

 

かっこよく見応えのあるトンボです。

 

体長は5センチほどですが、ちょっと攻撃的なタイプで、オスは単独で池の淵などで縄張りも持っています。

 

他のオスが飛んでくると、地形に合わせて低空で飛び、にらみ合いをしながら飛ぶ姿をみることがあります。

 

メスはオスほど攻撃的ではありません。

ショウジョウトンボのようにメスとオスに大きな差があるのも昆虫では珍しくありませんね。

 

ハグロトンボ

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似たような形をしたトンボは数多く存在していますが、ハグロトンボはハネも身体も黒いのが特徴的です。

 

オスは全体的に黒っぽく頭から胸にかけて緑色のラメが入っています。

 

メスはほぼ黒っぽいボディです。

 

体長は5.5センチ~7センチほどで、ゆるやかな流れの川沿いで見つけることができます。

 

他のトンボのように素早く飛んだり、ホバリングすることはありません。

蝶々のようにヒラヒラ~と舞うように飛ぶのもトンボには珍しい特徴ですね。見とれてしまうほどの美しいトンボです。

 

蜻蛉の餌や羽化までの期間

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蜻蛉は何を食べているの?幼虫の間の餌は?羽化までの期間はどれくらい?

さまざまなトンボの種類を見てきましたが、餌は何を食べているのか、それぞれの羽化までの期間を確認していきましょう。

 

幼虫ヤゴの餌は?

トンボは幼虫の間、どのような餌を食べているのでしょうか?

 

幼虫の間は水棲生物です。田んぼやため池、流れがゆっくりな川などで見られます。

 

よく春~夏に学校などのプール掃除をする際に、ヤゴをたくさん捕まえることができ飼育する学校などもありますね。

 

幼虫を捕まえて家で飼育するとなった際、一番困るのがこの餌問題です。

 

幼虫は生の餌しか食べないからです。

 

ヤゴの好物はイトミミズ、ボウフラ、アカムシ、ミジンコ、バッタ、オタマジャクシ、メダカなどです。

 

自分の身体よりもあまりに大きいと食べることができない為、産まれたばかりの時はミジンコなどを食べています。

 

通常では折りたたまれている下唇を一瞬で伸ばして、離れた場所にいる餌を捕まえています。

もしトンボの幼虫から飼う場合は、ペットショップや釣り具店などで、生きた餌を手にいれることができれば大丈夫です。

 

トンボ成虫の餌は?

成虫になったらどんな餌を食べているのでしょうか?

 

幼虫ヤゴの間も生きた餌しか食べていないことからもわかるように、トンボは肉食昆虫です。

 

小さいものではハエや蚊、蜂やブヨ、蛾などを食べており、大きいものではコガネムシや蝉などを食べることも。

 

自分の身体と同じくらいの大きさや、自分よりも大きい昆虫を食べることもあるそうです。

 

さらには、蜘蛛やスズメバチなど間違えれば自分が食べられてしまうような相手も食べてしまうことがあります。

トンボは小さいものでも、大きいものでも飛ぶ飛翔昆虫を中心に好んで食べていることがわかります。

 

餌のとり方

飛んでいる虫をどうやって捕まえているのか不思議ですよね。

 

餌をとる時も、トンボは飛びながら空中で6本の脚でわしづかみにして、そのままかじりついて食べています。

 

なんともワイルドな食事です。

しかもトンボはあの癒される姿からは想像しにくいですが、同じ体重ほどある餌もたった30分ほどで食べきってしまうそうです。

 

餌さえ与えれば飼育できる?

生きた餌をちゃんとトンボに与えることができるのであれば、トンボはきちんと餌を食べてくれます。

 

しかしトンボを飼育しようと思うと、環境を整える方が難しいかもしれません。

 

トンボはかなり飛びます。

 

小さな虫かごにいれていると、飛ぼうとして壁や屋根にぶつかってしまい、すぐに弱ってきてしまいます。

 

捕まえてすぐによく弱ってきてしまうのは、そのせいですね。

トンボを飼育しようと思うのであれば、とても広いゲージなどを用意し、水と餌をしっかりとあげることが大切です。

 

羽化までの期間

実はトンボの幼虫、ヤゴでいる期間の長さは、トンボの種類によってかなりの差があります。

 

トンボの種類によって、解説していきましょう。

 

オニヤンマ

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体長が大きいことで有名なオニヤンマは幼虫ヤゴの期間がとても長いです。

 

卵期間は1~2ヶ月程度ですが、なんと4年~6年をヤゴとして過ごしています。

オニヤンマがあの大きさまで成長しているのも納得です。

 

ギンヤンマ

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ギンヤンマの卵期間は1~3週間程度。

 

通常、ギンヤンマの幼虫が羽化するまでの期間は3ヶ月~4ヶ月くらいです。

 

しかし、8ヶ月程度の期間があり、幼虫で越冬することもあります。

 

成虫の出現している期間が長いので、幼虫も1年中見つけることができます。

ギンヤンマは大きめな開放的な池を好むといわれています。

 

シオカラトンボ

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そのシオカラトンボ属は日本に9種類生息しています。

 

シオカラトンボの卵期間は5~10日程度で、幼虫ヤゴでいる期間は2~8ヶ月程度です。

 

幼虫で越冬する個体もいます。

日本では北海道から沖縄まで見ることができるポピュラーなシオカラトンボ。

 

イトトンボ

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イトトンボの卵期間は1~2週間程度。

 

幼虫でいる期間は2ヶ月~1年程になる個体も。

 

幼虫のまま冬を越えることもあるので、幼虫を一年中見つけることができます。

 

とくに秋から春にかけてが見つけやすいでしょう。

多くは沈水植物の水に浸かっている部分にしがみついた状態で生活しています。

 

ショウジョウトンボ

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ショウジョウトンボの卵期間は5日~2週間程度。

 

幼虫ヤゴでいる期間は2ヶ月~8ヶ月ほどです。

 

こちらも幼虫のまま冬を越えることができます。

 

幼虫でいる期間がそれほど長い訳ではありませんが、成虫が出現している期間が長いので、幼虫も一年中見つける事ができます。

特に秋から春が見つけやすいです。

 

ハグロトンボ

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ハグロトンボの卵期間は2~3週間程度。

 

幼虫でいる期間は1年~2年と長いです。

 

幼虫のまま越冬でき、一年中見つけることができます。用水路などでも見かけますね。

 

主に川岸の流れて揺れている植物にしがみついている状態で生活しています。

たくさんの種類のトンボのヤゴを画像で確認しました。
 
 
成虫姿での特徴が、そのまま幼虫の姿でも表れているものがありますね。
 
 
しかしトンボの種類に関係なく成虫の姿よりも、幼虫の方がビジュアルに大差がないように感じます。
 

 

まとめ

さまざまなトンボの成虫、幼虫の姿はいかがでしたでしょうか?

 

トンボには本当に数多くの種類があり、この他にもたくさんのトンボがいます。

 

トンボは素早い動きなので、種類を見分けることは簡単ではありません。

 

ですが蜻蛉の姿を見かけたら、何トンボなのかじっくり見てみるのも面白いですね。

あなたの住んでいる町でも意外と多くの種類のトンボを見つけることができるかもしれません。

 

トンボや幼虫について